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概要

MAT TOOLBOX 2018

多圏相互作用多圏相互作用とは、物理・化学的な特徴が異なる惑星システム構成要素の相互作用のことを指し示しております。例を挙げると、大気海洋相互作用は、気温と風が海洋の変動に大きな影響を与えていることが知られております。Keywordsマントル対流海洋圏ー固体圏の相互作用:海洋の寿命海洋掘削などの地質学データから、地球を構成する海洋は、プレートテクトニクスによるプレートの沈み込みによって、徐々に地球深部に取り込まれていることが推測されており、その量は現在の海洋の重量の数倍程度と言われております。この推測を物理・化学理論に基づく含水マントル対流の数値シミュレーションモデルを用いることで、地球深部にどれだけの水がどれだけの時間スケールで取り込まれ、表層の海洋がどの程度の時間スケールで存在できるか知ることができます。また、地球・惑星の全システムの中にどの程度の水が必要かを知る必要があり、地球形成時にどの程度の水が蓄積されたかについての研究も行っております。さらに、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の変動もこのモデルを用いることで、過去数十億年スケールの気候変動の解明に有用なツールとなります。固体惑星深部における物質の状態:粘性(マントル物質の流動のしやすさ)、化学組成(赤:海洋地殻起源物質;青:マントル岩石)、マントル岩石の含水率(赤:たくさんの水をもっている領域;青:乾燥状態).左:無水マントル;右:含水マントル。岩石の物性、特に岩石強度や流動特性は、含水率に依存して弱くなったり流動しやすくなったりするために、含水マントルの場合にはより効率的にプレートテクトニクスがマントル対流によって駆動されている。ケイ酸塩岩石で構成されるマントルは、短い時間スケールでは、弾性体(地震を引き起こす物体)として振る舞います。しかし、1万年以上の長い時間スケールでその振る舞いを見ると、固体の岩石が流動していることを地形観測から発見されました。マントルが惑星の重力場の中で流動していることから、この現象をマントル対流と呼びます。プレートテクトニクス地球の表面には、約26枚のプレートと呼ばれる剛体の板で構成されており、その板のひしめきあいで、大地震・火山噴火を引き起こしております。そのプレートの運動のことをプレートテクトニクスといい、岩石マントルの流動過程(マントル対流)が原動力と言われております。地球惑星ダイナモ固体惑星中心部にある核は、基本的には金属鉄合金の溶融体であると考えられております。鉄合金は高電気伝導度を持つ物体であり、その物体がある磁場の中で運動をすると誘導(ダイナモ)磁場を生成します。地球形成から現在にわたるマントル対流が駆動するプレートテクトニクスによって、引きおこされる表層海洋の進化の様子(上)、マントル内の蓄積される水の量(中)、マントル内部の温度(下)。惑星全システムのある水の量が、12海洋質量から15海洋質量ないと、現在の地球表面にある水の量を説明することはできない。つまり、岩石マントルには、大量の水が40億年かけて、蓄積してきたことになります。中川貴司Nakagawa Takashi役職主任研究員E-mail ntakashi@jamstec.go.jp所属学会日本地球惑星連合専門分野日本惑星科学会地球電磁気・惑星圏学会専門分野地球惑星流体力学地球惑星ダイナミクスMAT Toolbox 2018 11