資料-1

研究協力覚書(MOU)締結の概要

1.目的
 インド洋海域での海洋気候の季節変動から経年変動については、従来からインド国立海洋研究所との協力により実施しており、本研究協力覚書の締結により、更に相互の観測資源を有効に利用する事を目的とする。
 具体的には、本海域にトライトンブイを展開するとともに、海洋地球研究船”みらい”による海洋観測と、NIOでの中層流速計ブイによる観測を実施することにより、これまでモンスーンのエルニーニョに及ぼす影響の解明に係る観測が切望されていた東部熱帯インド洋の観測研究が促進される。
 また、海洋科学技術センターと宙開発事業団の共同プロジェクトである地球フロンティア研究システムで発見された、ダイポールモードイベント(平成11年9月16日発表)を観測し、その発生機構の解明も実施する予定である。

2.締結

(1)署名予定日:平成12531日(現地時間)

(2)署名者:海洋科学技術センター 堀田 宏 理事
     :インド国立海洋研究所 Desa(デサ)所長
(3)場所:インド国立海洋研究所(GOA STATE:ゴア州)

3. MOUに記載される協力事項

(1)インド洋に展開されるトライトンブイの維持のための相互協力
(2)データ取得、データ評価等についての協力
(3)データの共同解析
(4)科学技術情報の交換等

4. 今後の計画
 平成12年度より、トライトンブイをインド洋に新たに2ヶ所展開(0度、東経90度と南緯5度、東経95度)し、NIOは同時に赤道上に中層流速計ブイを2から3個所(0度、東経93度と0度、東経83度、0度、東経63度)に展開する予定である。また得られた資料を双方協力して解析をすすめ、来年以後も協力して研究を継続する予定である。
 尚、上記の括弧内のブイ設置位置については、現在の予定であり変更もある。

5. 期待される成果
 インド側の中層流速計係留ブイ並びに海洋観測船データと当センターのトライトンブイ、海洋地球研究船「みらい」による観測データとの相互補完により、インド洋暖水域の水温、塩分の季節変動、年々変動の観測データを相互に活用することにより、インド洋での海洋変動とエルニーニョ現象やモンスーンとの関連性が明らかになる事が期待される。