地球温暖化研究では従来用いられていなかった非常に水平方向に細かい格子を持つ大気モデルを使用し、極端な気象現象の正確な予測を行う。20km格子間隔(メッシュ)で地球全体を覆う大気モデルでは、台風やハリケーンの変化、梅雨の変化などの予測を行う。日本付近に領域を限定した5km、2kmおよび1km格子間隔の大気モデルでは、日本における集中豪雨などの予測を行う。60km格子間隔で地球全体を覆う大気モデルでは、複数の実験を行うことにより台風や梅雨の温暖化による変化予測の不確実性を見積もる。得られた地球温暖化予測実験の結果を用い、日本の土砂災害、洪水・氾濫災害、渇水災害、高潮・高波災害、強風災害の環境変化をその不確実性とともに予測する。さらに、地球全体と特に危険な地域における洪水災害発生の変化可能性を予測する。
詳細はこちら台風や集中豪雨といった極端な現象は災害に結びつき易いため、人々の暮らしや社会に大きな影響を与える。従って、地球が温暖化した時の防災対策を考える場合、台風や集中豪雨の変化に関する正確な情報が必要となる。台風や集中豪雨は、水平方向に細かい構造を持っている。本課題では、地球温暖化に用いられてきた従来の気候モデルに比べて、水平方向の細かい構造をはるかに詳細に表現できる大気モデルを使用する。20km格子間隔で地球全体を覆う大気モデルでは、台風やハリケーンの変化、梅雨の変化などの正確な予測を目指す。さらに、日本付近に領域を限定した5kmおよび1km格子間隔の大気モデルでは、日本における集中豪雨などの極端現象の正確な予測を目指す。
詳細はこちら地球が温暖化した時の防災対策を考える場合、現象の予測だけではなく、予測の不確実性に関する情報も必要である。本課題では、上記課題で用いる20km格子間隔モデルの60km格子間隔版を用いる。予測のばらつき具合を見るために、複数の実験を行い不確実性を評価し、不確実性の低減を目指す。海面水温の違いや雨を降らせる方式の違いによって、台風や梅雨の地球温暖化予測がどの程度異なるかを調べる。また、台風の発生数や強度の不確実性については、領域を限定した5kmおよび1km格子間隔の大気モデルにより詳細な調査を行う。
詳細はこちら京都大学防災研究所がこれまで研究開発してきた災害環境の評価手法群を発展・連携させて、流域圏すなわち山地斜面〜沿岸域の災害環境の変化をその不 確実性とともに予測する。具体的には以下の2つが柱となる。(1)大気モデルによる地球温暖化予測実験の結果を用い、雨の地域的・時間的な降り方や雪解けがどのように変化するのか、台風の発生・進路・強度がどのように変化するかなどを様々な確率的な指標で評価する。(2)日本の土砂災害、洪水・氾濫災害、渇水災害、高潮・高波災害、強風災害の環境変化を不確実性とともに予測する。たとえば、河川流量については現気候、近未来、世紀末ごとに約30年間の連続計算を山地〜下流域にかけて行い、洪水や渇水に対する安全度の変化を予測する。
詳細はこちら気候変動による世界規模での洪水リスク増大の懸念が広がっている。本課題は、超高解像度大気モデルの出力成果と分布定数型の洪水解析技術を組み合わせて、世界の洪水リスクの変化予測を行う。(1)まず気候変動予測に基づき洪水外力の変化を分析し、また社会的データに基づき社会の洪水脆弱性を分析して、これらを合わせ、現在から近未来・21世紀末に至る10〜40kmメッシュでの、洪水リスク変化に関する世界地図を作成する。(2)特に危険な流域については、1kmメッシュでリスク増大の詳細を分析する。(3)ともに、リスク増大に適応するために、洪水の利益も考慮しつつ、必要な対策シナリオを提案し、そのコストも算定する。
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