2.温暖化・大気組成変化相互作用


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2—1 温暖化・大気組成変化相互作用(大気化学)

担当機関:地球環境フロンティア研究センター


研究者名: 須藤 健悟(大気組成変動予測研究プログラム)
滝川 雅之(大気組成変動予測研究プログラム)
永島 達也(国立環境研究所)
高橋 正明(大気組成変動予測研究プログラム/東大CCSR)

a.要約

温暖化・大気組成変化相互作用サブモデルでは大気化学過程(オゾン分布など)やエアロゾルの温暖化および海洋・陸域植生変化との相互作用を表現・予測することを主な目的としており、CCSR/NIES AGCM を土台とした全球化学モデルCHASERやエアロゾルモデルSPRINTARSを用いてエアロゾル・化学のオンライン計算を可能にすることが大きな課題である。本年度はCHASERモデルとSPRINTARSモデルを結合する実質的な作業を終了し、特に硫酸塩エアロゾル生成過程、および植物起源の有機炭素エアロゾル生成の表現方法に関して化学と結合したスキームを導入し改良が行われた。さらに結合を行ったCHASER-SPRINTARSコンポーネントを統合モデル本体に組み込む作業を行い炭素(CO2)循環だけでなく化学・エアロゾルまで含めたオンライン・気候シミュレーションが可能になった。またCHASERを用いてIPCC/SRES各シナリオに従ったオゾン、メタン、硫酸塩エアロゾルの将来予測実験を地球シミュレーター上で行い、得られた結果について各シナリオによる時間発展の違いや気候変動の影響について考察を行った。さらにIPCC第4次報告書内の大気化学・大気質変動関連のプロジェクトにCHASERモデルとして参加し、過去・現在・将来のオゾン場・光化学場の再現・予測計算を行い各モデル間の相互比較にも貢献するとともに、オゾン場に対する各変動要因(emission変化、気候変動、ハロゲン量変動)の影響についても考察を行った。

b.研究目的

成層圏のオゾン(オゾン層)は有害な紫外線を遮断するという重要な役割を持ち、気候変動にとっても無視できない存在である。一方対流圏中でも窒素酸化物(NOx)や炭化水素類などの汚染物質から化学反応を介してオゾンが生成される。対流圏におけるオゾンは植物・人体に有害であり、強力な温室効果気体として重要性が認識されている。対流圏の各種エアロゾルも太陽光反射・吸収、雲の生成に強く関与し共に気候に大きく影響する。またオゾンは対流圏においては水酸化ラジカル(OH)の生成に直接関与し、メタンやハローカーボン類(CFCs)など他の温室効果気体の化学的な寿命を左右する(図30)。さらに対流圏オゾン、硫酸塩エアロゾルは酸性雨などに代表される大気環境変化の鍵を実質的に握っているのでこれらが今後の人間活動(特に東アジア域)によりどのように変動していくかは重要である。またエアロゾル種のなかには硫酸塩エアロゾルや炭化水素類の酸化過程で生じる二次有機エアロゾル(SOA)など対流圏の化学と強い関連性のあるものがあるので、将来のエアロゾル分布およびその気候への影響を考察する際にも化学過程と結合したモデルを用いる必要がある。さらに対流圏の化学過程は水蒸気、温度、循環場などの気象場の条件(気候)に左右されるところが大きい (例えば、Sudo et al., 2001,2003)。したがって、より高度な気候変動・大気環境変化予測を目指すために気候モデルの枠組みのなかでオゾン・エアロゾル分布を同時に計算し、気候・オゾン・エアロゾルの相互作用的な変動過程について検討可能なモデルの開発・高度化が必要である。

この様な背景の下、本共生プロジェクト第2課題の枠組みにおいては CHASER・SPRINTARS両モデルを土台として対流圏/成層圏化学およびエアロゾルのオンライン計算が可能な気候モデルの構築を行い、化学・エアロゾル変動と気候変動(植生変動も含む)との相互作用を予測・研究する。

図30:オゾン化学とメタン・2次粒子(エアロゾル)との関係。対流圏中のオゾンは多くは対流圏中で光化学反応により生成されるが、成層圏からの輸送の寄与も無視できない。対流圏中の光化学反応はメタン(CH4)やフッ素化合物などの大気中の寿命を支配し、硫酸塩や有機炭素エアロゾル(OC)の生成過程にも深く関与する。
図30:オゾン化学とメタン・2次粒子(エアロゾル)との関係。対流圏中のオゾンは多くは対流圏中で光化学反応により生成されるが、成層圏からの輸送の寄与も無視できない。対流圏中の光化学反応はメタン(CH4)やフッ素化合物などの大気中の寿命を支配し、硫酸塩や有機炭素エアロゾル(OC)の生成過程にも深く関与する。
c.研究計画、方法、スケジュール

本サブグループ研究では、全球化学・気候結合モデル CHASER (Sudo et al., 2002a) を軸としたモデル開発・研究を行う。CHASER モデルは東大気候システム研究センター(CCSR)、地球フロンティア研究システム(FRSGC)、および国立環境研究所(NIES)で共同開発されている全球化学モデルであり、CCSR/NIES 気候モデル中で大気中の光化学反応、人為・自然起源気体放出(emission)過程、地表面・降水による沈着(deposition)過程などの詳細な化学過程がオンラインで考慮されている(表3:現状の設定では化学反応として対流圏オゾンを中心とした化学反応系を考慮している:図31)。CHASER モデルにより計算されるオゾン(O3)や前駆気体(窒素酸化物NOx、一酸化炭素 CO、炭化水素類 VOCs など) および重要関連気体の分布は衛星や航空機を利用した各種観測データと定量的にも非常に良い一致を見せており、対流圏オゾン化学のシミュレーション能力としては世界的にも最先端をいくものである(Sudo et al., 2002b)。また、CHASERモデルでは化学種や化学反応系について設定ファイルを通じてプリ・プロセッサーにより自動的にモデルコード(Fortran)を生成する(図32)ので、化学種・反応の変更および追加は容易である。本研究計画では、CHASERモデルを土台として、対流圏および成層圏のオゾン化学過程と各種エアロゾルの同時シミュレーションが可能な化学・エアロゾル結合気候モデルの構築を目指す。

全球化学モデルCHASERは現状設定では主に対流圏化学を対象としたものであるが、種々の化学反応を含み標準のAGCMに比べて計算コストが非常に大きい。そこでCHASERへのオゾンホールを含む成層圏化学やエアロゾル計算の導入作業に先立って、CHASER の(特に化学過程の)高速化を行い地球シミュレータ上での実行性能を評価する。またこの評価を基に「気候物理コアモデル改良」サブグループと連携の上、統合モデルとしての鉛直解像度等について吟味し決定する(平成15年度)。さらに、高速化を行ったCHASERモデルにエアロゾルモデルSPRINTARS(Takemura et al., 2002)を結合する作業を開始する。エアロゾル種の内、硫酸エアロゾルについてはその生成過程が過酸化水素(H2O2)、水酸化ラジカル(OH)、およびオゾン


表3:化学気候モデルCHASERの概略(現在の設定:対流圏化学中心)
基本モデルCCSR/NIES/FRSGC GCM (5.7b) : (大気)気候モデル
空間解像度水平:T42(2.8ox2.8o), 鉛直: 32 layers(地表〜40km)
化学過程53 化学種, 139 化学反応(気相,液相,不均一*)
(1)O3-HOx-NOx-CO-CH4 (成層圏 Ox 化学を含む),
(2)非メタン炭化水素(NMHCs)酸化,
(3)SO2, DMS 酸化(硫酸塩エアロゾルシミュレーション)
*不均一反応は N2O5, HO2, RO2ラジカルについて雲粒子、硫酸エアロゾル
、および海塩粒子表面上で考慮
(高度 20km 以上の O3, NOy については衛星データなどで prescribe)
Emission産業・交通, 森林火災, 植生/土壌/海洋, 雷からの NOx 生成
(NOx, CO, C2H6, C2H4, C3H8, C3H6, アセトン, イソプレン, テルペン, メタノール, SO2, DMS)
Dry deposition
(乾性沈着)
地表面の植生タイプ、気温、太陽光入射、積雪などの関数 [Wesely, 1989]
Wet deposition
(湿性沈着)
Rain-out (in-cloud), wash-out (below-cloud), ice-sedimentation
Reevaporation & reemission processes considered.


図31:対流圏オゾン化学の基本サイクル。NOx (= NO+NO2) と一酸化炭素(CO)、炭化水素類(NMHCs)の存在下でオゾンが光化学的に生成される。反応中では過酸化水素(H2O2)など硫酸塩エアロゾルの生成に深く関与するものも生成される。
図31:対流圏オゾン化学の基本サイクル。NOx (= NO+NO2) と一酸化炭素(CO)、炭化水素類(NMHCs)の存在下でオゾンが光化学的に生成される。反応中では過酸化水素(H2O2)など硫酸塩エアロゾルの生成に深く関与するものも生成される。

分布などの化学場に強く依存するためCHASERの化学反応過程でオンライン計算する(cf., Sudo, 2003)。この際、硫酸塩エアロゾルの液相での酸化に重要な雲水pHについても土壌粒子(ダスト)やアンモニア(NH3)による中和過程を導入し現実的な硫酸塩シミュレーションを実現する(平成15〜16年度)。モデル中の輸送過程は特に成層圏/対流圏物質交換に重要であり、対流圏・成層圏の化学物質分布にも影響が大きいので、使用している輸送スキームの評価および改良も並行して行う。また、平成16年度(前半)の時点でCHASERにエアロゾル過程を導入したものを統合モデルに組み込む。その後モデルトップの拡張を行い、CHASER化学過程に成層圏化学を導入する作業を行う(平成16〜17年度)。成層圏化学導入については、CCSRおよびNIESで開発された成層圏化学・オゾンホールモデル(Takigawa et al., 1999; Nagashima et al., 2002)を基本とし、成層圏でのハロゲン化学反応(塩素・臭素系)および極域成層圏雲(PSCs)上の不均一反応を導入する。統合モデルの枠組みにおいては、植生からのVOCsの大気中への放出過程および植生による大気中物質の沈着過程(deposition)、さらに硝酸などの物質の沈着による植生への影響を考慮し、陸域生態系・大気化学間の相互作用も表現することを想定している。以上のようなモデル構築作業と並行して、大気化学・エアロゾル変化と温暖化の結合将来予測のための前段階的な実験も行っていく。例えばCHASERを用いて IPCC SRES シナリオに従った将来予測実験を開始しており、将来のオゾン・メタンや硫酸塩エアロゾルの分布に NOx、CO、VOCs、SO2などの汚染物のemission増加(特に東アジア域)および温暖化がそれぞれどのような効果を持つかについて解析を行っている(温暖化による影響については水蒸気増加により対流圏下層のオゾン破壊が促進され、同時にオゾンからのOHラジカルの生成が増加しメタンの増加傾向に影響を与えるなどの可能性がある)。図33に本サブグループのモデル開発の大略的なスケジュールを示す。

図32:CHASERモデル計算の流れ。力学(輸送を含む)、物理過程、および化学過程それぞれについてCCSR/NIES AGCM中でオンラインで計算される。化学反応や化学種の追加などの化学過程の設定は設定ファイルを通じて行い、Fortranソースコードを自動生成する(cf., Sudo, 2003)。
図32:CHASERモデル計算の流れ。力学(輸送を含む)、物理過程、および化学過程それぞれについてCCSR/NIES AGCM中でオンラインで計算される。化学反応や化学種の追加などの化学過程の設定は設定ファイルを通じて行い、Fortranソースコードを自動生成する(cf., Sudo, 2003)。


図33:温暖化・大気組成変化相互作用サブグループの開発・研究スケジュール。点線はK2統合モデル開発の流れを示す。
図33:温暖化・大気組成変化相互作用サブグループの開発・研究スケジュール。点線はK2統合モデル開発の流れを示す。
d.平成16年度研究計画

化学・気候モデルCHASER(東大気候センター・地球フロンティアで開発)に各種エアロゾル過程を導入しオゾン・メタン・エアロゾル変化の温暖化影響(相互作用)を同時評価可能なモデルの構築を行う。エアロゾル過程としてはSPRINTARSモデル(東大気候センター/九大応力研)を基本におき、化学との関連が強い硫酸塩や有機炭素エアロゾルに関してはCHASERの化学反応過程と結合する。また、エアロゾル導入後にはCHASERを統合モデルへ移植する。さらに移流・物理過程各スキームの改善とともに、CHASERへの成層圏化学(ハロゲン・PSCs反応)導入に着手する。

e.平成16年度研究成果

e.1.CHASER、SPRINTARS両モデルの結合と統合モデルへの導入

共生第2統合モデリングの枠組みにおいて全球化学モデルCHASER に各種エアロゾルシミュレーションを導入する作業を完了した。エアロゾル関連過程としては SPRINTARS モデルを基本としたが、硫酸塩エアロゾルや一部の有機炭素エアロゾル(二次生成有機エアロゾル:SOA)に関しては CHASER 内で計算を行う。特に硫酸塩エアロゾル (SO42-) の雲水中での生成過程では土壌粒子(Ca2+,Fe3+,etc.)やアンモニウム(NH4+)などの陽イオンによる中和過程も考慮され、化学場とリンクしたより現実的なシミュレーションを可能とした(※アンモニウムのシミュレーションとしては熱力学平衡モデルを導入して硝酸・硫酸・アンモニアの系における気相/エアロゾル相の平衡状態を表現するが現時点ではまだコードに不具合があるようなので試験的にのみ計算を行う)。 構築を行った化学・エアロゾル-サブモデルについて地球シミュレータ上でテスト実験を行い計算パフォーマンスを評価し、同時に計算結果についても化学、エアロゾル単体モデルのものとそれぞれ比較し確認を行っている。さらに本サブモデルを統合モデル本体に導入する作業を行い、統合モデルとしては現在のところ、CO2循環だけでなく化学・エアロゾル過程も含む大気・海洋シミュレーションが可能になっている。

図34は本統合モデルにおける化学・エアロゾルモデリングの概略を示したものある。上述のように硫酸塩エアロゾルの液相での生成過程に関して改良が行われており、植物起源(テルペン類のみを想定)からの炭素性エアロゾルの生成に関してはテルペン類のオゾンによる酸化反

図34:共生・地球システム統合モデルの枠組みにおける大気化学・エアロゾル過程のモデリング
図34:共生・地球システム統合モデルの枠組みにおける大気化学・エアロゾル過程のモデリング。詳細な化学反応過程とエアロゾル計算を含み、オゾン・メタンなど温室効果気体の放射過程への影響および、エアロゾル種の雲過程への影響が考慮に入れられている。


図35:K2統合モデルで計算された各種エアロゾルの年平均東西平均数密度分布(m-3)
図35:K2統合モデルで計算された各種エアロゾルの年平均東西平均数密度分布(m-3)。硫酸塩(左)、有機炭素エアロゾル(中)、海塩(右)。

応を用いた簡単なパラメタリゼーションを試験的に導入している。各エアロゾル種の濃度は気候モデルの枠組みにおいて放射場・大規模凝結(雲・降水)過程に反映されると同時に、気相化学種の紫外・可視光による光解離および不均一反応(エアロゾル粒子表面を介した反応)の各過程にもオンラインで反映され、エアロゾルが及ぼす大気化学への影響も表現している。さらに気相化学種の地表面での乾性沈着に関しては統合モデルの陸面モデルMATSIRO中の気孔抵抗を用いて陸面過程との部分的な結合が行われた。大気化学と陸面過程との結合については乾性沈着だけでなく植物起源炭化水素類のemissionをMATSIRO/SimCYCLE/DGVM を用いてオンラインで表現することも来年度(H17年度)の計画として予定している。

本年度の後半では上述のように大気化学・エアロゾルが導入された本統合モデルについて地球シミュレータ上で試験実験を行い、特に化学・エアロゾル関連の結果についてCHASER/SPRINTARS両モデル単体による結果との比較を行い整合性のチェックを行った。その結果CHASERコンポーネントで計算している化学種関連の結果についてはCHASER単体で計算を行った場合と同様のシミュレーションが行えていることが確認されたが、一部のエアロゾル関連の出力(エアロゾル濃度分布、光学的厚さ、数密度-CCN分布)に関してはSPRINTARS単体で計算した場合と有意な差異が見られることがあることを確認した。これは特に硫酸塩エアロゾルについて今回開発された統合モデルではCHASER内で計算を行っていることが大きな原因であり、SPRINTARSと比較すると特に中上部対流圏で多めの硫酸塩を計算している(例として図35に今回統合モデルで計算されたエアロゾル数密度(理想的なCCNとして)の東西平均高度分布を示す)。他のエアロゾル種についても湿性沈着過程に関して気相化学種との整合性をとるためCHASER内の湿性沈着スキームで計算を行うようにしておりSPRINTARSに比べてやや違いを生じる場合もあるが基本的な分布パターン・量は近い。今後はエアロゾル量に関してさらに詳しく評価を行う必要があり、化学・エアロゾル過程のパラメータ調整もしくは放射、大規模凝結過程のパラメータ調整による再チューニングも必要になる可能性がある。

今回の統合モデル本体の試験RUNではモデル解像度はT42L32とし、地球シミュレータL系4ノード(大気2+海洋2)を使用した。1年積分時の実行時間は4.5hr/yearであり、大気ノード時間の平均的な内訳は化学過程42%、力学過程(輸送過程を含む)28%、放射過程8%、ノード間通信9%であった。平均ベクトル化率は〜97%であった。

e-2. IPCC各シナリオに従った将来予測実験

IPCC/SRESの A2、A1、B1各シナリオに従い、対流圏オゾン、メタン、硫酸塩エアロゾル全球分布の将来予測実験を行った。実験は化学結合気候モデルCHASERを用いて地球シミュレータ(L系)上で実行した。この予測実験は昨年度の実験と同様に気候変動の化学場への影響に重点を置くものであり、将来のemission変化に加えて水蒸気・温度・大気循環場の変動がオゾン・メタン・硫酸塩エアロゾル分布や成層圏/対流圏間物質(オゾン)交換に与える影響を解析し、各シナリオ間の違いについても詳しく評価を行った。本研究はIPCC第四次報告書(AR4)に向けて共生第一課題(K-1)が行っている気候変動予測実験にも協力しており、K-1実験の入力値として本実験によるオゾン・メタン分布の予測データを提供した。

本研究では窒素酸化物NOxや一酸化炭素COなどのオゾン前駆気体の放出(emission)変化のみの実験(Exp1)とemission変化に加え気候変動も考慮した実験(Exp2)の2種類の実験を実行した。これらの実験では将来のemission変化、気候変動はともにIPCC SRESのA2(エミッション増加大)、A1(同中)、B1(同小)の各シナリオに従い、Exp2の気候変動についてはモデル中でCO2などの温室効果気体濃度を増加させるとともに、CCSR/NIES大気海洋結合モデルにより各シナリオについて予測された海面水温(SSTs)と海氷(Sea-ice)分布を与えた。

図36はExp1(温暖化なしの現在気候)で計算された現状(2000年をベースとする)から2100年までの地表付近のオゾンの増加量分布であり、各シナリオ間で大きな違いが見られる。2100年までほぼ直線的なemission増加を想定しているA2シナリオでは全球的にオゾン増加が計算され特に東アジア域では30ppbv以上、北半球海洋上でも10ppbv以上の大きな地表オゾン増加が計算されている。A1シナリオの2100年では北米、ヨーロッパ、オーストラリア、日本などでemission減少が想定されており、これに伴って地表オゾンも現状に比べてやや(2-4ppbv)減少することが計算されているが、他の領域(例えば東アジア・インド)でのemission増加によるbackgroundのオゾン増加の影響も受けているものと思われる(日本はemissionは減少するが、中国のemission増加の影響を受けてオゾン増加となっている)。南米、アフリカ、インド、中国では10ppbv以上のオゾン増加となっている。

図36:CHASERで計算された2000-2100年の間の年平均オゾン変化量(ppbv)IPCC-SRES A2/A1/B1 各シナリオを用いた場合(気候変動なしの実験:Exp1)
図36:CHASERで計算された2000-2100年の間の年平均オゾン変化量(ppbv)。IPCC-SRES A2/A1/B1 各シナリオを用いた場合(気候変動なしの実験:Exp1)。


図37:将来の温暖化がオゾン場(東西平均)に及ぼす影響
図37:将来の温暖化がオゾン場(東西平均)に及ぼす影響(%)(A2、A1、B1各シナリオに従った2100年の計算)。温暖化影響はExp2とExp1の差で定義する。破線:2000年対流圏界面高度、実線:各シナリオ温暖化実験(Exp2)の2100年対流圏界面高度。


図38:SRES各シナリオに従って計算された全球平均メタン濃度(ppmv)の時間発展
図38:SRES各シナリオに従って計算された全球平均メタン濃度(ppmv)の時間発展。実線:温暖化実験(Exp2)、破線:現在気候実験(Exp1)

一方、2100年では現状に比べ20%程度のemission減少を想定しているB1シナリオではほぼ全球的に地表オゾン減少となり、北半球汚染域(現状での)では5-10ppbvのオゾン減少が計算されている。

昨年度行った実験(Sudo et al., 2003)では将来の温暖化がオゾン分布に及ぼす影響をA2シナリオについてのみ考察したが、今回の実験ではA2だけでなくA1、B1についても評価を行った。図37は各シナリオの2100年についてemission変化のみの場合(Exp1)とemission変化に加えて温暖化も考慮した場合(Exp1)で東西平均オゾン分布にどのような差が出るかを示す。温暖化の進行が大きいA2およびA1シナリオでは高度5km以下の対流圏下層(特に熱帯域)でオゾン濃度に対して10-20%の負の影響が計算されているが、これは温暖化に伴う水蒸気増加によりオゾンが光化学的に破壊され易くなったことを反映するものである。逆に中上部対流圏熱帯域では10%程度のオゾン濃度上昇が見られ特に南半球で顕著である。これに関しては昨年度行った実験と同様に気候変動(対流圏における温暖化)により大気の循環が大きく変動した結果であり特に成層圏における循環(Brewer-Dobson循環)が強化されたことにより成層圏からのオゾン流入量が顕著に増加したことに起因する。成層圏循環の強化により熱帯域下部層圏では上昇流の増加、中・高緯度の下部成層圏では下降流の増加が起こり、これらに対応するように熱帯域対流圏界面付近ではオゾン濃度の減少効果、中・高緯度では増加降下が計算されている。中・高緯度の対流圏界面付近でもオゾン濃度の減少が見られるがこれは図に示されるように対流圏界面高度が温暖化により上昇したことを反映している。また、比較的温暖化(気候変動)の度合いが小さいB1シナリオでもA2、A1同様の影響が計算されており興味深い。

将来の温暖化はオゾン分布のみならず光化学反応を介して他の物質・プロセスにも大きく影響を与える。例えば図38に今回の将来実験で予測された全球平均メタン濃度の時間発展を示す。まず、温暖化を考慮しない実験(Exp1:点線)に注目するとシナリオにより異なったメタンのemissionが想定されているのでメタン濃度の時間発展の仕方は大きく異なることが分かる。A2シナリオの場合には2100年までに現在の濃度(~1.8ppm)から大きく増加し4ppmv近くまで増加することが計算され、21世紀中盤からのemission減少を想定しているA1、B1シナリオでは2100年では現状と同じ程度かそれよりも低い値になることが予測されている。このようにemission変化の仕方によって異なった時間発展をするが、どのシナリオについても温暖化を考慮する(Exp2)と20-30%の顕著なメタン濃度減少の効果があることが分かる。これは対流圏の温暖化に伴う水蒸気量増加・温度上昇によりメタンを破壊する化学反応が活発化することを反映している。

e-3. IPCC第4次報告書(AR4)関連プロジェクト(大気化学)への参加

本年度の後半ではIPCC-第4次報告書AR4の 7.3/7.4節 “Global Atmospheric Chemistry and Climate Change”において各モデルによる過去・現在・将来実験の相互比較プロジェクトなどに貢献するため、オゾン、メタン、硫酸塩についての各種シナリオ実験をCHASER と地球シミュレータを用いて行い、各プロジェクトに関して計算結果の提出を行った。今回のプロジェクトは大別して二種類の実験に分けられ、一つ目の実験(Exp1)では産業革命以前現在、および現在将来(ここでは2100年を想定)の各期間についてオゾン前駆気体emission変化、気候変動、ハロゲン化学種の濃度変動がどのようにオゾン分布に影響するかということに重点が置かれ、各種要因についてパラメータを変化させた実験を数種類行い、各要因についてその影響を議論する(表4)。二つ目の実験(Exp2)では現状(2000年を対象)と将来(〜2030年を対象)のオゾンを中心とする大気化学場シミュレーションに関する詳細な相互比較を主眼としている(表5)。特に将来予測実験に関しては実験1ではIPCC SRES-A2 シナリオの2100年を想定しているのに対して、実験2では〜2030年を対象としており大気環境・植生影響も含めたより現実的な予測およびそのモデル間相互比較に重点が置かれている。今回のプロジェクトに参加したのは欧州・米国・日本から実験1では12モデル、実験2では24モデルであり、欧州からは主にULAQ(イタリア)、UIO(ノルウェー:オスロ大)、LMDzINCA(フランス:CNRS/CEA)、DLR(ドイツ:DLR)、TM4/5(オランダ:KNMI)、STOCHEM/UM_CAM/STOCED/SLIMCAT/TOMCAT(イギリス:UK_Met、ケンブリッジ大、エディンバラ大等)などが、米国からはNCAR-WACMモデル(NCAR)、MOZART(イリノイ大)、GISS、GEOS-CHEM(ハーバード大)などが参加している。日本からはCHASER(JAMSTEC/FRCGC)およびFRSGC_UCIモデル(JAMSTEC/FRCGC)の2モデルが参加した。

表4:IPCC-AR4(大気化学)プロジェクトの実験1におけるシナリオ設定

NumberclimateCl/BrOzone
precursors
 N2OCH4prioritymodels
1pre-indpre-indpre-ind pre-indpre-ind1GCM
1apresentpre-indpresentI:presentpresent2CTM/GCM
II:pre-indpre-ind
1bpresentpresentpre-indI:presentpre-ind2CTM/GCM
II:pre-indpre-ind
1cpresentpre-indpre-ind pre-indpre-ind1CTM/GCM
2presentpresentpresent presentpresent1CTM/GCM
3futurefuturefuture futurefuture1GCM
3apresentfuturepresentI:presentpresent3CTM/GCM
II:futurefuture
3bpresentpresentfutureI:presentfuture3CTM/GCM
II:futurefuture
3cpresentfuturefuture futurefuture1CTM/GCM
3dfuturepresentfuture futurefuture GCM


表5:IPCC-AR4(大気化学)プロジェクトの実験1におけるシナリオ設定(CHASERでは以下の全てのシナリオをCTM/GCM2種類のモードで実行)

Sim.ID emissionsMeteorologyDescription
S1IIASA-BAU-20002000(1990s)Baseline
S2IIASA-BAU-20302000IIASA Business
S3IIASA-MFR-20302000IIASA Max. Feasible Reduction
S4A2-20302000SRES-A2
S5IIASA-BAU-20302020sClimate Change*

実験結果の例として図39は実験1のプロジェクトについてCHASERで計算した産業革命以前から現在までのオゾン濃度場(東西平均)の変化と各要因の影響を示す。ネットのオゾン変化としては前駆気体emission増加を反映して対流圏平均で10ppbv以上の大きなオゾン増加が計算され(とくに北半球中上部対流圏では〜20ppbvに及ぶ顕著なオゾン増加が見られる)、成層圏では逆に南極オゾンホールを中心とした顕著なオゾン現象が確認される。各コンポーネントに分けてみると、オゾン前駆気体emissionの影響が最も大きく北半球全域で20ppbv程度のオゾン増加となっている。成層圏オゾン減少の効果は基本的に成層圏内に限定された影響を持つが対流圏内のオゾン分布に与える影響も無視できない。また気候変動が与える影響としては熱帯域下部対流圏の水蒸気増加に伴うオゾン減少、成層圏循環変動に伴う下部成層圏のオゾン変動(熱帯域のオゾン減少および中緯度のオゾン増加)などが計算されており、これらも無視できないことが分かる。同様の計算は現在から将来(SRES-A2シナリオを用いた場合の2100年)までのオゾン変動に対しても行っており(図40)、将来のオゾン分布の変動を予測する際も産業革命以前現在の議論と同様に前駆気体emissionの変化のみならず気候変動(温暖化)および成層圏オゾンの変動(ハロゲン化学種量の変動)過程も考慮にいれて総合的に予測・評価することの必要性が示唆された(図40では、成層圏オゾン層の回復および気候変動の影響により中上部対流圏のオゾン濃度がさらに上昇することや図37の議論と同様に温暖化により対流圏下層のオゾン濃度が減少する効果があることが示されている)。従って、従来対流圏オゾンの気候影響(放射強制力)を論じる際には前駆気体のemissionの変化のみを考慮していたが、成層圏オゾン変動・気候変動も考慮にいれてオゾン変化および放射強制力を評価すべきであることが示唆される(現在プロジェクトの担当者により各モデル・各シナリオについて提出されたオゾン濃度場を用いて放射強制力を計算しておりIPCC-AR4に反映される予定)。

一方、実験2では将来予測に関しては2030年を対象として実験1に比べより現実的な予測実験を目指しており、オゾン前駆気体のemissionに関しては4種類(表5)を想定し、実験1と同様に2030年までの気候変動の影響も議論している。実験2ではオゾンが地表植生に与える影響や酸性物質の沈着(酸性雨)などの環境面の予測に関してもモデル間の相互比較を含めて評価を行っている。さらに実験2では予測実験だけでなく、現状(〜2000年)の大気化学場のシミュレーションについても各モデルについて観測との比較およびモデル間相互比較を行っている。例として図41はCHASERで計算された二酸化窒素NO2(NOxの一部でありオゾン生成にとって重要な化学種)の対流圏カラム量分布をGOMEによる衛星観測と比較したものである。その他オゾン分布、各種沈着量分布などについても各モデルで観測との比較、モデル間の相互比較を行っている。

図39:CHASERで計算された産業革命以前〜現在までの東西平均オゾン変化と各要因による影響
図39:CHASERで計算された産業革命以前〜現在までの東西平均オゾン変化(a)と各要因による影響(b:オゾン前駆気体emission変化、c:成層圏オゾン変動、d:気候変動)。(IPCC-AR4関連プロジェクト実験1)実線:現在(2000)の対流圏界面高度、破線:産業革命以前の気候の対流圏界面高度。


図40:CHASERで計算された現在〜2100年までの東西平均オゾン変化と各要因による影響
図40:CHASERで計算された現在〜2100年までの東西平均オゾン変化(a)と各要因による影響(b:オゾン前駆気体emission変化、c:成層圏オゾン変動、d:気候変動)。(IPCC-AR4関連プロジェクト実験1)シナリオはSRES-A2による。実線:2100年の対流圏界面高度、破線:現在気候の対流圏界面高度。


図41:CHASERで計算されたNO2カラム量(1015molecules cm-2)と衛星データ(GOME)との比較
図41:CHASERで計算されたNO2カラム量(1015molecules cm-2)と衛星データ(GOME)との比較。(IPCC-AR4関連プロジェクト実験2)。
f.考察

平成16年度の作業ではまず、化学気候モデルCHASERおよびエアロゾル気候モデルSPRINTARSの結合を行い統合モデル本体への組み込みも終了した。この作業では特に硫酸塩エアロゾルの液相生成過程について化学場とリンクさせた表現を導入し、より現実的な硫酸塩エアロゾルシミュレーションが可能になった。しかしながら、硫酸塩エアロゾルを含む各種エアロゾルの表現方法についてはSPRINTARS単体のものと一部異なるため、今回構築された統合モデルで計算されるエアロゾル分布と従来のSPRINTARSで計算される分布の間には有意な差異がある場合があることを確認している。エアロゾル濃度の計算は気候感度への影響も大きいと考えられるので今後も統合モデル中のエアロゾル計算の詳しい評価を続行していくとともに、放射過程・大規模凝結(雲/降水)過程を含めて再調整(チューニング)の検討も必要である。一方大気化学と地表面過程との結合に関して、平成16年度の作業では気相化学種の乾性沈着を一部陸面モデルMATSIROに依存させた計算などが導入されたが、今後はさらに植生からの炭化水素類のemission過程、オゾンの植生への影響過程、海洋からのDMSのemission過程もオンラインで計算することも検討中である。

平成16年度はIPCC-SRES の三つのシナリオについてオゾン化学場の将来予測実験を行い、結果については共生第一課題のIPCC気候実験の入力として提供した。この将来実験からは将来の温暖化がオゾン・メタン分布に与える影響はどのシナリオに従った場合でも顕著であり、気候・大気環境の将来予測においては大気化学・気候の相互作用を考慮する必要があることを示唆している。さらに、本年度はCHASERモデルを用いてIPCC第4次報告書の大気化学関連のプロジェクトに参加し、過去・現在・将来についてのシナリオ実験を行ったが、この実験ではオゾン濃度場やメタンなどの関連化学種の変動過程にはオゾン前駆気体のemission変化のみならず、成層圏オゾンの変動、気候変動も同時に評価する必要があるという結論が得られた。次年度以降では統合モデル本体の放射過程、鉛直座標・解像度の改良の上、CHASERコンポーネントにCCSR/NIES成層圏化学モデル(Takigawa et al., 1999, 2001, Nagashima et al., 2002, Akiyoshi et al., 2002)を基本とする成層圏化学過程を導入する。この際、可能ならば放射過程における球面効果についても改良スキーム(黒川 et al., 2002, Nagashima et al., 2003)の導入を検討する。

g.参考文献

(1) Akiyoshi H., T. Sugata. S. Sugita, H. Nakajima, H. Hayashi, J. Kurokawa, M. Takahashi, Lower-N2O air masses after the breakdown of the arctic polar vortex in 1997 simulated by the CCSR/NIES nudging CTM, J. Meteorol. Soc. Jpn, 80, 451-463, 2002.

(2) Nagashima, T., M. Takahashi, M. Takigawa, and H. Akiyoshi, Future development of the ozone layer calculated by a general circulation model with fully interactive chemistry, Geophys. Res. Lett., 29, 10.1029/2001GL014926, 2002.

(3) Nagashima, T., M. Takahashi, H. Akiyoshi, and M. Takigawa, The effects of non-orographic GWD scheme and radiation from large SZA on the Antarctic ozone hole, Process-oriented validation of coupled chemistry-climate models, 2003.

(4) Sudo, K. and M. Takahashi, Simulation of tropospheric ozone changes during 1997-1998 El Nino: Meteorological impcat on tropospheric photochemistry, Geophys. Res. Letters., 28, 4091-4094, 2001.

(5) Sudo, K., M. Takahashi, J. Kurokawa, and H. Akimoto, CHASER: A global chemical model of the troposphere 1. Model description, J. Geophys. Res., 107, 10.1029/2001JD001113, 2002a.

(6) Sudo, K., M. Takahashi, and H. Akimoto, CHASER: A global chemical model of the troposphere 2. Model results and evaluation, J. Geophys. Res., 107, 10.1029/2001/JD001114, 2002b.

(7) Sudo, K., Changing process of global tropospheric ozone distribution and related chemistry: a study with a coupled chemistry GCM, Doctoral Dissertation, Dept. of Earth and Planetary Science, Graduate School of Science, Univ. of Tokyo, 187pp, 2003.

(8) Sudo, K., M. Takahashi, and H. Akimoto, “Future changes in stratosphere-troposphere exchange and their impacts on future tropospheric ozone simulations”, Geophysical Research Letters., 30, 24,2256, doi:10.1029/2003GL018526, 2003.

(9) Takemura, T., T. Nakajima, O. Dubovik, B.N. Holben, and S. Kinne, Single-Scattering albedo and radiative forcing of various aerosol species with a global three-dimensional model, Journal of Climate, 15, 4, 333-352, 2002.

(10) Takigawa, M., M. Takahashi, and H. Akiyoshi, Simulation of ozone and other chemical species using a center for climate system research/national institute for environmental studies atmospheric GCM with coupled stratospheric chemistry, J. Geophys. Res., 104, 14,003-14,018, 1999.

(11) Takigawa, M., M. Takahashi, and H. Akiyoshi, Simulation of stratospheric sulfuric acid aerosol using a Center for Climate System Research / National Institute for Environmental Studies atmospheric GCM with coupled stratospheric chemistry: Part I, nonvolcanic simulation, J. Geophys. Res., doi: 10.1029/2001JD001007, 2002.

(12) 黒川純一、秋吉英治、永島達也、中根英昭、増永浩彦、中島映至、高橋正明、CCSR/NIES 成層圏ナッジング化学輸送モデルおよび光化学結合モデルへの大気球面効果の導入、日本気象学会2002年度春季大会講演予稿集、p346、2002.

h. 成果の発表

<論文発表>

(1) M.G. Laurence, O.Hov, M.Beelamann, J. Brandt, H. Elbern, H.Eskes, H.Feichter, and M.Takigawa,
The Chemical Weather, Environ. Chem., 2005, 2, 6-8, doi:10.1071/EN05014.

<口頭発表>

(1) Sudo, K., Takahashi, M., and Akimoto, H., “The roles of stratospheric ozone in past and future tropospheric ozone budgets and trends”, Quadrennial Ozone Symposium QOS 2004, Kos Greece, 1-9 June, 2004.

(2) Sudo, K., Takahashi, M., Nozawa, T., Kurokawa, J., and Akimoto, H., “Tropospheric ozone trends and budgets during 1850-2000 simulated in a chemistry coupled climate model”, 8th International Global Atmospheric Chemistry Conference, Christchurch, New Zealand, 4-9 September, 2004.

(3) Sudo, K., Takigawa., M., Takahashi, M., “Chemistry and aerosol modeling in the Kyousei-2: toward understanding chemistry/climate interaction”, Workshop on Climate Change Research, Yokohama Japan, 28-29 October, 2004.

(4) Sudo, K., “Atmospheric chemistry-climate interaction”, Third Japan-EU Workshop on Climate Change Research, Yokohama Japan, 20-21 January, 2005.

(5) Takigawa, M, H.Akimoto, and M.Masaaki, “Evaluation of transport in CCSR/NIES AGCM by using age spectra”, Ozone Symposium 2004, Kos, Greece, 1-8 June, 2004.

(6) Takigawa, M, M.Takahashi, and H. Akiyoshi, “Simulation of stratospheric sulfur aerosol using a CCSR/NIES AGCM with coupled chemistry: The impact of Pinatubo aerosol on climate”, KAGI
International Symposium 2004, Beppu, Japan, 1-3 November, 2004.

(7) 須藤健悟, 秋元肇, 高橋正明, 「植物/人為起源メタノールの対流圏オゾン・OHラジカル濃度場への影響」, 日本気象学会 2004 年春季大会, 気象庁, 2004 年 5 月 16-19 日。

(8) 須藤健悟, 秋元肇, 高橋正明, ,「植物/人為起源メタノールの対流圏オゾン・OHラジカル濃度場への影響」, 第10回 大気化学討論会, 東大・先端研, 2004 年 6 月 23-25 日。

(9) 須藤健悟, 秋元肇, 高橋正明, 「対流圏O3・CO全球分布の各ソース域による分離:汚染物質はどこから、どれくらい流れてくるか?」, 日本気象学会 2004 年秋季大会, アクロス福岡, 2004 年 10 月 6-8 日。

(10) 須藤健悟, 「化学・気候結合モデルの開発とその応用:対流圏オゾン化学の変動過程と化学・気候相互作用」, 日本気象学会 2004 年秋季大会, アクロス福岡, 2004 年 10 月 6-8 日。

(11) 須藤健悟, 高橋正明, 秋元肇, 「対流圏オゾン化学・エアロゾル・気候の過去/現在/将来:IPCC第4次報告書に向けた化学・気候結合シミュレーション」, 第15回大気化学シンポジウム, 豊川市民プラザ, 2005 年 1 月 5-7 日。

(12) 須藤健悟, 秋元肇、高橋正明, 「対流圏O3・CO全球分布の各ソース域による分離:汚染物質はどこから、どれくらい流れてくるか?」, 第15回大気化学シンポジウム, 豊川市民プラザ, 2005 年 1 月 5-7 日。

(13) 滝川雅之、須藤健悟、秋元肇、高橋正明、「航空機観測キャンペーンPEACE-C期間中の長距離輸送の影響について」、第15回大気化学シンポジウム、豊川、1/5-1/7、2005.


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