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概要

MAT TOOLBOX 2018

月の特異性人間にとって最も近い場所にある地球外天体である地球の衛星、月ですが、この様な巨大な衛星を持っている惑星は極めて稀で、水星、金星には衛星が無く、火星には非常に小さいものが2つあります。Keywords知的生命体今のところ、知的生命体は地球にしか見つかっていません。知的では無い、バクテリアの様な生命体なら可能性程度はありますが…。重力計算衝突後に撒き散らされた岩石から、一つの天体が形成される様子を計算した図。左下に存在する大きな楕円形の塊が、未来の月となる。現在、世界最高の計算精度である。天体規模の現象では、重力が物事の運動に強く影響を与えるため、重力を計算する必要があります。これはSPH部分やDEM部分に比べてコストがかかり、種々の工夫がなされてきた部分です。コンピュータ・シミュレーションさて、実際にこの衝突が月を作りうるかを検証する必要がありますが、当然、「じゃあ実験してみよう」というわけにはいきませんので、コンピュータ・シミュレーションによってこの仮説の妥当性が日々確かめらています。下の二つの図は実際に執筆者が行った計算で、上のパネルでは衝突直後、下のパネルでは衝突した物が一つの天体になる様子が表示されています。計算にはSmoothed Particle Hydrodynamics(SPH)と呼ばれる手法や、DiscreteElement Method (DEM)と呼ばれる手法と、重力計算を併せています。高速計算巨大衝突説は現在最もそれらしいと思われている理論ですが、一方で、巨大衝突説では説明できない実験結果などもまだ残されており、それらの結果を説明出来るように修正された巨大衝突のコンピュータ・シミュレーションが今日でも積極的に行われています。一方で、巨大衝突のシミュレーションは多大な時間を必要とする事が多々あります。例えば、我々が普段普通に使っているコンピュータでシミュレーションをやろうとすると、我々の人生よりも長い計算時間が必要である、という事も十分おこりえます。そうなると、時間的な問題はもちろんの事、電気代も莫大にかかるため、普通ではない工夫が必要不可欠となります。そこで、スーパーコンピュータを用いた並列計算などを行ったり、計算を素早く行うための近似手法を適用するなどと言った手法を盛り込む必要があります。我々は日々、この様な手法や計算プログラムを開発して、より低コストでかつ素早く計算の結果を得る努力をしています。こういった努力の末に開発されたコードは、巨大衝突のみならず、津波や地震の被害規模予測の計算などにも転用が可能であり、極めて重要な技術です。津波や地震の計算SPHは元々天体規模の現象を計算するために開発された手法ですが、最近では水の流れなどもSPHで計算することで、津波や土砂災害などの計算も行われてきています。細野七月Hosono Natsuki役職特任技術研究員E-mail natsuki.hosono@jamstec.go.jp所属学会日本惑星科学会、日本天文学会アメリカ地球物理学連合専門分野計算科学、惑星科学MAT Toolbox 2018 27