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概要

MAT TOOLBOX 2018

粒子法シミュレーション技術を普及させて社会に貢献するひとつひとつの粒子の運動を計算して、多粒子群の運動をシミュレーションする「粒子法」。今、粒子法シミュレーション技術は、人間社会にどのように貢献しているのか。大規模シミュレーションの技術開発と、その最先端技術に基づいた粒子法による研究開発の最前線に迫る。GPUと超並列計算シミュレーションはコンピュータ上で数式を計算することによって行われます。そのため、コンピュータの能力によって計算スピードが変わります。また、コンピュータの台数を増やせば、コンピュータ同士で計算する仕事を助け合うことができるので、より沢山の計算を速く行うことができます。これが並列計算の仕組みです。そして最近では、1台で沢山の仕事を同時にこなせるコンピュータが出てきています。その代表が、GPU(GraphicsProcessing Unit)です。本来、GPUはコンピュータからディスプレイに映像を出力するための装置です。皆さんも最近では4Kディスプレイといった言葉を良く聞くようになったことでしょう。これは画面の解像度を表しており、4Kでは約3840×2160ピクセルです。そして、ディスプレイに映像を出力するためには、数百万という膨大な数のピクセルの色をGPUが同時に計算しないといけません。つまり、GPUは超並列計算を行っているのです。この計算能力をシミュレーションに用いるのが、GPUコンピューティングです。バラスト軌道の沈下を防ぐためには電車からの度重なる衝撃によってバラストは摩耗し軌道が沈下するため、頻繁にバラストの交換作業と軌道の保守が行われており、メンテナンスコストが高いことが問題となっています。我々は鉄道総合技術研究所との共同研究により、バラスト軌道の安定性と衝撃吸収性能を向上させるための最適条件を見つけるために、バラストとまくらぎの衝撃応答性能をシミュレーションを用いて調べています。このシミュレーションでは、バラストとまくらバラストとまくらぎの衝撃応答シミュレーション。カラーコンターは変位を表しており、線路から伝わる大きな衝撃荷重によってまくらぎがたわみ、まくらぎの下のバラストが沈下している様子が伺えます。ぎの変形を計算するためにQDEMを用いています。QDEMは、粘弾性体の振動や変形挙動を、従来の有限要素法(FEM)よりも効率良く計算できる方法です。また、並列計算にも向いており、GPUを用いた大規模計算も行っています。将来的には、この様なシミュレーション技術の発達により、衝撃荷重に強いバラスト軌道の設計方法が確立され、安全性やメンテナンスコストが飛躍的に改善されることが期待されています。大きさの異なる粒子群を円筒容器に入れて、鉛直方向に揺すったときの粒子群の運動をDEMでシミュレーションした様子。安心安全な地中構造物の設計と施工を目指して我々はこれまでに計算科学の最先端技術を用いて世界最大規模の粒子シミュレーションを可能にしてきました。そして現在、その大規模粒子計算技術によって、従来不可能であった実スケール地盤安定性解析が可能になろうとしています。これが実現すれば、アナログ実験に必要なコストが最小限に抑えられ、またアナログ実験では困難であった複雑な条件での数値実験が可能になります。そして、アナログ実験から数値解析主体による技術開発への転換を世界的に主導し、経済的で高30計算科学