(参考資料)

○本システム構築の目的と各観測機器について

(1)目的

東海沖における地震・津波などのリアルタイム観測及び地震発生時やその前後における地殻変動並びに地殻中の水の移動を長期間モニターすること。

(2)当機構で開発したシステムの各部詳細

名称 機能 備考
分岐装置 電力・時刻信号・データ通信を観測装置に配信する。 図4左上
海底地震計 地震観測を行う。また、津波計や差圧計も搭載しており、津波や地殻変動を観測する。 図4右上
海底磁力計 地殻変動に伴う地磁気変化を観測する。
また、電位差計や温度計も搭載しており、地殻中の水の移動や海流の変化を検出する。
図4下
ケーブル 分岐装置への給電電流を変化させることにより、地殻の電気抵抗(電気伝導度)の変動をモニタリングする。地震発生における地殻中の水の移動を観測する。 図3

○本システム構築までの経緯

2006年7月 KDDIから海底ケーブル及び付帯設備の当機構への無償譲渡
2007年3月 KDDIにより豊橋沖海底ケーブルへの分岐装置の設置工事実施
2007年4月 当機構の海洋調査船「なつしま」およびROV「ハイパードルフィン」を用いて、 海底地震計や海底磁力計などの観測装置を海底ケーブル(分岐装置)へ接続 。
2007年5月 海底地震計、海底磁力計などによる長期観測を開始

○期待される成果

(1)
「地震・津波観測監視システム」へ接続する観測機器類の試験や、観測機器の海底への設置方法の試験などを実施する予定。また、取得データのリアルタイム配信手法の試験等も行う予定。
(2)
海底での多項目リアルタイム観測により、巨大地震の発生過程(特に地殻中の水の役割)の解明に貢献。
(3)
地震・津波観測データのリアルタイム配信への利用。なお、具体的な配信方法などについては、防災関係者と今後協議を進める予定。さらに、海底水温データに基づいた黒潮の蛇行情報なども水産関係者へ提供する予定。

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