2019年12月15日〜17日

作業内容
  • ・12月15日 プンタアレーナス入港 Maldones岸壁に着岸

  • ・12月16日 Maldones岸壁からPrat岸壁へシフト、着岸

  • ・12月17日 白鳳丸から下船

フィヨルドを抜けた後、白鳳丸はプンタアレーナスに入港。久しぶりに上陸すると、普通に立っているはずなのに身体が傾いている、陸揺れしている感がある。着岸後、乗船者たちは街へ繰り出し、プンタアレーナスで食事を堪能。ここでは羊の丸焼きが有名らしく、じっくりと時間をかけて焼かれたラム肉は香ばしく美味。

KH-19-6Leg3航海は、これにて終了、いよいよ日本へ戻る。プンタアレーナスから日本への道のりは遠く、0泊3日の長旅である。帰国後は、得られた貴重な試料・データ を日本に持ち帰り、分析・解析をする仕事が待っている。自分は動物プランクトンや海水の同位体比を解析する予定であるが、東部南大洋のデータがどのような数値がでるのか楽しみである。

白鳳丸航海「ウェッデル海~南太平洋における海洋地球科学総合横断観測:白鳳丸30周年記念世界一周航海の実現」はまだ続き、KH-19-6Leg4航海に引継がれる。次航海 では南緯60度を越えるらしい。無事な航海と、そして、皆が良い試料データが得られますように。。。

プンタアレーナスに入港
プンタアレーナスに入港
Leg3乗船者集合写真
Leg3乗船者集合写真

2019年12月13日〜14日

作業内容
  • ・プンタアレーナスに向け回航

  • ・各観測機材、物品の清掃と片づけ

  • ・塩検

  • ・観測グループ別にクルーズレポート執筆と提出

  • ・Leg2、3の荷物と、次航海Leg4の資材の入れ替え作業

Stn10(55S,90W)離脱後は、荒天退避しつつ寄港地プンタアレーナスに向け航走。航走中は、各種観測機材の片づけ。動物プランクトン班はプランクトンネットを清水に一晩付け置きして塩抜きし、後部甲板にて乾燥。甲板に張られたロープにプランクトンネットを何枚も吊るすと、まるで鯉のぼりのよう。昼間に乾かなかったネットは6研にて室内干し。

本航海の乗船者は、栄養塩、DO、クロロフィル、塩検のどれかの担当に携わることになっている。自分は塩検班で、なぜか班長。回航中にStn6から10までの全ての塩検を行うが、分析装置のご機嫌が悪く、通常2~3時間で終わるところが倍の時間が掛かってしまった。研究推進室・石垣さんの多大なるサポートを受け塩検と補正が無事終了。気づけば、白鳳丸はフィヨルドの入り口付近を航走、小さな島々が見え始めてきた。

プランクトンネット干し
プランクトンネット干し
塩分測定(塩検)
塩分測定(塩検)
フィヨルド入り口
フィヨルド入り口

2019年12月11日〜12日

作業内容
  • ・12月11日9時頃 Stn.10 (55S, 90W)着、観測開始

  • ・光学観測 2cast

  • ・VMPS6000 2cast

  • ・飼育ネット昼5cast 夜3cast

  • ・MOHT傾斜曳

  • ・ORI表層曳 昼夜

  • ・VPR 昼夜

  • ・ニューストン 3cast

  • ・4-NORPAC 3cast

  • ・2-NORPAC 1cast

  • ・CTD 5cast

  • ・Argoフロート投入

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過#40, #41, #42スタート

  • ・有孔虫採集@研究用海水濾過、NORPAC #10 #11

  • ・雨水サンプラー(降水ありR004x3本 45mLx3採取)

  • ・12月12日3時頃Stn10離脱、プンタアレーナスに向け回航

本レグ最後の観測点Stn10 (55S, 90W)に到着。多少のうねりはあるものの青空、気温6度でも日差しは強い、南大洋は夏を迎えるころ。
この海域にくるまでは、南大洋の高緯度域は多少なりとも生産があるのではないかと思っていたが、実際の海は、どこまでも蒼い海が広がり、高緯度へ行くほど動物プランクトンのサイズは小さく、採集量も少なくなっている。実際に来て、サンプリングしてみないと分からないことはまだまだ沢山あるようだ。
西から低気圧が接近しているため、ここでの作業は時間勝負。時間短縮のため、船尾でMOHTを曳きながら、舷側でORIを曳く、また舷側でVPR観測をしつつ、船首でNORPACネット鉛直曳きををするなど同時並行作業を実施。本測点の最後の作業はArgoフロートの投入、時間は深夜3時、冷たい雨が降り注ぐ。
最後ということもあり、ほぼ全員が投入を見守った。投入後は、後部甲板で主席を囲んで皆で「お疲れ様!」の拍手。バルパライソ出港後の見込みでは、Stn9、10の観測はできないと予想されていたが、天候に恵まれてほぼ全観測をこなすことができ、また沢山の新しい発見もあったようだ。
白鳳丸はStn10を離脱、現在、寄港地プンタアレーナスを目指して回航中。

Stn10(55S)は晴れ
Stn10(55S)は晴れ
ウィンチワイヤー作業-女性研究者も頑張っています
ウィンチワイヤー作業-女性研究者も頑張っています
最後の作業ーArgo投入
最後の作業ーArgo投入
Argo投入を見守る研究者たち
Argo投入を見守る研究者たち

2019年12月8日〜10日

作業内容
  • ・12月8日Stn7離脱後、荒天待機しつつStn9へシフト

  • ・12月9日16時頃 Stn.9 (50S, 90W)着、観測開始

  • ・光学観測 2cast

  • ・VMPS6000 3cast

  • ・飼育ネット昼・夜 各5cast

  • ・MOHT傾斜曳

  • ・ORI表層曳 昼夜

  • ・VPR 昼夜

  • ・ニューストン 3cast

  • ・4-NORPAC 3cast

  • ・2-NORPAC 1cast

  • ・CTD 5cast

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過#38, #39, #40スタート

  • ・有孔虫採集@研究用海水濾過、NORPAC #8 #9

  • ・雨水サンプラー(降水ありR003x2本 45mLx2採取)

  • ・12月10日14時頃Stn9離脱、本レグ最後の観測点Stn.10 (55S, 90W)に向けシフト 12月11日10時頃着予定

50Sを目指して
50Sを目指して
Stn9の奇跡
Stn9の奇跡
ORIネットで採取したクダクラゲ
ORIネットで採取したクダクラゲ

Stn8(45S)観測終了後、暫くStn8で荒天待機、その後、低気圧の影響を避けつつStn9 (50S)へ移動。船体の横揺れはひどく、船速はでない。とある居室では椅子や荷物が動き回ったとか。やはり50S以南の壁は高いのか、、、と思いつつ辿り着いたStn9。うねりが高くCTDが下ろせない状態であったが、チョッサー(一等航海士)のお話しでは時間が経てば天気は回復するらしい。
比較的丈夫(?)なプランクトンネット観測などで時間を稼ぐこと数時間、うねりも収まり全ての観測ができる状態に。気づけば空には青空が!!今航海は幸運が付いているようだ! プランクトンネット観測は、白鳳丸の船首近くの8番ウィンチで作業をする。強いうねりと冷たい風の中(気温6度)、夜間にひたすらネットを曳き続けたのは辛かった~。さぁ、次は最後の観測点Stn10(55S,90W)。

2019年12月5日〜7日

作業内容
  • ・12月5日20時頃 Stn.8 (45S, 90W)着、観測開始

  • ・光学観測 2cast

  • ・VMPS6000 4cast

  • ・飼育ネット昼・夜 各5cast

  • ・MOHT傾斜曳

  • ・ORI表層曳 昼夜、傾斜曳

  • ・VPR 昼夜

  • ・ニューストン 3cast

  • ・4-NORPAC 3cast

  • ・2-NORPAC 1cast

  • ・CTD 7cast

  • ・マルチプルコアラー 2cast

  • ・漂流トラップ投入(24時間後に揚収)

  • ・ゾディアック観測(表層マイクロレイヤー試料採集)

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過#34, #35, #36, #37

  • ・有孔虫採集@研究用海水濾過、NORPAC #5 #6, #7

  • ・雨水サンプラー(R001, R002 各20mL程度採水)

  • ・12月7日21時頃離脱、荒天待機およびStn.9 (50S, 90W)に向けシフト 12月9日午後着予定

好天Stn8
好天Stn8
漂流トラップ
漂流トラップ

45Sまで南下してくると、北太平洋亜寒帯海域のように霧が発生している時間が多いが、お昼を過ぎると青空が広がる。
今レグには、バルパライソからフィヨルドオフィサーが乗船しているが(プンタアレーナス入港前にフィヨルドを通過するため)、オフィサー曰く、この海域で海況が安定しているのは奇跡的だそう。
現在、白鳳丸は次の測点Stn9(50S)に向けさらに南下中。南方の低気圧の影響で横揺れが激しい。波浪予想図を見ると、45S以南は低気圧が西から東へ次から次へとやってきている。“吠える40度、狂う50度、絶叫する60度”、、、どこまで南下できるのか。。。

2019年12月4日

作業内容
  • ・Stn.7着、観測開始

  • ・光学観測 2cast

  • ・VMPS6000 3cast

  • ・飼育ネット昼・夜 各5cast

  • ・MOHT傾斜曳

  • ・ORI表層曳 昼夜

  • ・VPR 昼夜

  • ・ニューストン 3cast

  • ・4-NORPAC 3cast

  • ・2-NORPAC 1cast

  • ・CTD 5cast

  • ・マルチプルコアラー

  • ・アルゴフロート投入

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過#33, #34スタート

  • ・有孔虫採集@研究用海水濾過、NORPAC #3, #4

  • ・雨水サンプラー(採水ナシ)

  • ・12月4日23時頃離脱、Stn.8 (45S, 90W)に向けシフト

日の入りStn7
日の入りStn7
ヤジリカンテンカメガイ
ヤジリカンテンカメガイ

船内時間はバルパライソ(チリ)の時間で動いている。Stn7(40S,90W)の日の入時間は22時32分頃。
この日は雲も少なく水平線が良く見える。MOHT投入後、しばし、後部甲板において夕陽の鑑賞会。太陽が水平線に完全に沈む直線、グリーンフラッシュを見ることができた!(残念ながら写真はなし)。
2枚目の写真はMOHTで得られた翼足類の仲間“ヤジリカンテンカメガイ”。その名の通り、ヤジリ形の寒天のような硬さの透明な殻を被ったプランクトン。中身が本体なのですが、ソーティング中に中身が脱落しやすいみたいで注意が必要。
35Sから40Sに入り、動物プランクトンも亜熱帯から亜寒帯へ移行しているような生物相になってきた。

2019年12月2日〜3日

作業内容
  • ・地球物理観測(プロトン磁力計など)

  • ・物理観測終了次第、Stn.7(40S,90W)にシフト。12月3日23時頃に着予定

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過#32, #33スタート

  • ・雨水サンプラー(降雨ナシ)

マイクロプラスチック捕集
マイクロプラスチック捕集

ネット祭りの翌日は皆、爆睡。朝食のチャイムにも気づかず、起きたのは10時過ぎ。
地球物理観測では、地球磁場の逆転史の調査を目的に24時間の航走観測のみを行うため、動プラ班にとっては次の測点への貴重な充電時間。本航海では、全レグを通してニューストンネットを用いたマイクロプラスチックの捕集を実施している。捕集試料の中をよく見ると動物プランクトンに交じって細かなプラスチック片が混じっているが、Stn6ではインシュロックも捕集された。本船上から脱落したものなのか、海流にのってやってきたものなのか分からないが、インシュロックは観測機器のケーブル類などの固縛にも使う物。海上でインシュロックを使うときは、劣化する前に交換するなど気を配りたいものです。

2019年11月30日〜12月1日

作業内容
  • ・13時にStn.6着、観測開始

  • ・光学観測

  • ・VMPS6000 3cast

  • ・飼育ネット昼・夜 各5cast

  • ・MOHT傾斜曳

  • ・ORI傾斜曳、表層曳2cast

  • ・VPR 昼夜

  • ・ニューストン 3cast

  • ・4-NORPAC 3cast

  • ・2-NORPAC 1cast

  • ・CTD 6cast

  • ・漂流トラップ投入(24時間後揚収)

  • ・マルチプルコアラー

  • ・地球物理観測(プロトン磁力計)キャリブレーション

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過#30

  • ・有孔虫採集@研究用海水濾過 #1, #2

  • ・雨水サンプラー(11月30日~スタート、時折、短時間の弱い降雨があるもののボトル10mL以下)

CTD投入前
CTD投入前
MOHTで得られた試料c
MOHTで得られた試料c

KH-19-6レグ3での最初の測点Stn6到着、前日までの荒天がなかったかのような観測日和。CTD観測と同時並行で怒涛のようなプランクトンネット観測26キャストを実施、本日〆の観測はVMPS6000を使ったJAMSTECキャスト。疲労と眠さがある中、学生さんやプランクトン班ではない採水班の人たちまで、みなが最後までサポートしてくれたことに感謝。Stn6の観測が終了したのは翌12月1日の22時過ぎ。36時間観測、採水機室で眠そうな顔をしていたら、「こんなの序の口、まだまだだよ」と主席の津田さん。はい、更に修行を積みます。。。

2019年11月29日

作業内容
  • ・Stn.6(35S,90W)に向け航走、11月30日お昼頃着予定

  • ・各自の観測準備作業

  • ・ルーチン観測準備作業

  • ・マイクロプラ@研究用海水濾過開始#29

  • ・有孔虫採集@研究用海水濾過 #テスト

  • ・雨水サンプラー(30日午前にブリッジ窓清掃があるため、30日昼から開始予定)

出港後、荒天から船速が出なかったが、当初予定通りに明日の昼から観測が開始する。観測に向け、船内が少しピリッとした空気が流れている。
今航海に乗船している女性研究員は5名、全員、動プラ担当。Stn.6は大測点ということもあり、多種多様な動物プランクトンのネットサンプリングが展開される。
VMPS、2-,4-NORPAC、MOHT、ORI、ニューストン、VPRなどなど20キャスト近く昼夜通しで30時間のネット祭りが始まる予定。

2019年11月27日〜28日

11月27日(水)の作業内容
  • ・バルパライソ出港(13時50分頃)

  • ・Stn.6(35S,90W)に向け航走

  • ・船内生活、ISPS講習

  • ・操練(荒天のため、研究室内での訓練)

  • ・航海打ち合わせ(荒天のため、翌28日午後に変更)

11月28日(木)の作業内容
  • ・Stn.6(35S,90W)に向け航走

  • ・航海打ち合わせ

バルパライソ市内においても大規模な抗議活動が行われており、時折、サイレンや銃声(ゴム弾、催涙弾?)の音が響き渡ることがあったが、そのような時間帯を除けば至って平穏、街中は陽気な人が多い。停泊中は美味しいチリ料理を堪能、27日午後にバルパライソから出港。荒天が予測されていたため、出港後は固縛のためのロープワーク講習会。6研内はラッシングロープだらけで、フィールドアスレチック状態に。

バルパライソ港に停泊中の白鳳丸
バルパライソ港に停泊中の白鳳丸
岸壁タイヤに寝転がるゾウアザラシ
岸壁タイヤに寝転がるゾウアザラシ
いざ出航
いざ出航