(別紙1)

Kenneth H. Nealson教授の経歴

 Nealson教授は、NASAジェット推進研究所及びカリフォルニア工科大学地球惑星科学科において、NASA地球外惑星生命探査計画における中心的研究を行っている。
 同教授は、海洋における発光細菌の研究から、地殻内微生物圏をはじめとした環境中での微生物による鉄及びマンガンなどの重金属還元作用の研究を経て、現在は、地球外惑星(火星及びエウロパ)での生命探査における遠隔生命活動評価法の開発、サンプル採取法の開発、並びに、火星における生物環境の理論的解析を精力的に行っている。
 また、NASA地球外惑星生命探査計画の広報活動として、米国を中心に、科学集会や一般講演会での積極的な啓蒙活動を行っており、世界でもっと多忙な微生物科学者のひとりである。

1.学歴
  1965年シカゴ大学修士課程終了
  1969年シカゴ大学博士課程終了
  1969〜1972年 ハーバード大学ポスドク

2.職歴
  1973〜1978年 カリフォルニア大学サンディエゴ校
           スクリプス海洋研究所 助教授
  1978〜1984年 同準教授
  1984〜1985年 同教授
  1985〜1997年 ウィスコンシン−ミルウォーキー大学 
           五大湖研究所 教授
  1998年〜現在  NASAジェット推進研究所 シニア−サイエンティスト
          カルフォルニア工科大学地球惑星科学科 準教授

                 


(別紙2)

・「地殻」:地球表面を覆う厚さ数km〜数十kmの層で、花崗岩、玄武岩、ハンレイ岩などの固い岩石で構成される。

・「ゲノム解析」:遺伝子の全塩基配列を解読すること。

・「固気相境界微生物」:地殻内のメタン・ガスハイドレートに関係する微生物についての造語。

・「真核生物」:細胞に核を持つ生物で、動物、植物、カビ、原生動物など。

・「真正細菌」:細胞に核を持たない生物のうち、細菌類、ラン藻類など、いわゆるバクテリア。

・「古細菌」:異常な環境で生きる核を持たない生物。「原核生物」と「真核生物」の中間的な性質を持つが、むしろ、より始原的な生物であるという説や、真核生物は古細菌が真正細菌に共生して生じたとする説もある。

・「原核生物」:核を持たない「真正細菌」と「古細菌」の総称。

・「始原的微生物」:「真核生物」、「真正細菌」、「古細菌」の共通祖先により近い微生物のこと。