平成17年11月15日
海洋研究開発機構
「ちきゅう」試験運用状況と今後の予定について(お知らせ)
 本年7月に完成し、試験運用を行っている独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)所属の地球深部探査船「ちきゅう」の状況及び今後の予定について、以下の通りお知らせいたします。

1.試験運用状況
 これまでに行われた試験及び訓練は、以下のとおりです。
 この結果、「ちきゅう」の操船性能、位置保持に係る位置確認システムの性能、掘削に係るパイプ操作機器のシステムとしての性能、掘削泥水システムの性能について確認することができました。これらについて、建造仕様として求めていた性能を満足していることも確認できました。また、訓練についても順調に行われています。

【1】長崎沖
  (1)期間 平成17年8月8日〜8月12日、8月25日〜9月2日
(2)試験・訓練内容 操船訓練
   
【2】駿河湾
  (1)期間 平成17年9月25日〜9月27日
(2)試験・訓練内容 トランスポンダ設置・回収試験およびDPS(自動船位保持システム)訓練に関する機器の動作訓練
   
【3】房総沖
  (1)期間 平成17年9月29日〜10月1日
(2)試験・訓練内容 水中カメラケーブルフリーフォール試験(水中カメラを海中に投下して、正常に使用できることを確認する試験)
   
【4】下北半島東方沖及び八戸沖
  (1)期間 平成17年10月17日〜11月10日
(2)試験・訓練内容 操船訓練
掘削機器システム性能試験(図-1
泥水システム性能試験(高比重掘削泥水の作成及び船体内の泥水システムにおける循環試験
 
 
2.今後予定されている試験・訓練等
【1】 BOP(噴出防止装置)の設置に係る試験・訓練
 11月16日から、実際に掘削を行う際に初期の最も重要なポイントとなるBOP(噴出防止装置)の設置のための手順のうち、船位の保持を行いながら、ドリルパイプを正確に掘削ポイントに降ろして表層のサンプルを採取する試験、掘削ポイントに向けて500tの荷重があるBOPを正確に降下させる試験を行います。これにより、掘削機器の基本的な機能が確認されることになります。
  (1)期間 11月16日〜12月中旬
(2)場所 下北半島東方沖及び駿河湾
(3)試験内容
BOP設置試験として以下の3項目の試験を実施予定(図−2
・ DPS(自動船位保持システム)試験
・ HPCS(ピストン式コアバレル(図-3参照))コア採取試験
・ BOP(噴出防止装置)降下試験

※コア:コア採取装置により採取あるいは掘削された柱状の地質試料(地層の記録)
 
以上の試験終了後、12月中旬に船体及び機器の保守作業のため三菱重工業(株)横浜製作所に着岸を予定しております。

【2】その他の試験・訓練等
2.1.宿毛湾
  (1)期間 平成17年12月21日〜平成18年1月11日
(2)試験・訓練内容 基本操作訓練(予定)
   
2.2.高知新港
  (1)期間 平成18年1月14日〜平成18年1月15日
(2)内容 一般公開(予定)
   
2.3. 宿毛湾港
  (1)期間 平成18年1月21日〜平成18年1月22日
(2)内容 一般公開・資材搭載(予定)
   
2.4. 宿毛湾
  (1)期間 平成18年1月22日〜平成18年2月7日
(2) 試験・訓練内容 基本操作訓練(予定)
   
2.5. 四国沖
  (1)期間 平成18年2月8日〜平成18年2月12日
(2) 試験・訓練内容 DPS(自動船位保持システム)試験(予定)
   
2.6. 宿毛湾
  (1)期間 平成18年2月13日〜平成18年2月22日
(2) 試験・訓練内容 基本操作訓練(予定)
   
2.7. 三菱重工業 長崎造船所
  (1)期間 平成18年3月1日〜
(2)内容 セメンチングユニット,ROV着水揚収装置搭載工事(予定)
 
また、来年の夏には下北半島東方沖の1000mまたは2000mの水深の海域において本格的なライザー掘削試験を行う予定です。
 
問い合わせ先:
独立行政法人海洋研究開発機構
地球深部探査センター 運用管理室 運航管理GL 田代 省三
TEL 045-778-5821
経営企画室報道室長 大嶋 真司
TEL 046-867-9193