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概要

MAT TOOLBOX 2018

高速せん断される摩擦面発熱の可視化。左:カラー高速カメラ撮影した高速せん断される摩擦面の可視画像(動画の各ピクセル最大輝度を合成)。右:二色法を適用して推定した摩擦面の温度分布(動画の各ピクセル最大温度を合成)。アナログ実験地球物理現象の時空間スケールは、私たち人間の時間スケールよるも遥かに大きく、また、観測・観察できるイベントの数も限られています。このような対象の本質的な素過程を見極めるには、付随する様々な現象の重要な部分を抽出、モデル化した実験、アナログ実験が有力なアプローチとなります。アナログ物質(例えば、断層ガウジの代わりにガラス球、岩石の代わりに寒天、マグマの代りわりに水飴、など)を使うことで、実際の物質では困難な実験条件や内部の観察などを克服できます。Keywordsせん断される摩擦面の直接観察先に述べた中速領域以上のすべり速度域では摩擦発熱によって真実接触点の強度が低下すると考えられています。簡単な物理モデルはありますが、接触点温度と強度の関係はまだ分かっていません。私たちは高速せん断中の真実接触点の温度分布を直接測定することに挑戦しました。せん断面を直接観察できる実験装置とカラー高速度カメラを使って、せん断中の真実接触点の発熱による発光を撮影することに成功しました。高速度撮影したカラー画像に二色温度計の原理である二色温度法を適用することで、局所的瞬間的発熱による温度を可視化しています。このような摩擦接触面のその場観察によって、高速摩擦を支配している局所発熱する接触点の強度と、その微視的物理過程の解明に取り組んでいます。実験教材の開発と理科教育地球科学の中でも地震学で扱う現象は、目で見えにくく、断層の破壊や地震波の伝播に関する動的な教材は非常に少ないのが現状です。動的な現象としての地震のイメージを持つことは、地震が起きたときに、震源では今何が起きているのか、何がこの後起きそうかを自ら考えられるという点で重要です。私は寒天などのハイドロゲルを利用して断層の動的破壊や地震波伝播などの現象を実際に見て触って実感できる新しい実験実習教材を開発しています。寒天などのハイドロゲルは透明なので光弾性の性質を使って、ひずみや弾性波を可視化することができます。また、やわらかく、弾性波速度が遅いので、弾性波の伝わる様子が観察しやすい利点があります。Jamstecの他のグループと協力して、開発した実験教材で中高大学生を対象に実習を実施しています。真実接触点一般に固体と固体を接触させると、どんなに平らな面でも微小な凸凹によって、無数の微視的な真実接触点で接触します。真実接触面積はみかけの接触面積の1,000-10,000分の1のオーダーで、真実接触点で支えている圧力は非常に高く、物質の降伏強度に達していると考えられています。二色温度法非接触の温度測定法のひとつ。一般的な赤外放射温度計やサーモグラフィーは1波長の放射輝度の絶対値を用いるが、2波長の放射輝度比によって温度を推定する。物質の放射率や透過率の影響を受けず、高い時空間解像度での温度測定に適している。光弾性ひずみに応じて屈折率の異方性が生じて複屈折を示す性質。偏光板を使うと複屈折した光の干渉縞として、ひずみを明暗の縞模様として可視化できる。弾性波速度の異なる二層の寒天を伝わる弾性波。光弾性によって直達波と屈折波の波面が可視化されている。桑野修Kuwano Osamu役職研究員E-mail kuwano@jamstec.go.jp所属学会日本地震学会専門分野日本地球惑星科学連合アメリカ地球物理学連合専門分野粉体・岩石・断層の破壊と摩擦実験地震物理学MAT Toolbox 2018 19