別紙 |
研究の概要
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1 .テーマ
新第三紀末〜第四紀における千年スケールの気候変動
-北大西洋海域における氷床・海洋・大気相互作用の解明-
2 .概要
北大西洋海域は、氷床融解水(氷山からの融解水)の流入がひきおこす急激な寒冷化などの、氷床・海洋・大気の相互作用による気候変動に関して重要な役割を果たしてきた海域である。この海域についての研究はこれまでにも行われてきたが、その多くは最終氷期(およそ7万〜1万年前)を対象としたものであり、氷床・海洋・大気の相互関係を調べるために必要なデータは充分に得られていなかった。地球の気候変動は、より長期の、過去数百万年間の期間を対象として、千年単位での短周期変動を調査することによって初めて明らかにされると考えられている。
本研究航海では、北大西洋海域において新第三紀末から第四紀までの過去200万年間を対象とした、数百年〜数千年単位での調査を行う。予定では、カナダのニューファンドランド北東沖合、グリーンランド南東沖合および北大西洋中央部という、それぞれ異なった氷山を由来とする堆積物が分布する海域で、海底下約300mの地点まで掘削を行うこととしている。いずれの掘削地点でも各地層にて連続的に試料を採取し、堆積物の年代や組成、およびその推移などを分析する。これによって得られたデータを基に短周期・長周期の気候変動を詳細に解析し、北大西洋海域で氷床・海洋・大気のそれぞれがどの様に関わりあって地球の気候変動に影響を及ぼしてきたのかを解明する。
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