プログラム・講演要旨

環境保護の観点から、会場での講演要旨集の配布は行いません。
講演要旨集(PDF:3.9MB)はこちらからスマートフォンやタブレット端末でご参照いただくなど、ご協力をお願いいたします。

13:00~13:05 開会の辞
平 朝彦 海洋研究開発機構 理事長
13:05~13:20 趣旨説明 -講演会の聴きどころ-
藤倉 克則 
海洋研究開発機構 海洋生物環境影響研究センター

今、「ストップ海洋プラスチック汚染」が私たち人類が急いで取り組まなければならない課題として、世界的に叫ばれています。まず重要なことは、身の回りをみればわかるように、プラスチックは私たちにとって不可欠なものであるということです。プラスチックが使えなくなったら、私たちの生活はたちどころに行き詰まるでしょう。ですが、これ以上プラスチックによる環境汚染が進むと、生態系や人間生活への影響が深刻になることが心配されています。とても便利なプラスチックを使いながら、環境汚染をこれ以上進めないためにはどうしたら良いか、そして少しでも汚染を回復するにはどうしたら良いかを、この講演会では皆さんといっしょに考えたいと思います。
13:20~13:50 地球規模プラスチック汚染の現状
中嶋 亮太 
海洋研究開発機構 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループ 研究員

毎年、東京スカイツリー200個分の重さのプラスチックが海へ流入しています。この膨大な量のうち、およそ半分はアジア諸国から排出されているのです。海のプラスチックは分解されずに消えないごみとして海洋に蓄積を続けています。2050年には海のプラスチックが魚の量を超える予定です。深海底、南極海、北極の氷、地球上のどんなに遠く離れた場所にもプラスチックは存在し、もはやプラスチック汚染からは逃げられません。世界のプラスチック生産量はすでに4億トン、その半分近くが容器包装等の使い捨てプラスチックのために生み出されています。世界的にみて91%のプラスチックはリサイクルされていません。そして不適切な廃棄物の管理から意図せずともプラスチックは海に漏れ出しています。
13:50~14:20 観測から予測へ -プラスチックオーシャンの未来
磯辺 篤彦 
九州大学 応用力学研究所 教授

2014年から現在まで継続している海域調査によって、日本周辺の海洋表層に浮遊するマイクロプラスチックは約100万個/km2を数え、これは世界の海と比較しても際立って多いことが明らかとなりました。また、浮遊マイクロプラスチックの発生と輸送、そして消失を模した数値シミュレーションによれば、この浮遊量は日本周辺や太平洋中央部で50年後には約4倍にまで増えることが示唆されました。以上のような環境省推進費プロジェクトでの研究成果に加え、発生量が多いとされる東南アジアで展開する新たな研究プロジェクトについても紹介します。
14:20~14:35 休憩
14:35~15:05 技術革新でプラスチックオーシャンに挑む
土屋 正史 
海洋研究開発機構 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループ グループリーダー代理

小栗 一将 
海洋研究開発機構 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループ 主任技術研究員

海洋に流れ出たプラスチックごみは、紫外線や波などにより5ミリメートル以下のマイクロプラスチック(MP)になります。大きなプラスチックごみは、海岸清掃でも拾い集めることができますが、これほどまでに小さくなってしまうと、ほぼ回収は不可能。では、どのようにしてMPを検出して、分析しているのでしょうか?そもそも、どうやって海底や海中の試料を採集しているのでしょうか?空気中や衣類からも出てくるMPを、小さな破片となってしまったMP試料に汚染させることなく採取し解析するには、どのような技術を使っているのでしょうか?
15:05~15:35 海洋生態系への影響を探る
北橋 倫 
海洋研究開発機構 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループ 特任技術副主任

海洋プラスチックごみは、報告されているだけでも557種類の海洋生物に影響を与えています。その影響は、漁具への絡まりからプラスチックの誤飲に至るまで様々です。また、プラスチックの製造過程で添加される化学物質や、海洋を漂う間に吸着する汚染物質などの化学物質が生物に及ぼす影響も深刻です。生態系とは、様々な生物が絶妙なバランスで作用し合って成り立っているシステムです。海洋プラスチックごみが個々の生物に与える影響を紹介しながら、海洋生態系にどのような影響を与えるのか考えてみたいと思います。
15:35~16:05 日本で世界で海洋科学者と市民に出来ること
千葉 早苗 
海洋研究開発機構 海洋生物環境影響研究センター 海洋プラスチック動態研究グループ グループリーダー

陸上のどこかで産まれたプラスチックごみは、海に入ると海流とともに世界中に広がるので、その解決には世界の国々の協力が必要です 。現在、4つのR、Reduce (生産を減らす), Reuse(再利用), Recycle(リサイクル), Refuse(不要のプラスチックを断る)をスローガンに国際的な運動が展開されていますが、それらは法制、経済産業、科学技術、教育の取り組み、そして私たち市民の行動の全てが調和して初めて実を結ぶのです。講演では、そうした国際的な動きを紹介するとともに、特に海洋環境保護に関する普及教育の重要さ、また海洋プラスチック観測における科学者と市民の協力の可能性を取り上げます。私たちが今行動すれば、プラスチックごみ問題は解決可能なのです。
16:15~16:55 パネルディスカッション
新田 肇 日本-パラオ親善ヨットレース実行委員会 事務局長
松井 宏泰 海洋研究開発機構 国際海洋環境情報センター(GODAC)管理課 課長
講演者
16:55~17:00 閉会の辞
阪口 秀 海洋研究開発機構 理事