暮らしから広がる汚染 暮らしから広がる汚染

海に流れたプラスチックは、
日々の生活にもダメージを与える

私たちの生活に欠かせない「プラスチック」。しかし、プラスチックが海洋へ流出し、生物や環境へ影響を与えています。現在は、毎年約800万トン(※1)が流出。これまでに流出した総量だと、1億5000万トン(※2)にも上ります。

そして、巡り巡って私たちの生活にもその影響は出ています。例えば、住む場所。大量のプラスチックが流れ着き、清掃を余儀なくされる場所も少なくありません。観光地では景観が汚され、収益や雇用の減少にも結び付いています。もちろん、漁業など海洋を中心とする産業でも経済的な損失が発生しています。そうした清掃のコストや損失の累計は、年間約130億ドル(約1兆4000億円)(※3)に達します。

2050年には、
魚よりもプラスチックが多い海へ

プラスチックの大きな特徴の一つは、自然界でなかなか分解されないことです。そのため海洋プラスチックは溜まっていく一方で、このままのペースで流出が続けば、2050年には海洋プラスチックは海の魚の総重量を超える見込みです(※4)。

■2050年、プラスチックの影響はさらに大きくなる(※5

生物を傷つけるだけでなく、
生態系を変える可能性も

海へ流出したプラスチックは、まず海洋生物へ大きな影響を与えます。ビニール袋やプラスチック製のネットに絡まり傷つく生物や、誤飲や誤食をして命を落とす生物が後を絶ちません。現在進行形で、500種を超える海洋生物たちが苦しんでいるのです(※6)。それだけでなく、海を漂うプラスチックが外来種を運び、生態系に影響を与えることも懸念されています。

海洋プラスチックは、生物たちを直接傷つけるだけでなく、
その活動も制限してしまう
https://flic.kr/p/cEA4zG、CC BY 2.0

海洋生物だけでなく、
地球全体の環境問題

海洋プラスチックは海洋生物たちを直接傷つけるだけではなく、「海」そのものを汚染する深刻な地球環境問題でもあります。国連や首脳会議でも大きく取り上げられており、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」では、2025年までに海洋プラスチックを含め、「あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」ことが目標の一つとされています。

■日々の生活から海へ流出。解決には世界的な協働が必要

マイクロプラスチックは
有害な物質の「運び屋」

マイクロプラスチックは、浜辺にもあふれている

プラスチックには、さまざまな機能を付与するために添加剤が使われています。しかし、こうした添加剤は生物にとっては有害なことも多く、発がん性や生殖機能への影響などが確認されています。摩耗や紫外線などの影響で細かくなった「マイクロプラスチック」(大きさが5㎜以下のプラスチック)は、そうした物質を海中に放出したり、生物の体内に蓄積させます。

また、マイクロプラスチックは、海中の汚染物質をスポンジのように吸収してしまいます。そして、汚染物質まみれのまま海流に乗って、海のあらゆる場所へ流れていきます。そう、マイクロプラスチックは有害な物質の「運び屋」でもあるのです(※7)。

■有害物質を広げる媒介となってしまっている
  • 【参照】
  • ※1 Jambeck et al. 2015
  • ※2 McKinsey & Company and Ocean Conservancy (2015)
  • ※3 http://www.cep.unep.org/cep-documents/unep-press-release-on-the-effects-of-plastic-waste-on-marine-ecosystems.pdf
  • ※4 World Economic Forum 2016
  • ※5 ‘The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics’, World Economic Forum 2016
  • ※6 Kühn et al. 2015
  • ※7 Mato et al. 2001