「人•自然•地球共生プロジェクト」課題2第38回研究連絡会議議事録1.日時:平成18年9月21日(木) 14:00‐16:302.場所:海洋研究開発機構横浜研究所(横浜市金沢区昭和町 3173-25) 交流棟 2F 小会議室 議事次第: 1. 開会挨拶 2. 各グループ/サブグループからの進捗状況報告等 (1)物理気候コアモデル改良サブグループ(渡辺 真吾) PPT File (wnabe_060921.ppt 796KB) 地球システム統合モデルを完成させ、完成後はじめてのプロダクト・ランを行うために、各コンポーネント・モデルを結合した上で、各コンポーネントの調整・改良を行っている。成層圏化学に関しては、オゾン混合比の過小評価の問題があったが、放射・光解離過程の波長解像度の改善などにより、解消に向かう予定である。 エアロゾルに関しては、sSPRINTARSの調整が不十分であったため、オリジナルSPRINTARSを参考に、各種のパラメーター調整を行っている。 エアロゾル調整ののち、雲・放射過程の調整も必要である。連絡会議での議論により、まだ改良が必要な箇所が明らかになってきたので、今後も急ピッチで改良を続けていく予定である。 (2)海洋生物地球化学モデル (河宮 未知生) PPT File (kawamiya_060921.ppt 2.100KB) IPCC第5次報告書に向け、温暖化予測のタイムスケールを25年程度と300年程度に分け、極端現象発生率の変化とCO2濃度安定化シナリオの検討をそれぞれ主なテーマとして予測実験を行っていこうという議論が国内外でなされている。25年スケールの予測に関しては、大気の水平解像度が1度より細かいモデルが、300年スケールは比較的低解像度で炭素循環過程をとりいれたモデルが用いられることになろう。特に後者に関しては、CO2濃度安定化シナリオから炭素循環モデルを用いて対応する人為起源排出量を逆算し、シナリオ作成者グループとそうした排出量の現実性について検討するというフレームワークが提案されている。 会議では、このような実験デザインを国内で実行した場合に考慮すべき問題(化学過程の高解像度モデルへの組み込み、国内のシナリオ作成者グループとの連携、海洋データ初期化など)について議論した。 3.その他サブグループの進捗状況 (1)大気-陸域結合炭素循環モデルの開発進捗状況 (加藤 知道) ・20世紀における土地利用変化と気候―炭素循環相互作用の影響の解明において、まもなく論文が完成し、投稿予定である。・今月よりSEIB-DGVMのAGCMへの結合作業を開始した。現在は、コードの改良手順を考慮しているところである。 ・今月よりSEIB-DGVMのAGCMへの結合作業を開始した。現在は、コードの改良手順を考慮しているところである。 (2)動的全球植生モデルSEIB-DGVMの開発状況(佐藤 永) ○現在気候での全球シミュレーションにおいて、業界標準に比して遜色ないレベルの出力が得られるようになった。そこで、現バージョンをKISSMEとの結合用に用いることに決め、コードを整理して加藤氏に渡した。現在、加藤氏の方で結合作業が勧められている。 ○気候環境が変化するときに、SEIB-DGVMがどのような出力をもたらすのか、そしてそれは他のDGVMと比較し、どのようにユニークであるのかを探るため、次の実験を行っている。 産業革命以前の気象条件とCO2濃度とでスピンアップを行い、以下の設定で1861〜2200年の339年間のシミュレーションを行う。
他のDGVMとの比較のため、入力データにはCramer et al.(2001)のモデル相互比較実験と同じものを利用している。なお、ここで「種子の移動距離」とは、各プロットに生育していない植物機能型が、定着する割合のことである。気候・CO2濃度の両方と片方を変化させるというデザインは、Cramer et al.(2001)に準じたが、この種子の移動距離については、空間構造を明示的に扱った個体ベースモデルというSEIB-DGVMの特性によって、初めて検討できるファクターである。 (3)寒冷圏モデル (齊藤 冬樹) 寒冷圏では、off-line の感度実験の結果の解析を整理し、解釈や今後の予定 を考えるための追加実験を行っている。 4.連絡事項
5.閉会 |