「人・自然・地球共生プロジェクト」課題2第14回研究連絡会議議事録
日時:平成15年11月7日(金) 15:30−17:30
場所:海洋科学技術センター横浜研究所 (横浜市金沢区昭和町 3173-25)
交流棟2階小会議室
議事次第:
1. 開会挨拶
2.進捗状況報告
1)高解像度AGCMの重力波の解析
−重力波抵抗パラメタリゼーションへの入力を目的として−
(渡辺 真吾)
統合モデルに使用する重力波抵抗パラメタリゼーションへの入力値として、高解像度モデル(T106L250)の重力波を解析した。重力波の位置エネルギーの時空間変化、伝播方向や振幅の地理変化に関して、観測や理論と定性的に一致した結果を得た。
今後は解析結果を利用して統合モデルの重力波パラメタリゼーションのチューニングを行っていく。
2)C4MIPに向けて −陸域炭素循環サブグループのお仕事−(市井 和仁)
炭素循環−気候の統合モデルの相互比較プロジェクトのプロトコル(フェイズ1)が公開された。フェイズ1は大気ー陸域植生の相互作用に注目したものである。このプロトコルについての説明・作業項目の洗い出しを行った。
モデルに必要なコンポーネントとしては、土地利用変化を考慮した陸域植生モデルとCO2を輸送できる大気モデルである。
一番手間がかかるのは、土地利用変化の組み込みと予想される。
組み込み方法については、ほぼ決められており、これをコーディングすればよい。来年1−3月を目処に行う予定。
また、統合モデルとしては、おそらく3種類作成することになる。
1)C4MIPフェイズ1対応モデル、2)海洋含モデル(フェイズ2?)、
3)海洋+植生動態モデル(DGVM)、であり、それぞれ評価が必要であると予想される。
3)その他サブグループ進捗状況
- 海洋生物地球化学モデルサブグループ (河宮未知生)
炭素循環モデルを海洋単体モデルから結合モデル(中解像度坂)に移植する作業が相当程度完了。現在、CO2フラックスを海から大気へ渡す方法を調査中。
だいたいこうすればよいかな、という道筋はわかった気がしている。
- 陸域生態系変動モデルサブグループ (佐藤永)
Sim-CYCLEのDGVM化を進行中である。オリジナルの動態モジュールについては、ほぼ開発が完了しており、現在はSim-CYCLEとの結合作業に取り組んでいる。すでに呼吸モジュール、及び水循環モジュールの一部が結合され、今月中には水循環モジュールの残る全てと放射収支モジュールが結合される予定である。
- 温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発サブグループ (滝川雅之)
t42l67でのパッシブトレーサを用いた物質輸送実験を行ないつつある。
Compaq Alpha Cluster (32PE) での開発段階はほぼ終了したため、今後は ES(S系)を用いた 10-20年程度のやや長期の計算を行なう予定。また併せてマル中、あるいは統合モデルの解像度での物質輸送実験も行ないたい。
(須藤健悟)
- 全球化学モデル CHASER にエアロゾルシミュレーションを結合させる作業を遂行中。第一段階としては硫酸塩以外のエアロゾル種について簡略版 sPRINTARS を組み込む。硝酸塩・アンモニウム塩との結合は熱力学平衡モデルを option 的に導入する予定。
4)連絡事項
- 成果発表会等
1月10,11日 地球シミュレータ利用報告会
2月25−27日 The first international workshop on Kyousei project(Hawaii)
3月 9,10日 共生成果発表会
いずれも基本的には研究代表者が発表することになっている。メンバーの皆さんに資料の提供をお願いすることにはなると思う。
- 結合モデルでメモリの浪費が見られるという問題がある。(少なくともいわゆる旧マル中で)。滝川氏に調査をお願いした。
- 計算資源割当が4−5%に増える見込みが出てきた。
(ただし今のところは佐藤センター長と松野システム長との私的レベルでの話。) 正式に決まり次第各グループへの再割当などについて検討する。
- 共生1,2,4合同運営委員会報告(10月22,23日)
比較的「淡々と」終わったといえる。大まかな研究方針についての批判はなかった。
他の共生課題のメンバー・運営委員の方々に共生2の活動を知ってもらうよい機会ではあった。
- 今四半期計算資源割当
2000 ノード時 --- 山中グループ
900 ノード時 --- 海洋炭素循環
この割当を超えるときは河宮まで連絡してほしい。
3.閉会
|