「人・自然・地球共生プロジェクト」課題2第3回運営委員会議事録

1. 日時
平成15年5月26日(月) 14:00―17:00

2. 会場
海洋科学技術センター横浜研究所 (横浜市金沢区昭和町3173-25)
交流棟2階小会議室
3. 議事次第

1) 開会挨拶

2)平成14年度共生2成果報告書について

進捗報告を兼ねて報告書の内容を発表し、それに基づいて報告書の修正すべき点について、および平成15年度の計画案についても検討した。

発表者:
(1)炭素循環モデル、炭素循環・気候変化結合モデル … 伊藤、佐藤、河宮
(2)温暖化・大気組成変化相互作用モデル … 滝川、久芳
(3)寒冷圏モデル … 阿部
(4)気候物理コアモデル … 渡辺

3) 総合討論

各々の発表に関して、以下のような質疑応答があった。

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(問)世界に多数ある陸域炭素循環モデルについて比較するレビューを行うことが必要ではないか?
(伊藤氏の発表に対して、東大・住氏)

(答)1997年時点でのまとめであれば相互比較のための国際プロジェクトが存在し、そのサマリーが出回っている。現在であればEMDI(Ecosystem Model and Data Intercomparison) などのプロジェクトが存在する。また環境省でも同様のプロジェクトを立ち上げようとしていると聞いている。
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(問)定常に達するのに数千年の積分が必要だということだが、本当にそれほどの計算が必要かどうかは慎重に検討する必要がある。急激なトレンドさえ除去されていれば議論することが可能なトピックというのは他にいくらでもあるのではないか?
(河宮氏の発表に対して、東大・住氏)

(答)タイムスケールの短い過程については、定常に達する前の結果を用いて解析を行っていくつもりである。その上で定常までの計算ができれば、それは本プロジェクトの大きな強みになると考える。
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(問)北方林に特化したモデルの開発とは言っても、既存のDGVMとの整合性を失わないような枠組みにしておくべきではないか?
(佐藤氏の発表に対して、東大・住氏)

(答)北方林では既存のDGVMで軽視されてきたプロセスが重要になってくるので、ある程度の特化は避けられない。既存のDGVMの枠組みを根底から変える必要があるかどうかは、今後検討する。
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(コメント)解像度T106では計算時間がかかりすぎるということであるが、高解像度のモデルで地域的な情報を提供することは今後ますます重要になってくると考えられる。
高解像度のランを1,2ケース行うことは考えておいてもよい。
(滝川氏の発表に対して、東大・住氏)

(コメント)東大の中島映至氏や地球フロンティアの佐藤正樹氏のグループと連携することによって、雲微物理とGCMとの間のスケールギャップを埋める道筋が見えてきたように思える。
GCMによる気候予測における大問題に対する解決の糸口となるよう努力する。
(久芳氏の発表に対して、地球フロンティア・松野氏)

(コメント)寒冷圏モデリンググループの活動に関しては今後、国際北極圏研究センター(IARC)との連携も視野に入れる。(阿部氏の発表に対して、地球フロンティア・松野氏)

総合討論では次のような指摘があった。

・ 平成14年度においては本課題は研究チームづくりから始める必要があり、多少具体的作業のスタートが遅れた感があった。が、目標設定・役割分担などについての議論を重ね、漸く具体的研究成果も出始めた。プロジェクトは着実に動き出した、ということで14年度のまとめとしたい。(地球フロンティア、松野氏)

・ モデル開発作業では、解像度の議論などはさておき、T42なら42でよいので手近な環境で進められるところまで進めたほうがよい。その際のパラメータセットの決定などは誰か一人の判断にゆだねるのがよい。(東大・住氏)

・ 結合炭素循環モデル開発後、統合モデルを用いてどのような研究を行うかについて今のうちから考えておくべき。次回から検討してほしい。(地球フロンティア・江守氏)



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