日本近海の海洋変動予測システムの
データ提供開始
 
平成15年10月30日
海洋科学技術センター
宇宙航空研究開発機構
 

 海洋科学技術センター(理事長 平野拓也)と宇宙航空研究開発機構(理事長 山之内秀一郎) の共同プロジェクトである地球フロンティア研究システム(システム長 松野太郎)のJCOPEグループは、2001年12月より日本沿海海洋予測実験を行っています。すなわち、水平解像度が約10km、鉛直には海底地形を詳細に解像する35層の高解像海洋大循環モデルを開発し、海面の水位変動を常時観測する人工衛星(TOPEX/POSEIDON)のデータをモデルに取り込んで初期状態(黒潮流路とその周辺の渦の位置)を作り、それを出発点としてモデルを駆動、以後2ヶ月にわたる黒潮流路変動予測を実行してきました。以来、同グループでは導入する観測データの種類を増やすなどの改良を続けてきています。
 今回、各研究機関だけでなく産業界からも本データに関する問い合わせが多いことから、これまでに行った海洋変動予測システムの初期状態の計算結果データを広く一般に提供することにしました。廃棄物、漂流物等の位置推定、漁業関係者の操業計画等に役立つことが期待されます。同時に試験的に実行してきた2ヶ月予測のこれまでの結果も提供し、その妥当性、有効性について関係者の方々に検討していただく事も期待しています。

1.提供データ
 海洋変動予測システムは、人工衛星や船舶,海洋フロート等の海洋観測データと高解像度海洋大循環モデルを組み合わせて、日本近海の海況に大きく影響する黒潮流路の蛇行や中規模渦の挙動の予測を可能にするものです。
 現在、同システムにより1週間(毎週土曜日)毎に観測データを取り入れて海況現状を更新し、それを初期値として予測を行っています。2002年11月14日以降のデータ (水温、塩分、水平流速水位の2日平均計算格子データ)を希望者に提供することとし,その要項をホームページに掲載します。
http://www.jamstec.go.jp/frsgc/jp/index.html

2.開始時期
平成15年11月1日(土)から

3.問合せ先
 地球フロンティア研究システム 事務局  信田 Tel 045-778-5672(直通)
 海洋科学技術センター 総務部 普及・広報課 鷲尾、五町Tel:0468-67-9066
 宇宙航空研究開発機構 広報部 Tel:03-3438-6107〜9
    

注 ※JCOPE(Japan Coastal Ocean Predictability Experiment)グループとは地球フロンティア研究システムの気候変動予測研究領域に所属する日本沿海予測可能性実験グループのことである。

 

データの内容について
提供するデータ(水温、塩分、水平流速、水位の2日平均計算格子データ)は以下のとおりです。
データ (2002/11/14〜現在)
東経117度〜東経180度
北緯12度〜北緯56度 
各メディアに入る期間は以下の通りです
CD−ROM(1枚あたり)  3日間
DVD−R(1枚あたり) 20日間
DVD+R(1枚あたり) 20日間
8mmDAT( 7GB)(1個あたり) 30日間
4mmDAT(12GB)(1個あたり) 50日間
提供価格
〈メディア名〉
CD-ROM1枚あたり 4,950円(税別)
DVD-R,DVD+R1枚あたり 7,920円(税別)
8mmDAT(7GB)1個あたり 10,670円(税別)
4mmDAT(12GB)1個あたり 12,430円(税別)
なお、送料は実費となります。



黒潮蛇行の再現例