平成13年8月21日
海洋科学技術センター

深海巡航探査機「うらしま」海域試験の成果
〜自律型無人機の世界最深記録及び無線画像伝送の伝達距離を更新〜

 海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)は、平成13年8月3日に奄美大島東沖合で実施した深海巡航探査機「うらしま」の実海域試験において、新世代の自律型無人探査機として初めて、水深3,000mを超える3,518mの潜航試験に成功しました。また、この深度から水中TVカメラのカラー映像を超音波で水上の支援母船「よこすか」に伝送することにも成功しました。
 高性能のコンピュータ、ハイテクを駆使した航法装置と動力源、観測装置を搭載した新世代の自律型無人探査機は、欧米の先進諸国で開発が進んでおり、後発の我が国は開発が遅れていたが、従来の記録であった潜航深度3,000mを超えた今回の試験の成功で、先進諸国に追いつき一歩前に出ることができました。
 今後も「うらしま」は、実海域試験を続け、年内に航続距離100kmの自律連続航走試験を実施した後、来年には、陸上の実験場で性能試験中の燃料電池を搭載する予定です。また、この「うらしま」を基礎に、さらに大深度、長距離航走が出来る深海巡航探査機の開発を計画しています。

図1 :「うらしま」の海域試験風景。
     潜航試験後に支援母船に揚収される風景
図2 :潜航中の「うらしま」から伝送されたカラー映像。
     奄美大島東沖の名瀬海盆の水深3518mの海底から支援母船に超音波伝送で送られてきた静止画。
資料1:「うらしま」の一般配置図
資料2:「うらしま」の海域試験構想

 

             問い合わせ先:
              海洋科学技術センター
               海洋技術研究部 青木、月岡、百留
                電話0468(67)5568
               総務部普及・広報課 志村
                電話0468(67)3806