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概要

MAT TOOLBOX 2018

造を観察しました。2本のUVPを交差させて水路上面に配置することで、その二等分線上の二次元の速度情報が計測されました。計測により、1)乱泥流が領域に侵入する際、流れの先端では連続的に周囲の水が上方に持ち上げられ、その後、後方へと運ばれること、2)せん断の作用により乱れが発達し、境界部では一定の周期で渦が生成されること、3)非定常な流れの先端の後方には比較的定常な流れが観察されること。など、乱泥流の運動性を把握する上で、重要な考察をいくつか得ることができています。密度分布の計測および堆積物輸送量の推定速度分布と同様、流動中の乱泥流の密度分布もその運動性を支配する重要な要因です。実験水槽において生成した乱泥流の流動状態を撮影した動画の輝度の情報から、密度分布の推定を行いました。高濃度の懸濁液では、輝度と濃度に一意の関係を見出すことは難しいものの、低濃度の懸濁液であれば、高い精度で領域の濃度が定量化できることがこれまでに明らかにしています。推定された濃度分布と、UVPで計測した速度情報を掛け合わせることで、任意の方向に輸送される堆積物の質量を知ることができます。これらの技術は開発段階で多分に発展/改良の余地があるものの、長期輸送メカニズムの解釈には欠かせない議論をもたらすものとして、現在、手法の開発を含め研究を続けています。重力流密度差によって駆動される流体流の総称。自然界では土石流、火砕流、雪崩、高/低気圧前線の発達など様々な領域で観察され、地球規模の環境変動を引き起こすこともある。砂泥互層地層中に観察される数cm-数mに及ぶ砂層と泥層が交互に堆積した地層。主に大陸棚から深海底にかけて間欠的に生じた乱泥流によって形成された地形であると推測されている。PIV粒子イメージ流速計測法。連続する2枚の画像の相互相間により2次元断面中の速度分布を計測することが可能になる。KeywordsLDVレーザードップラー流速計測法。流動中のトレーサーの散乱光の周波数をフーリエ解析することにより速度を非接触で計測することが可能である。UVP乱泥流の濃度分布。後方から絶えず粒子が供給されるので、流れの先端で濃度が最大になる。流れの後方では比較的定常な濃度分布が観察される。超音波ドップラー流速計。懸濁液粒子のドップラーシフトを利用することで、流体内部の速度計測を可能にする技術である。超音波が透過する範囲であれば不透明流体に対しても適用が可能であり、産業界や学術研究において多くの応用実績がある。流れ方向の物質輸送。流れの先端上部で物質輸送が最大となる。底面では速度が無いので物質輸送が行われず、その直上では少量であるが定常的に堆積物が下流に運搬されている様子が伺える。野村瞬Nomura Shun役職技術研究員E-mail nomura.shun@jamstec.go.jp所属学会土木学会、地盤工学会専門分野地盤工学MAT Toolbox 2018 15