キーワード 「あらゆる生命は3種類」

みなさん、知っていますか?地球上のあらゆる生命体は、私たち動植物などのユーカリア(真核生物)、大腸菌などのバクテリア(真正細菌)、そしてアーキア(古細菌)のたった3種類に分類されます。

そのうち、アーキアは、20年程前までは温泉や塩田、海底熱水噴出孔、酸素のない泥地などの極限的な環境にのみ生息すると考えられていました。しかし、その後、海水、土壌等、普通の環境にも棲んでいることが明らかになり、最近では、人の身体の中からも発見されています。なかでも、光の届かない深海の水や海底下では、全ての微生物の半分近く、場合によっては半分を超える微生物がアーキアである環境も発見されています。

「ちきゅう」が、この航海で沖縄トラフ熱水噴出域から採取した地質サンプルからも、hot water crenarchaeotic group 4(HWCG4)というアーキアの遺伝子情報が新たに確認されました。この名前は、高い温度から見つかる正体不明アーキアの4番目のグループ、というだけの実にいい加減な名前です。高温が好きだろうということ以外、何者なのかまだ分からないために、これ以上詳しい名前をつけることができないのです。

このように、海底下には、どんな機能を持っているのか、詳しい実態が一切分からない、太古の時代から生き長らえてきた生命体がたくさんいるのです。

写真は「ちきゅう」が青森県八戸沖の海底から採取したサンプルから分離したアーキア(メタン生成菌)の蛍光顕微鏡写真