(参考)

微生物の応用の例

好アルカリ性菌:

  セルラーゼ(セルロースを加水分解する酵素)やプロテアーゼ(タンパク質を加水分解する酵素)がある。これらの酵素はアルカリ性で高い活性を有し、洗浄力を高めるために、洗剤に加えて広く利用されている。

好塩菌:

  飽和食塩濃度で生育する高度好塩菌の細胞膜にはバクテリオロドプシンという、光を吸収してそのエネルギーを化学エネルギーに変換する特殊なタンパク質が存在している。このタンパク質を生物素子として利用し、光を情報の媒体とするバイオコンピューターを実現しようとの提案がある。

好熱菌:

  高温でも耐えられる安定な酵素として、ポリメラーゼ(遺伝子複製酵素)があり、遺伝子の増幅に用いられている。常温でも長期間安定な酵素として、糖尿病の診断に欠かせない血液中のグルコース濃度等の診断用試薬がある。

好冷菌:

  低温下での食品加工への利用が期待されている。

溶媒耐性菌:

  水を大量に使う必要のない節水型の化学工業への利用が期待されている。

人工物質分解菌:

  PCBやダイオキシンなど難処理廃棄物の分解への利用が期待されている。