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概要

MAT TOOLBOX 2018

同期現象の数理科学位相縮約によるアプローチ位相縮約あるいは位相記述と呼ばれる数理科学的手法を拡張・応用することにより、自然界で幅広く観察されている様々な同期現象を理論的な立場から研究しています。同期現象の数理科学自然のなかに自発的な動きが生じるとき、その原初の姿は周期運動です。数学的にはリミット・サイクル振動によって表されます。リミット・サイクル振動の担い手である振動子は互いに同期する性質をもちます。すなわち、歩調をそろえて振舞う性質があります。もちろん、同期条件がみたされなければ、歩調はばらばらになります。同期と非同期は、このように動きと動きの間のつながりの形成とその切断を意味しています。原子や分子が互いにつながったり離れたりすることで豊かな物質世界が創出されるように、動的な基本単位である振動子は、互いに同期したり積極的にそれを破ったりすることで多様な自己組織化模様を時空間に織り成していきます。『同期現象の科学(京都大学学術出版会, 2017)』より。∂∂t X(r,t)=F[ X(r,t) ] + ?p(r,t).?∫dθ(t) =ω+ ?dtミット・サイクル解として記述されます。そのような各リミット・サイクル振動子のダイナミクスを位相と呼ばれるスカラー変数のみで近似する位相縮約法が、結合振動子系の同期現象に対する強力な解析手法として知られています。しかし、自然界には偏微分方程式のリミット・サイクル解として記述される振動現象とそれらの同期現象も存在します。例えば、大気大循環の模型実験系である回転水槽実験系において、振動対流の同期現象が観察されています。そのため、偏微分方程式のリVdrZ(r,θ)・p(r,t).偏微分方程式のリミット・サイクル解に対する位相縮約法。ミット・サイクル解に対する位相縮約法の定式化が必要とされていました。最近、我々は、位相縮約法の適用対象を常微分方程式から偏微分方程式に一般化することに成功しました。本手法により、偏微分方程式を位相変数に対する常微分方程式に縮約することが可能になりました。また、本手法は散逸系の非線形偏微分方程式なら適用できるものです。以下では、これまでの適用例の内の二つを紹介します。それは「振動的な熱対流」と「鞭毛の振動運動」です。位相縮約によるアプローチ自然界にはさまざまな振動現象および同期現象が存在します。典型的には、各振動性素子は常微分方程式のリy1.00.5θ/π= 0.0T1.000.750.500.250.00y1.00.5θ/π= 1.0T1.000.750.500.250.000.00.00.51.0x0.00.00.51.0xy1.00.5θ/π= 0.0Z500025000-2500-5000y1.00.5θ/π= 1.0Z500025000-2500-50000.00.00.51.0x0.00.00.51.0x『同期現象の科学(京都大学学術出版会, 2017)』( http://www.kyoto-up.or.jp/book.php?id=2151 )振動対流の温度場と位相感受性のスナップショット。[Kawamura and Nakao, Chaos 23, 043129 (2013); Phys. Rev. E 89, 012912 (2014);Physica D 295-296, 11-29 (2015).]4非線形物理