平成15年9月12日
海洋科学技術センター

アジアの大気汚染と私たちの暮らし
-UNEP-ABC公開シンポジウム- 開催のご案内

 海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)/地球フロンティア研究システム(システム長 松野太郎)は、文部科学省・環境省・国連大学高等研究所との共同主催により、下記の通りシンポジウムを開催いたします。私たちに最も関連の深い環境問題の一つである“アジアの大気汚染”を取り上げ、その社会的な意味、地球温暖化や気候変動との関わりなどについてみなさまと一緒に考えてみたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしております。



日時:9月23日(火・祝)13:00 開場 13:30 開演
場所:国連大学(東京都・渋谷区)


講演のハイライト
〜大規模な経済開発に伴う、国境を越えた、「大気汚染」の問題〜
昨年、南アフリカで開かれた「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)」でも大きく取り上げられた、世界の“飢えと貧困”といった危機的環境を改善しようと努力する中で、“大気汚染”の問題は途上国でも先進国でも、世界が未だ解決出来ていない大きな環境問題の一つです。特に日本を含むアジアでは、急速な経済発展に伴い、多くの国々で大気汚染の問題が深刻化しています。国連開発計画、ノーベル賞受賞者等の講演により、最新の大気汚染事情とその取り組みについて、ご紹介いたします。

世界中の大気微粒子濃度の高い上位15都市のうち、12がアジアに位置しているという現実と、大気汚染、健康、そして経済活動の関連。これらの問題に関わるヨハネスブルグサミット後の国連や政府間の動向。(ロナガン博士)
都会のスモッグ、「茶色雲」の75%以上は人間活動によるもので、地表の太陽光を減少させる。これは、熱帯における干ばつの原因にもなり、南アジアや熱帯の降水量にも変化を与える。(ラマナサン博士)
経済開発が熱帯や亜熱帯の大気、気候、及び地域の人々に与える影響。アジアで見られる大気汚染を削減するための、よりクリーンな燃料への転換や生物資源を燃料として使用することによる汚染物質排出規制について。(クルッツェン博士)

※ 当シンポジウムの詳細、お申込みについては、地球フロンティア研究システムのホームページをご覧下さい:
http://www.jamstec.go.jp/frsgc/jp/sympo/2003/abc/



講演者/パネリスト/コーディネーターの紹介
S.C.ロナガン(講演/パネリスト)

03年より国連環境計画アーリーウォーニング&アセスメント部門ディレクター。特に持続可能な開発への指針、気候変動影響評価等々に関心を持っている。
V.ラマナサン(講演/パネリスト)

カリフォルニア大学(UCSD)スクリプス海洋学研究所教授。
大気/気候科学が専門。クルッツェン博士と共に携わったインド洋観測実験(INDOEX)がきっかけとなり、現在のABCプロジェクトの設立へ大きく貢献し、当プロジェクト科学チームの共同議長を務めている。
P.クルッツェン(講演/パネリスト)

95年成層圏・対流圏オゾンの化学的変動メカニズム解明への貢献でノーベル化学賞受賞。独マックスプランク化学研究所前大気化学部長。カリフォルニア大学スクリプス海洋学研究所非常勤教授を務めている。
中島映至(パネリスト)

東大気候システム研究センター教授。
IPCC第3次報告書主執筆委員、ADEOS-II/GLI衛星センサー等の研究に携わる。専門は雲及びエアロゾルの気候影響、大気放射。
道傳愛子(コーディネーター)

上智大学外国語学部卒業後、日本放送協会入局。96年コロンビア大学大学院国際法・国際政治専攻修士号取得。バンコク支局特派員を経て、現在「NHK海外ネットワーク」キャスターとして活躍中。


>> リーフレット

問い合わせ先:
海洋科学技術センター 
 地球フロンティア研究システム 担当:塩見
  Tel:045-778-5723
  http://www.jamstec.go.jp/frsgc/jp/
 総務部普及・広報課 担当:鷲尾、野澤
  Tel:046-867-9066
  http://www.jamstec.go.jp/