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地球深部探査船「ちきゅう」の本年度試験運用の状況について
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独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)所属の地球深部探査船「ちきゅう」は、本年7月末に完成し、試験運用を実施しております。このたび、今年度に計画した主要な試験である青森県下北半島沖及び駿河湾におけるBOP設置試験を含むシステム総合試験が終了しましたので、その結果を報告します。 また、試験運用の一環として実施しましたピストン式コアバレル(別紙1参照)によるピストンコア採取試験において、長さ50m、70mの2本のピストンコア※の採取に成功したことも併せて報告します。
1.主な試験運用状況ついて 「ちきゅう」は完成・引渡し後、長崎沖、駿河湾及び房総沖において、操船訓練、水中測位用トランスポンダ設置・回収試験、自動船位保持システム(DPS)に関する機器の動作訓練等を順調に実施してきました。 今回報告するのは、下北半島沖において10月10日から12月1日まで、駿河湾において12月4日から12月12日まで行ったBOP設置試験を含むシステム総合試験についてです。このシステム総合試験において、主として以下の試験を実施し、それぞれのシステムの性能を確認することができました。
現在まで実施された試験運用により、本格的掘削試験前の船体システム及び掘削機器の基本的な機能を確認するとともに、本格運用へ向けてシステムを安全かつ円滑に運用するために必要な機器の調整及び多くの知見の蓄積を行なうことができました。 「ちきゅう」は今後、高知県宿毛湾をベースに船位保持機能を中心とした試験を実施することになっております。 2.ピストン式コアバレルによるピストンコア採取試験について(写真-1〜6参照) BOP設置試験の一部として、下北半島沖東方60km(別紙-3参照)の水深1,200mの海域において、ピストン式コアバレルによるピストンコア採取試験(11月22日〜28日に実施)を行い、長さ50m、70mの2本のピストンコアが採取されました(掘削によるコア採取は平成18年度以降に予定)。採取されたピストンコアを用いて、平成18年度予定のライザー掘削試験の準備として、「ちきゅう」の船上研究・分析機能の試験が行われるとともに、BOPの保持能力を評価するための海底下50m程度までの地層強度の測定(別紙-4参照)を行いました。この結果、当該海域の地層は、ライザー掘削を行うための十分な強度を持っていることが確認されました。 ○採取されたピストンコアに見る掘削海域の表層地層の特徴:
3.今後の予定: 3.1.宿毛湾
また、来年夏には下北半島東方沖の1,000mもしくは2,000mの水深の海域において、ライザー掘削試験を行う予定です。 問い合わせ先: 独立行政法人海洋研究開発機構 地球深部探査センター 企画調整室 企画グループリーダ 古山 裕喜 TEL 045-778-5821 経営企画室報道室長 大嶋 真司 TEL 046-867-9193 |