独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、インシリコバイオロジー株式会社(横浜市中区山下町24番地8、代表取締役 大山彰、TEL045−222−0343; https://www.insilicobiology.co.jp)と共同開発した微生物遺伝子統合解析システム「メタゲノムギャンブラーライト(MetaGenomeGAMBLER—LITE)」を平成17年4月下旬(予定)より販売開始いたします。
メタゲノムギャンブラーライトは、好アルカリ性微生物(Bacillus halodurans)のゲノム解析をサポートするため1999年に当機構(当時海洋科学技術センター)が開発した旧バージョンのゲノムギャンブラーを改良したソフトウェアです。
なお、本格的販売に先立って、3月29,30日に札幌で開催される日本農芸化学会2005年度大会の展示会で紹介いたします。
1.メタゲノムギャンブラーライトの主な改良点
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PC単独で実行できる機能が大幅に増加し、ノートPCを持ち歩くことができるようになったため、遺伝子機能の割り振り作業 (アノテーション) が時間と場所を選ばずできる。 |
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従来からの数メガベースの微生物ゲノムはもちろんのこと、数十から数百キロベース程度の微生物ゲノムの一部を塩基配列決定しようと考えている小規模研究室にとっても利用しやすい仕様とした。 |
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PCに取り込まれた塩基配列(シーケンス)データの品質管理を行うことで低品質のシーケンスを自動的に排除するための機能を有しているため、最終的に決定される微生物ゲノムの塩基配列精度が向上する。 |
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シーケンスが組み立てられていく(アセンブル)過程で塩基配列が訂正される場合が多々あるが、アノテーションを継承する機能があるため、この問題にフレキシブルに対応できる。 |
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独自に遺伝子領域 (ORF) 探索を行うことも可能であるが、他の遺伝子解析ソフトウェアの解析結果をそのまま取り込むことができるため、複数の遺伝子予測結果を比較して、そのうちもっとも適当なものを選択できるという利点も持つ。 |
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複数の近縁種の微生物ゲノムとの間の相同性検索もリアルタイムで行うことができるため、専門技術者による前作業なしに、入手できる最新のゲノム情報を用いた解析が常に可能となっている。 |