「人・自然・地球共生プロジェクト」課題2第2回連絡会議議事録

日時:平成14年11月22日(金) 10:00−12:00
場所:海洋科学技術センター横浜研究所 (横浜市金沢区昭和町 3173-25)
交流棟2階三好記念講堂

議事次第:

1 開会の挨拶

2 進捗状況

1) Oschlies & Garcon (1999) によるモデルを中心にした海洋生態系モデルのレビュー

(河宮 未知生)

海洋中の全炭酸鉛直分布は表層付近で濃度が低くなる特徴的な分布をしている。二酸化炭素の大気海洋交換にとって大きな意味を持つこうした分布は生物ポンプ・アルカリポンプ・物理ポンプといった過程によって決定されており、中でも表層生態系における有機物の形成とそれに続く沈降に起因する生物ポンプが最も重要な寄与をなしている。その生物ポンプの効率は、海洋混合層の深さやエクマン湧昇、中規模渦など様々な物理過程から影響を受けている。したがって人為起源二酸化炭素に起因する気候変動が生物ポンプを変化させ、さらに海洋の二酸化炭素吸収に正または負のフィードバックをもたらす可能性は十分にある。当日の発表では、生物ポンプ理解のための生態系モデリングの具体的方法や、気候変動に対して海洋生態系がもたらしうるフィードバック機構について議論がなされた。

2)OCMIP等、海洋炭素循環に関する国際プロジェクトの進行状況について

(山中 康裕)

1990年代,第1次から第3次報告IPCC報告まで,モデルによる「海洋による二酸化炭素吸収量」の見積もりは,直感的に扱いやすい1次元モデルやボックスモデルから,より現実に即した3次元モデルへ,個々の論文ベースの研究からOcean Carbon-cycle Modeling Intercomparison(OCMIP)のような国際協力プロジェクトのような形へで発展してきた.そのようなコミュニティーでは,地球温暖化に伴い海洋循環が変化すること,また,生態系を陽に表現することが現在の課題とされている.また,IGBPのもと多くの国際プロジェクトが行われ,それらのもとで多くの若い研究者が育ってきた.当日の発表では、海洋物質循環モデルの本質的な過程や問題点と共に,これらの国際的状況が紹介された.

3 連絡事項の確認

次回以降の連絡会議の日程・発表者が次のように確認・決定された。

第3回 02年12月16日(月) 13:00ー15:00
発表者 市井 (従来決定通り)
第4回 02年01月16日(木) 02:00ー04:00
発表者 滝川 (1月9日から変更)
第5回 02年01月31日(金) 10:30ー12:30
発表者 久芳 (新たに決定)

4 閉会



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