「人・自然・地球共生プロジェクト」課題2第1回連絡会議議事録

1. 日時

    平成14年11月1日(金) 15:30―18:30

2. 会場

    海洋科学技術センター横浜研究所 (横浜市金沢区昭和町 3173-25)
    交流棟2階大会議室

3. 議事録

    (1) 本研究プロジェクトの趣旨・目標・内容の確認

    人・自然・地球共生プロジェクトは、文部科学省の委託事業「新世紀重点研究創成プラン --- リサーチ・レボリューション 2002 (RR2002)」 で定められた 5 分野 (ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー、防災)のうちの環境分野における研究プロジェクトである。7つある課題のうち第 2課題では「地球温暖化予測統合モデルの開発」をテーマとして研究を実施していく。より具体的には、生物・化学過程を主 とし氷床・海氷モデルまで視野に入れた諸過程を、現存する大気・海洋結合大循環モデル取り入れた「統合モデル」を開発し、地球温暖化等の気候変動問題の研究に資することを目標としている。

    (2) 研究運営委員会メンバー候補者の選定

    <本プロジェクト関係者>
    松野 太郎(地球Fシステム長、共生2代表)
    近藤 洋輝(地球F、共生2代表補佐)
    及川 武久(地球F、筑波大学、共生2SG1代表)
    山中 康裕(地球F、北大地球環境、共生2SG2代表)
    中澤 高清(地球F、東北大)
    秋元 肇 (地球F、大気組成変動予測領域長)
    高橋 正明(地球F、東大CCSR、共生2SG2代表)
    甲山 隆司(地球F、北大地球環境、共生2)
    河宮 未知生(地球F)
    江守 正多(地球F、共生2SG4代表)
    阿部 彩子(地球F、東大、共生2SG3代表)

    <共生プロジェクト関係者>
    住 明正(東大CCSR センター長、共生1)
    安岡 善文(地球F、生態系変動領域長、共生3)
    日比谷 紀之(東大、共生3、大気・海洋)

    <関連研究機関>
    池田 元美(北大地球環境)
    遠藤 昌宏(東大CCSR)
    井上 元 (国立環境研)
    早坂 忠裕 (総合地球環境研)

    (3) 共同研究開発実施者各々の役割分担の明確化

    共生プロジェクト第 2 課題の実施体制は以下のようになっている。

    ●炭素循環、炭素循環・気候変化結合モデル開発
    代表者:及川 武久 (河宮 未知生)
      ○陸域炭素循環モデル
      伊藤 昭彦、田中 克典、市井 和仁
      ○海洋生物地球化学モデル
      山中 康裕、岸 道郎、
      相田 眞希、(吉川)、河宮 未知生
      ○陸域生態系変動モデル
      甲山 隆司、佐藤 永

    ●温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発
    代表者:高橋 正明 (滝川 雅之)
      ○温暖化・大気組成変化相互作用モデル
      滝川 雅之、渡辺 真吾、永島達也、(須藤 健悟)、(竹村 俊彦)
      ○温暖化ー雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価
      久芳 奈遠美、鈴木 恒明、野沢 徹

    ●寒冷圏モデル
    代表者:阿部 彩子
    大垣内 るみ、瀬川 朋紀

    ●気候物理コアモデル改良
    代表者:江守 正多
    鈴木 恒明、鈴木 立郎、高田 久美子、木本 昌秀、
    羽角 博康、松野 太郎、渡辺 真吾

    各々のグループで当面取り組むべき課題が決められた。それぞれの課題において実際の作業にあたる主な実施者の氏名とともに以下に記す。

    ●炭素循環、炭素循環・気候変化結合モデル開発
      ○陸域炭素循環モデル
      伊藤が中心になって開発を進めている陸域炭素循環モデルSim-CYCLEを含めた、陸域炭素循環モデルのレビュー … 市井 和仁
      ○海洋生物地球化学モデル
      簡単な海洋生態系モデルの MIROC (CCSR/NIES開発の大気海洋結合大循環モデル)への組み入れ … 相田 眞希
      ○陸域生態系変動モデル
      環境変化に対する生物群系の応答過程を陽に取り扱う陸域生態系モデルについてのレビュー … 佐藤 永

    ●温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発
      ○温暖化・大気組成変化相互作用モデル
      対流圏化学モデルの成層圏への拡張、成層圏化学モデルの MIROC への組み入れ … 滝川 雅之、永島 達也、(須藤 健悟)
      ○温暖化ー雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価
      雲微物理過程を詳細に表現するモデルの出力と、大気大循環モデルにおける雲粒粒径分布の取り扱い等との比較検討 … 久芳 奈遠美、野沢 徹

    ●寒冷圏モデル
    海氷・氷床モデルを組み入れた大気海洋結合モデル(開発済)のバリデーション、またそうしたモデルによる温暖化応答実験、古気候データによる検証… 大垣内 るみ、瀬川 朋紀

    ●気候物理コアモデル改良
    MIROC における成層圏の高解像度化、大気上端の拡張、重力波の取り扱い改善 … 渡辺 真吾

    (4) 以後の定例連絡会議についての詳細決定

    当面は月2回程度、フロンティアで集まりを持つことになった。次の3回分の予定が以下のように決められた。
    11/22 (金) 10:00-12:00 海洋炭素循環モデルに関するレビュー… 山中、河宮
    12/16 (月) 13:00-15:00 陸域炭素循環モデルに関するレビュー … 市井
    (01/09 (木) 14:00-16:00 大気化学モデルに関するレビュー… 滝川、渡辺)

    ただし 01/09 の回に関しては、大気化学関連のワークショップと日程が重なっていることが後になってわかったため予定変更の可能性が大きい。

    (5) 開発すべきモデルについての意見交換

    大気大循環モデルの解像度は T106 (格子間隔に直して 1 deg. 程度) が適当と思われる (モデルパフォーマンスがこのあたりで一度「飽和」する)。特に海洋大循環モデルに関して、採用すべき解像度・座標系に議論の余地がある。これは、海洋の解像度を 1 deg. x 1 deg. (非渦解像) 程度にするか、1/6 deg. x 1/4 deg. (渦許容) 程度にするか、あるいはそれ以上 (渦解像) にするかでモデルパフォーマンスに大きく影響するためである。
    この点については、当日の会合では問題点の周知に留まった。以後の会合で 議論していきたい。以下簡単に参考となる数字、論点を掲げておく。

    Spin up のための計算時間
    -> ・ 1/6 deg. x 1/4 deg. で 100 年積分に 1 月 (地球シミューレタ上) ・海洋モデルの定常状態到達のためには 1000 年以上の積分が必要 ・ パラメータに関する感度実験は多数行わねばならない可能性が大き い渦許容以上の高解像度では極の特異性の問題が深刻となる
    -> 極を回転した座標系(数値計算上の極を陸地に置く)を採用するか?
    その際の欠点
    • 赤道に関する対称性が良くない
    • 解析面倒

4. 参加者

<外部参加者>
羽角 博康 (東大CCSR)、野沢 徹 (環境研)、永島 達也 (環境研)、
市井 和仁 (名大理学部)、佐藤 永 (九大)

<地球フロンティア参加者>
松野 太郎、近藤 洋輝、伊藤 昭彦、田中 克典、山中 康裕、
岸 道郎、相田 眞希、滝川 雅之、久芳 奈遠美、鈴木 恒明、
阿部 彩子、大垣内 るみ、江守 正多、鈴木 立郎、S.マクシュトフ、
渡辺 真吾、瀬川 朋紀、河宮 未知生 (FRSGC)

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