平成13年5月29日
海洋科学技術センター統合国際深海掘削計画(IODP)に係る
暫定科学アドバイス組織支援事務局(iSASオフィス)の設置について海洋科学技術センター(理事長 平野 拓也)は、2003年10月開始予定の統合国際深海掘削計画(IODP、別 添参照)に関する暫定科学アドバイス組織(iSAS: interim Science Advisory Structure)の支援事務局であるiSASオフィスを、本年6月より横須賀本部にて正式発足させることといたしました。
IODPは、日本及び米国がそれぞれ用意する2隻の深海掘削船を用いた深海底の掘削調査を世界各地の海洋で行い、地球環境変動や地震発生メカニズムの把握、海底下の生命圏やガスハイドレート生成要因等の解明を国際協力の下で推進する日米主導の国際共同研究計画です。
IODPは2003年10月より開始予定ですが、それに先立ち、各国の科学者からIODPにおける科学掘削提案書を募集し、IODP初期科学計画(IODP ISP、別添参照)に基づいてその検討・評価を行うことを目的として、本年6月からIODP開始までの間、暫定的な科学アドバイス組織(iSAS: interim Science Advisory Structure)を設置することが、昨年8月に東京で開催された各国/機関の政策担当者レベルの国際作業部会で決定されました。
日本は、このiSASの活動を支援することを目的として、その事務局を海洋科学技術センターに設置することを提案していました.これについて本年1月に英国で開催された国際作業部会において各国の了解が得られたため、本年6月よりiSASオフィスとして正式に海洋科学技術センターにて発足させることといたしました。
iSASオフィスは、科学掘削提案書の検討から評価までの工程管理、iSASの各委員会や専門部会の運営支援、国際深海掘削計画(ODP 、別添参照)からIODPへの円滑な業務移行などを主要業務とします。
問い合わせ先:
海洋科学技術センター
iSASオフィス 山川、江口
Tel 0468_67_5562
総務部普及・広報課 志村,月岡
Tel 0468_67_3806
(別添)
1.統合国際深海掘削計画(IODP: Integrated Ocean Drilling Program)について
海洋科学技術センターにて建造中である世界最新鋭の各種設備を備えた深海掘削船(地球深部探査船、2004年完成予定、2006年IODPでの国際運用開始予定)と、米国の用意する新たな深海掘削船(2005年IODPでの国際運用開始予定)を統合的に運用し、地球環境変動や地震発生メカニズムの把握、海底下の生命圏やガスハイドレートの生成要因の解明など、地球科学分野及び生命科学分野において画期的な成果 を得ることを目指す日米主導の国際共同研究計画。IODPは2003年10月から開始予定であり、現在、日米以外でIODPへの参加の意志を表明しているのは、独、英、仏、欧州科学財団、加、豪、中。
2.IODP初期科学計画(IODP ISP: IODP Initial Science Plan)について
IODP初期10年間の科学目標を定めたもの。各国の第一線の科学者が取りまとめ、本年5月に正式版が出版された。IODPにおける3大テーマとして、以下について記載されている。
(1) 地球環境変動
(2) 地殻変動過程と地球内の物質循環の解明
(3) 地下生物圏と地球内流体の解明3.国際深海掘削計画(ODP: Ocean Drilling Program)
1985年より開始された米国の主導する国際共同科学研究計画。22カ国が参加している。これまでに1,500点以上の掘削を行い、恐竜絶滅の謎、過去の急激な気候変動、海台の起源など様々な事が明らかになった。2003年9月末をもって、この計画は終了することとなっている。
4.iSASオフィス設置場所
海洋科学技術センター 横須賀本部 (本館4階)
住所: 〒237-0061 神奈川県横須賀市夏島町2-15
Tel: 0468-67-5562、Fax: 0468-66-5351
e-mail: isasoffice@jamstec.go.jp5.iSASオフィス人員構成
- アドミニストレーター
山川 稔(深海地球ドリリング計画推進本部)
- サイエンス・コーディネーター
江口 暢久(深海地球ドリリング計画推進本部)
Jeff Schuffert( 〃 )- 事務スタッフ
辻 紀子、その他1名6.iSASオフィススケジュール
- 2001年5月7日より準備期間
- 2001年6月1日より公式に業務開始