参 考 資 料 2
地球シミュレータの性能について
計算機の性能は、大きく2種類ある。
○ピーク性能(プロセッサー:演算器が全部稼働した場合の性能)
地球シミュレータのようなベクトル並列計算機(※)のピーク性能は以下の通り表される。
1台当たりのプロセッサーの最大計算能力×台数
(※)ベクトル並列計算機: |
データを配列にまとめてベクトル化し、それを一度に処理する演算方式を行う計算機。演算の高速化がねらいである。例えば A=B+Cのような演算を数百回繰り返す時、データA,B,Cをそれぞれ配列にまとめてベクトルとし、読み出し、加算、格納をまとめて一度に行い、高速化を図ることができる。これに対してパソコンに代表されるスカラー演算計算機ではデータを逐次処理するため、高速化が期待できないことがある。 |
地球シミュレータのピーク性能は以下の通り
8Gflops/プロセッサー×5120台=約40Tflops
『約40Tflops:1秒間に40兆(40テラ)回の浮動小数点演算の性能、
すなわち40兆回の計算能力があることになる』
これが理論上、その計算機が有する最大性能、ピーク性能とされる。
○実効性能
理論値であるピーク性能に対して、実効性能はあるプログラムを実行した時に計算速度の能力であり、これがその計算機の実質的な性能とされる。この値は使用するプログラム毎に異なるため、この実効性能を表す世界的な標準指標としてLinpackベンチマークテストがあり、これを用いて計算機の性能比較が行われる。このテストは大規模線形方程式(百万次元レベルの方程式)を解いた際の最大計算能力を計測するものである。
地球シミュレータの場合は、「全球大気モデルにおける大気大循環シミュレーションで5Tflops」という実効性能を開発目標にしており、これについては達成している。
以 上