「人•自然•地球共生プロジェクト」課題2第22回研究連絡会議議事録

1.日時:1.日時:日時:平成16年9月29日(水) 14:00−16:00
2.場所:海洋研究開発機構横浜研究所(横浜市金沢区昭和町 3173-25)
交流棟2階 小会議室

議事次第:

1. 開会挨拶

2.各グループからの進捗状況報告等

(1)炭素循環モデルグループの進捗状況 (吉川 知里)

炭素循環グループでは、10月末のワークショップに向けて統合モデル(KISSME:大気−海洋結合モデル(MIROC)-海洋炭素循環(NPZD)-陸上炭素循環(Sim-CYCLE))を用いた温暖化実験のテストランを行っています。今回の連絡会議では、このモデルを用いた20年間のSpin upの結果を報告し、本番の実験までに改良すべき点について検討しました。海洋では、栄養塩は観測の分布を良く再現しているにもかかわらず、亜熱帯海域の生物生産が非現実的に高かった。海洋生態系モデルのチューニングが必要であると思われる。
また、陸上のCO2フラックスは20年間のSpin upでは十分定常に達しなかった。単体モデルでの長期Spin upが必要であると思われる。今後、温暖化実験のテストランを行いつつ、モデルの改良すべき点の整理を行い、本番の温暖化実験にのぞむ予定です。


(2)温暖化−雲・エアロゾル・放射フィーダバック精密評価 (久芳 奈遠美)

GCM(格子間隔100km)に雲の微細構造へのエアロゾルの影響を取り込むためのパラメタリゼーションの開発をしている。雲凝結核と雲の微細構造との関係を表すパラメタリゼーションは粒子法を用いたパーセルモデルによる数値実験から得られた。サブグリッドスケールの雲内上昇流を表すパラメタリゼーションを開発するために、格子間隔が3.5kmのNICAM にバルク法の雲微物理モデル を搭載したモデルを開発している。このNICAM のサブグリッドスケールの雲内上昇流を表すパラメタリゼーションを開発するために、さらに格子間隔の小さい(50m)領域モデルCReSS にビン法の雲微物理モデルを搭載した モデルも同時に開発している。このモデルのビン法に入れる初期雲粒粒径分布を求めるパラメタリゼーションは開発済みである。上昇流のパラメタリゼーションは従来のままで雲粒数密度をエアロゾルと上昇流から求めるパラメタリゼーションをCCSR/NIES/FRCGC-AGCM と SPRINTARSを結合したものに導入したモデルでの計算結果を示す。昨年度は有機炭素エアロゾルが扱えなかったため、雲粒有効半径を過大評価していたが、今年度は有機炭素エアロゾルも近似的に取り込めるようにしてある。衛星データと比較して、定量的にもおよそ一致していることを確認できた。ただ極域は観測データがないため比較ができていない。有機炭素エアロゾルの寄与は熱帯の陸上で大きいことがわかった


(3)その他サブグループの進捗状況
•大気-陸域結合炭素循環モデルの開発進捗状況 (加藤知道)
    C4MIP対応実験について、AGCM-MATSIRO-SimCYCLE結合モデルを用いた、1875年から2000年までのテストランが終了した。本実験は、現在行っている植物生理パラメータの最終調整が終了次第、行う予定である。また、これ(C4MIP実験)とは別に、Sim-CYCLE単体での1000年オフラインスピンナップを行う予定である。

•DGVMの開発状況について (佐藤永)
    ・木本の成長に関するパラメーター推定を行っている。
    ・モデルの仕様書の作成を進めている。これまでもモデルの中心部については仕様書を書きながら作業を進めていたが、AppendixやTableも含めた完全版を書き上げてしまう予定。コードや元文献と照らし合わせながら執筆しており、バグの駆逐にも役立つので、パラメーター推定作業よりも高い優先順位で執筆を進めている。

•(須藤 健悟)
    化学・エアロゾル結合モデル(CHASER-SPRINTARS)のKISSME への組み込み作業を続行中。完成は気象学会後の予定。
    またCHASER を用いた対流圏オゾン・メタン・硫酸エアロゾルの将来予測実験(気候変動あり/なし)については今回 A2、A1、B1 の各シナリオについて ES 上で計算したので結果をまとめようとしている。
    さらに IPCC AR4 関連のプロジェクトとして CHASER としても参加しよう計画している。具体的には IPCC AR4 のChapter 7.3: Global Atmospheric Chemistry and Climate Change7.4: Air Quality and Climate Changeに関連したexperiment にデータを提出したりしなかったりする。

・寒冷圏モデル (阿部 彩子)

3.連絡事項

    •10月12日シミュレータセンター向け中間報告(添付書類参照)
    各サブグループから最近の結果の絵を1枚提出。
    あまり発表時間がないので、その中から3,4枚を選ぶことになる。


    •10月28,29日ワークショップ(添付書類参照)
    共生2分の発表者は松野・佐藤・須藤・河宮。
    10月22日2:00−センター長室で発表者打ち合わせを行う。「日本GAIM」の部分については発表候補者に交渉中。


    •次回の連絡会議は11月に入ってから。懇親会も行いましょう。
    須藤君の論文賞お祝い、ワークショップの打ち上げ、共生2発足満2年など、理由にはこと欠かないので。


4.閉会


添付ファイル

“Workshop on Climate Change Research”Yokohama, Japan October 28 and 29, 2004 Agenda
(agenda0929.doc)


地球シミュレータ研究プロジェクト 大気・海洋分野の中間報告会の開催について
(announce .doc)


平成16年度地球シミュレータ研究プロジェクト 大気・海洋分野中間報告会スケジュール
(schedule.xls)

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