
展示フロアの片隅にさりげなく置かれていますが、「ちきゅう」が昨年に実際に使用したドリルビット、これは本物です。航海前からJAMSTECの方に無理を言って確保していただいた一品です。このドリルビットは水深1000mの深海底から、沖縄トラフの300度近い熱水域に到達してきた実物で、ファンの方には「ヒービット君のお兄さん(*)」として親しまれています。同じフロアには、宇宙空間まで到達したH2Bロケットのフェアリングの実物もあります。上と下のフロンティアまで実際に行ってきたホンモノを対比するかたちで、科学者・技術者の努力を感じてほしい展示です。(*詳しくは、航海レポートへ )

こちらも研究者の方におがみ倒して(笑)、特別に展示させてもらっている「ちきゅう」が回収した本物のボーリングコア試料です。JAMSTECファンや科学業界?の人だと「おぉ!」とおもわず声が上がりますね。教科書やテレビ映像などで、「海洋地殻は玄武岩で出来ていて、その上に堆積物が積み重なっている…」といわれてもピンと来なくても、研究者が「奇跡のコア」と呼んだこの実物の地層を見れば、感覚として理解できるのではないでしょうか。水深5000m近い深海底のさらにその奥に、本当に存在した2000万年前の「境界」を目の前で見ることができるのですから、感動モノです。「百聞は一見に如かず」ですが、背景にある科学者・技術者の奮闘ぶりを知ってから見ると、より感慨深いでしょう。しかもこのサンプルは名古屋市民も大いに関心の高い東南海地震に関わる南海トラフの海底下から採取されたものとなればなおさらです。このような貴重な研究試料を展示することができたのもJAMSTECさんのご協力のたまものですね。

ここが感動の"境界部"。とにかく貴重な研究用サンプルのため、お寿司屋さんのカウンターのような特注ケース内で厳重に温度・湿度を管理。冷蔵展示されている。


当館目玉の世界最大プラネタリウムを目当てにご来館の方にも、「地球を知る」ために貢献するJAMSTECさんの研究に関心を持っていただければと思います。名古屋市科学館はリニューアル後、連日大変に混み合っており、プラネタリウムのチケットは朝早くに売り切れている状態ですが、工夫を凝らした展示室を楽しむのもオススメです。ご家族連れやお友達同士だけでなく、デートスポットとしても人気です。みなさんのご来館をお待ちしています。
名古屋市科学館
名古屋市中区栄2-17-1 白川公園内
地下鉄東山線・鶴舞線伏見駅5番出口から南へ徒歩5分
ホームページ:
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/index.htm
世界最大のプラネタリウムを筆頭に、120万ボルトの人工稲妻を体験できる放電ラボ、マイナス30度を体験できる極寒ラボ、高さ9mの人工竜巻を見られる竜巻ラボ、そして熱意あふれる学芸員のみなさんなど、創意工夫と迫力ある展示で科学への興味を湧きたてる科学館。JAMSTECの関連展示も一緒にぜひ楽しんでくださいね。
取材した日はあいにくの雨でしたが、開館前から1500人以上の列が。屋外では、2002年に運用休止したドルフィン3Kもお出迎えします。


常設展示も見られる名古屋市科学館特別展チケットを5組10名様にプレゼントします!
(1)住所(2)名前(3)年齢(4)職業をご明記の上、
「meet-the-jamstec@jamstec.go.jp」まで、
件名に「名古屋市科学館に行きたい!」と書いて
電子メールにてご応募ください。
応募締め切りは8月5日(金)必着です。
当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。