参考資料

講演者の紹介

●JAMSTECのあたらしい挑戦

末廣 潔 (すえひろ きよし)   [理事]

海洋研究開発機構の研究開発全体を統括する。

2004年に発生したスマトラ沖大地震の際には、「スマトラ島沖大地震及びインド洋津波被害に関する緊急調査研究」に、研究代表者として参画。

本講演では、地球の直面する問題と当機構の課題を紹介する。

●"つなぐ"科学と技術
その1 海面から海底をつなぐ科学と技術 -海洋の二酸化炭素吸収能力の観測研究-

本多 牧生 (ほんだ まきお)   [むつ研究所 サブリーダー]

1990年代初期から自動観測装置による西部北太平洋の観測研究に従事。耳かき一杯分のプランクトンの死骸や糞、缶ビール一本分の海水の化学成分の解析を行い、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を制御する海洋の能力の解明を目指す。

その2 地圏と生命圏をつなぐ科学と技術 -海底下生命圏探査への挑戦-

稲垣 史生 (いながき ふみお)   [高知コア研究所 サブリーダー]

統合国際深海掘削計画(IODP)を中心とした掘削地球科学に「地球微生物学」という新しい切り口からメスを入れ、海底下深部における未知の生命圏の全貌解明を目指す。特に、これらの生命活動が関与する物質循環や未知微生物種の代謝機能の解明を試みる。

その3 微細構造変化から巨大断層運動をつなぐ科学技術 -破壊現象のスケーリングと階層性の理解と応用-

阪口 秀 (さかぐち ひで)   [地球内部変動研究センター グループリーダー]

物質の破壊や流動現象のシミュレーションを行い、地球内部変動に関する多くの観測及び実験事実を単なる推論だけではなく、物理的根拠に基づいたモデルに結びつけ、プレート挙動などの予測精度向上に挑む。

●次世代型巡航探査機の要素技術について
その1 長時間、正確に航走する技術 -複数micro CPUによる分散処理システムについて-

吉田 弘 (よしだ ひろし)   [海洋工学センター 研究員]

自律型無人探査機「うらしま」の開発、1万メートル級無人探査機の開発に従事。海底調査、海洋調査、(微)生物研究等に役に立つ観測システムを確立することを目標に、水中ロボットの開発に情熱を捧げる。

その2 長距離の音響通信をする技術 -位相共役波による長距離水平方向の音響通信-

志村 拓也 (しむら たくや)   [海洋工学センター 研究員]

海洋調査の通信や測位に不可欠な海中での音響技術の開発のうち、長距離音響通信についての研究に従事し、長距離巡航型の無人探査機とのリアルタイム通信の発展に貢献することを目指す。

●海溝型巨大地震の解明に挑む海底ネットワークの構築 -巨大地震震源域のテレスコープ計画-

金田 義行 (かねだ よしゆき)
   [海洋工学センター 海底地震・津波ネットワーク開発部 部長]

地震研究の推進と防災/減災への貢献を目指して、紀伊半島沖の東南海地震震源域に地震観測のための先進的な海底ネットワーク網を構築するプロジェクトの総指揮を行う。

●地球深部探査船「ちきゅう」の最新動向

平 朝彦 (たいら あさひこ)   [理事・地球深部探査センター センター長]

地球深部探査船「ちきゅう」の運用部門の統括責任者。今秋から開始される統合国際深海掘削計画(IODP)の紀伊半島沖の南海トラフの掘削では、海溝型地震発生メカニズムの解明に挑戦する。

●特別講演 「海洋に関する研究の推進と産業振興への期待」

難波 直愛 (なんば なおちか)   [三菱重工業株式会社 特別顧問]

昭和37年4月新三菱重工業(株)入社、三菱重工業(株)神戸造船所長、船舶・海洋事業本部長、取締役副社長を経て平成15年6月三菱重工業(株)特別顧問に就任、現在に至る。

平成15年5月〜平成17年5月、船舶海洋工学会会長。第3期科学技術基本計画策定にあたり、内閣府 総合科学技術会議 基本政策専門調査会 分野別推進戦略プロジェクトチーム(社会基盤分野PT)に参画。その後、国土交通省 社会資本整備審議会・交通政策審議会 技術部会委員を歴任。

本講演では、国家基幹技術「海洋地球観測探査システム」をはじめとする海洋に関連した最先端技術とこれら技術の運用による調査・観測機材、ロボット等の関連する産業分野への広がりへの期待を述べる。

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