2016年7月13日

  • 八戸か、、何もかもみな、懐かしい...(妄想中)

  • 7月13日の朝10時に、おしょろ丸は無事、八戸港の八太郎(はったろう)岸壁に着岸いたしました。日差しがとても強く、日本に帰ってきたことを実感させます。入港が1日早まったため、明日はまるまる1日分の余裕ができました。前日の晩から学生さんや研究員らはどうやってすごそう?どこに行こう?などと話をして気分が高まっていますが、あいにく明日の予報は朝から雨。しかも午後になる程天候が悪くなるとのこと。そういえば、まだ梅雨明けしてないのですね。

  • 荷物の片付けをあらかた終え、4人の研究者による熱い2時間セミナーもしっかりこなし、待ちに待った久しぶりの地面を踏みます。いつも感じるこの瞬間はとても良いものです。地上よ、私は帰ってきた! とはいっても岸壁の周囲にはなんにもなくて、門限22時までに行けるところといえば、船から片道10分のコンビニがせいいっぱい。でもひと月ぶりに眼に映る文明社会の何もかもがとても新鮮。トマトジュースとコーヒー、ビスケットと今晩のビールををお買い上げ。うーん、満足。
    観測機材の積み下ろしは明後日15日に予定されています。それが終わると、北大のスタッフと学生さんたちを除き、研究者は帰路につくことになります。

  • そんなわけで、約ひと月にわたったおしょろ丸航海もひとまずこれにて終了となります。今回は複数の研究員で交代で記事を書くということに挑戦してみましたがいかがだったでしょうか?いろいろな視点から航海の様子を楽しんでいただけましたなら、執筆者一同たいへん嬉しく思います。最後までお付き合いいただいた読者の皆様、ありがとうございました。
    またおしょろ丸の船長をはじめ、船員の皆様、主席を務められた上野先生をはじめとする北大のスタッフの先生方および学生の皆様方には本当にお世話になりました。この場をお借りして御礼を申し上げます。

  • 帰ったら膨大な試料とデータの解析が始まります。ここからどんな成果が生まれるか、どうぞご期待ください!

  • それでは、次の航海もぜひご一緒に。
    おわり。

(kimopy)


観測終了後に撮影した集合写真。ともに観測した素晴らしい仲間たちに感謝!

2016年7月11日

  •  6/19から始まったおしょろ丸航海、荒天のため7/10の観測がキャンセルになったため、7/9のKNOTという観測点が今航海最後の測点となりました。
    この観測点は、北緯44度、東経155度に位置にありまして、1998年からKNOT(Kyodo(共同) western North Pacific Ocean Time-series)という名前がつきました。そのため、今回で、20周年記念の観測となりました。
    実は、私が大学4年生だったとき、まだ名前のなかった1997年から、ここで採水し、海に溶けている二酸化炭素の測定を始めております。その結果、大気中の二酸化炭素の上昇に伴い、この海域でも海に溶けている二酸化炭素が増加し、海洋酸性化が進んでいることが分かりました。
    JAMSTECで行っている観測点K2も含めて、今後も観測を続け、海洋酸性化がどのように進んでいくか、それによって、海洋の炭素循環がどう変わっていくのか調べていきたいと思います。

  •  話は変わって、すでに観測が終わった船内では、サンプルの分析・実験が終わった方から、観測機器のお片付け、観測データの整理などが始まり、入港に備えています。
    また、今日の夜から、乗船している大学の教官と研究員の総勢14人で、明後日の13日まで、自分の研究紹介が始まりました。その様子を写真で送ります。
    各人、10分の発表、5分の質問で、今日は5人で1時間15分の予定だったのが、2時間もかかり、活発な議論が交わされました。
    この航海で、1ヶ月弱乗船し、共同生活した縁なので、今後、お互いの研究が繋がって、拡がっていけたら、楽しいですね。

(脇田)


研究紹介の様子

2016年7月8日

  • 今回は、係留系のお話です。

  • 海で起こる様々な変化を明らかにするためには、実際に船で目的の海域まで行って調査をすることが必要です。
    しかし、航海には多くの費用と労力がかかります。そのため、船で目的の海域に行けるのは、年に一回程度です。その年一回の航海で、刻々と変わる海の諸現象を捉えることは困難です。そこで、登場するのが係留系です。
    我々が用いる係留系は、海底5200mから海面付近までロープを張り、そのロープに様々なセンサーや装置を取り付けています。船が行けない期間に、自動観測を行い、データを取り続けることが出来る優れものです。とは言え、これほど大掛かりな係留系になると、陸上での準備、海での設置と回収は大変な作業になります。全てが順調に進むことは滅多にありません。

  • 今回設置した係留系では、設置後に一部不具合が見つかり、本日、それを直す作業を行いました。私自身、係留系の作業に携わって10年以上になりますが、毎回ハラハラドキドキの連続です。

  • 来年の回収まで、貴重なデータを取り続けてくれることを願いつつ、今年も係留点を後にしました。

(藤木)


今回設置した係留系の概念図
今回不具合が見つかった係留系のトップブイ

2016年7月6日

  • 先日K2で投入した係留系の一部に問題があることが発覚し、天皇海山列での観測を途中で打ち切ってK2へ移動中です。
    ここ1週間程は天気にも恵まれて波もほとんどなかったのですが、昨夜から波が4m・風10m/sと船内は少し揺れていますが行きに比べれば比較的ましです。
    なにより久々に観測のない平和な1日ということもあり、昨夜は夜中2時まで飲み会が開かれていました。 皆さんタフです。

  • さて、いよいよ本航海も終盤に突入しました。そこで本日は昼食後に船内の大掃除です(写真1)。
    居住スペースの掃除をしていると「仕事量と居室の汚さは反比例する(学生の部屋が明らかに汚い)」という傾向がみられました。
    この現象を考察すると「仕事をいっぱいする人は仕事スペース(食堂orラボ)で過ごす時間が長く、居室で過ごす時間がほとんどないから」ということらしいです。
    ただ学生の部屋が汚いだけなのでは・・・とも思いますが一理あるかもしれません。
    ともあれ、船内はきれいになり、気持ち新たに終盤戦がスタートです。

  • 急遽戻ることになったK2ですが、食堂のホワイトボードには他に実施したい観測のリクエストを記入するスペースが作られました。
    すでに観測したポイントであるにもかかわらず研究者達は大量のリクエストを出しています(写真2)。 やはりタダでは帰らないのが研究者なのでしょうか?
    既に疲労もたまってきているはずですが、研究も飲み会も一切手を抜かないのが一流なのかもしれません。

  • K2到着予定は明日の朝。果たして係留系問題は無事に解決するのでしょうか?乞うご期待です。

(清水)


写真1:船内の大掃除
写真2:ホワイトボード

2016年7月5日

  • 観測の話が続いているので、今日は意外と気になる?船内生活についてご紹介します。 (決して観測のネタが無くなったからではありません!)

  • おしょろ丸は学生が50人以上も乗船することができる練習船で、JAMSTECからの乗船者の半分以上は学生用の部屋で寝泊まりしています。
    学生用の部屋はほとんどが6人部屋となっていて、この航海では1部屋に3~4人が生活しています。

  • JAMSTECの船舶では職員であれば、ほとんどの場合個室が割り当てられ、個室の机でデータ処理や陸上とのメールのやり取りなどの仕事をしていますが、学生用の部屋には机が1個しか無いため、この航海では学生部屋と呼ばれる大きな部屋で机仕事をしています。学生部屋には船内の作業場所を見ることができるモニターや 採水器の深度や航海情報がリアルタイムでわかるモニターもあり、机仕事をしながらモニターを確認し、ちょうど良いタイミングで作業現場に向かうことができます。

  • 写真はその学生部屋ですが、実質は学生部屋兼、食堂兼、職員の仕事用デスク兼、ドライラボとなっています。手前が水気を嫌うような機器の整備や簡単な実験スペース、その奥が大学の先生やJAMSTEC職員がPCに向かって仕事をする仕事机、その奥2つの机が食事をする机兼学生用机兼、飲み会用机(夜限定)となっていて、写真のように一番奥で食事が配膳されている最中に手前で仕事をしている職員がいて、さらに実験スペースがあるのはJAMSTECの船では見ることができない、おしょろ丸ならではの光景と言えます。

  • ということで、観測、実験と寝ているとき以外は、食事、机仕事、打合せ、一部の実験や観察、機器整備、雑談、夜の飲み会などなど、この学生部屋でほとんどの時間を過ごしています。

(中野)


おしょろ丸の学生部屋

2016年7月4日

  • おしょろ丸は中規模渦観測を終えて、次なる観測海域「天皇海山列」に来ています。中規模渦観測に引き続き、ここでも海洋の微細スケールにおける流れ構造(乱流)の測定が観測のひとつの柱です。

  • 実はこの乱流、動物プランクトンに対しても様々な影響を与えると考えられています。飼育実験・理論モデル・現場観測などにより、心拍数に変化が現れる、遊泳様式に変化が現れる、分布深度に変化が現れる、摂餌に影響が出る、といった結果が報告されてきたのです。このうち現場観測においては、鉛直的な乱流観測とともに鉛直的に密な(数m間隔)ポンプ採水により動物プランクトンを採集することで、乱流と動物プランクトンの分布・摂餌の関係を明らかにしてきました。しかしながら、動物プランクトンもポンプの吸い込みから逃げるので、ポンプ採水では遊泳能の小さな小型動物プランクトンしか充分に採集できません。比較的大型の動物プランクトンについて、乱流と鉛直分布の関係は良く解っていないのが現状です!

  • 乱流そのものの観測も難しく、生物屋が気軽にできるものでもありません。

  • そこで今回、ちゃっかり物理屋さんの乱流観測に便乗して、大きめ動物プランクトンの鉛直分布と乱流の関係を観察してみようと考えました。動物プランクトンの鉛直分布の解像度を上げるために、ネット採集ではなく音響を使った分布様式の把握をしようと企ててみましたが、吉とでるか凶とでるか・・・・。

追伸:
有殻翼足類リマシナは、中規模渦(海域)のなかで孵化し、顕微鏡下でぐるぐる回っていました。

(喜多村)


観測に使っている音響機器(AZFP)

2016年7月2日

  • 陸上のみなさんこんにちは。おしょろ丸航海も早いもので折り返しを過ぎました。不規則な生活でそろそろ疲れも出てきています。洗濯機の中にうっかりiPhoneとノイズキャンセリングイヤホンを放り込まないように注意しないといけない時期です(経験者です)。

  • 現在、わたしたちは北太平洋に発生した直径150~200kmもある高気圧性の中規模渦の中心部で観測中です。
    今日は本航海のプランクトンチームの精鋭メンバーをご紹介しましょう。

    1. 阿部義之さん(北大のポスドク。背が高い。プランクトンや観測に詳しく、学生にとっては頼れるお兄さん的存在。指導がうまいのでいい先生になりそう)
    2. 前角地毬衣さん(日本に十数人しかいない、珍しい姓をもつ北大の4年生。尾虫類を研究。昨晩からなぜか、ちかこさんと呼ばれてる)
    3. 米田壮太さん(同じく北大の4年生。安定同位体を使った食物連鎖を研究。きもpとはある分野で意気投合。すでに手持ちのDVDを交換し合う仲に)
    4. 清水啓介さん(JAMSTECの国際ポスドク。巻貝に詳しい分子生物学者。新婚なのに長期航海、お気の毒。)
    5. 喜多村稔さん(JAMSTECの海洋生物学者。音響を使って動物プランクトンの現存量を観測。きもpと同室なんだけど、いつ寝てるかわからないくらいタフで、一番の働き者。頼りにしてます〜)
    6. 木元克典さん(きもp。万年初心者。経験値ってどうやったらたまるのかしら?)

  • 私たちプランクトン班は、2研、通称ウェットラボという実験室でプランクトンのソーティング(仕分け作業)をしています。おしょろ丸は海水やプランクトン研究を行うのに最適化されていて、デッキ(甲板)で採取してからウェットラボに試料を持ち込むまでの距離が短くなるよう、うまく設計されています。70年の歴史を誇る北大プランクトン学講座の歴史を感じます。

  • 船でプランクトンを採集する最大の喜びは、自分の知らない生き物に出会えることです。サンプルの中で真っ赤な色彩を放つネオカラヌス、青く発光するカイアシや、大きな鎌をもつ肉食性の単脚類、昨夜は3cmにもなる大きな"海の妖精”クリオネが捕れました。予想もしなかったフシギ生物との出会いはとても新鮮です。これだからプランクトン採取はやめられません!

  • 今回の研究目的の有殻翼足類リマシナはそれほど数は多くないものの、船上で飼育実験を行うくらいの数は十分確保できました。一部の個体は卵を産み始めています。いつふ化するのか、中規模渦のなかでウズウズしながら日々観察しています。(←これが言いたかった!)

(kimopy)


プランクトンネットで採取した試料から有殻翼足類リマシナだけを取り出す清水さん。1匹1匹、ダメージを与えないよう細心の注意を払って取り出します。真剣な眼差しなのはヤラセかもしれません。
奥は喜多村さん。

2016年7月1日

  • Although I have joined many cruises in China and even sometimes serving as a chief scientist, this is my first time to join a Japanese cruise and my first time on the Pacific (all my previous cruises were on China seas, mostly South China Sea and sometimes East China Sea). This is also my first time to be at such a high, northern latitude and the environment is very different from my previous experiences on the sea. In the South China Sea, the minimal sea surface temperature is around 15 ºC and most times the temperature is above 20 ºC, but here the temperature is below 8 ºC even in July! And I am reminded of this chilly temperature every time when I put my hands into the incubation tank to collect my bottles (see attached photo). The depth of euphotic layer usually penetrates below 100 m in the South China Sea, but yesterday we recorded the depth of euphotic layer only around 30 m at one station even in such an open ocean environment. I have to remind myself (again) that such a thin layer provides most of the energy and organic materials that sustain the whole marine ecosystem.

  • Japanese cruises also differ in some aspects with Chinese cruises. It is a little surprising to me that a person collects all the samples including chemistry and biology samples from one Niskin bottle. On Chinese cruises, everybody collects her/his own sample without touching others’. Today Mino-san taught me how to collect the DIC sample. If not on Japanese cruises, I guess I would not have the chance to collect chemistry samples by myself. I also have the opportunity to try indigenous Japanese food on Oshoromaru, which, I have to say, is much better than the food I had on many previous Chinese cruises.

  • My work in this cruise is mainly to do dilution experiments to measure the growth rate of phytoplankton and microzooplankton grazing rates. I am happy to be able to do these experiments in such a cold place. My research has been focusing on the effect of temperature on phytoplankton growth and zooplankton grazing rates. It will be interesting to put the experiments in the subarctic Pacific with my previous experiments in the tropical South China Sea together to see how the plankton metabolism changes with temperature. I hope that my beloved plankton had been happily living in my polycarbonate bottles during the incubation.

(Bingzhang Chen)


2016年6月30日

  • 昨夜のK2観測慰労会(宴会)のお酒が抜けていませんが、今日も朝から観測です。9時からスタートし、センサー機器類の吊り下げ観測、CTD採水、プランクトンネット等々と続きます。僕は主に採水作業をメインでやってますが、外は寒いし海水は冷たいしで、ちょっと弱音を吐きたくなります。水温2度以下の海水を試料ボトルに採取中に、「オーバーフローは30秒以上です」と指示されると、殺意も湧いてきます。長時間同じ姿勢をとるため腰も痛くなるしで、40代には辛い。でも周りをみると、12本のニスキンボトルを40代のオッサン4人で採水してます。分析で何か変なモノが検出されないのだろうか(笑)

  • さて僕の持ち込んだ(裏)研究テーマは、植物プランクトンの強光ストレス応答です。要はプランクトンが「ちょー眩しいよー」と困った様子を観察するというS企画モノです。採水観測の合間を見つけて培養実験をやろうとしているのですが、測点間の距離が近いため、まとまった時間がなかなか取れません(物理系の主席は相当なSらしい)。この航海の最初の実験は手順を間違えてしまったため、今日はリベンジの2回目。うまくいくと良いのですが。培養水槽は床に近い場所にあるため(写真参照)、実験中は白色光源がレフ板のように僕を下から照らしてます。少しは美白効果があるのかな?誰だ、「太陽拳」とか言った奴は!まだ禿げてないぞ。

(三野義尚・名古屋大学宇宙地球環境研究所)


培養水槽

2016年6月29日

  • 6/26から始まったK2での観測、今日29日は最後のメインミッションの係留系の設置です。

  • K2に到着してからはとても忙しくて、ブログの更新ができず、申し訳ありません。
    というのも、去年、設置した観測機器に無事出会えたのが、一昨日の27日の夕方、その後中一日で、今年設置する係留系の準備をするのに、いっぱいいっぱいでした。

  • 係留系というのは、3トンの重りを海底約5,200mに置いて、そこから紐と浮きを付けて、水深約150mまで立ち上げます。
    海底から150mまでの間に、いろいろな観測機器を取付けて、来年の航海までたくさんのデータを取ってもらいます。
    ちゃんと来年まで作動して、回収できるよう願いを込めて、投入する直前に重りに御神酒をあげたのは、今航海のリーダー、藤木さんです。
    その後、係留系は無事K2に設置されました。

  • 北海道大学水産学部付属練習船おしょろ丸の船長をはじめ、乗組員の皆さん、今回は事故もなく、無事回収と設置ができ、たいへん感謝いたします。
    この場を借りて、お礼申し上げたいと申します。

(脇田)


回収できるよう願いを込めて御神酒を捧げる藤木さん

2016年6月27日

  • KNOTでの観測に続き、2つ目の観測点であるK2(北緯47度、東経160度)での観測が昨日より始まりました。

  • ここでのJAMSTECのメインミッションは係留系の回収なのですが、私のミッションはリマシナ・ヘルシナ(翼足類)と呼ばれる海を泳ぎまわる巻貝(クリオネの仲間)をなるべく多く生け捕りにすることです。
    通常のプランクトン採集では1−2回プランクトンネットを下ろして回収したサンプルの中から欲しい生き物を観測後にじっくり取り出せばいいのですが、今回は「いっぱい生け捕り」が目的なのでそうはいきません。

  • 作業の流れは至って単純。 (1)ネットを目的の水深まで下ろす (2)サンプルを回収 (3)顕微鏡下でリマシナをピックアップ。
    1サイクルならば10-15分で終わる単純作業なのですが、今回はこれを2時間半ひたすらやり続けるのはとても過酷な作業です。
    しかも、ただでさえハードな作業なのに夜間の大雨+強風という最悪なコンディション。
    もはや何サイクル行なったのかの記憶はないのですが、終わってみれば50匹近いリマシナを生きた状態で無事に採ることができました。

  • リマシナの優雅に泳ぐ姿はとてもかわいらしいのですが、おしょろ丸の乗組員の方から「全然かわいくねぇー!」と全否定され、ショックでした・・・。

  • JAMSTECプランクトンチームの汗と涙の結晶であるリマシナ達は下船まで船の上で飼育実験を行なう予定です。
    ちなみに日付が変わる頃にプランクトンネットから採水作業へとバトンタッチをして、海水分析チームが夜明けまで作業をしていました。

(清水)


プランクトンネットの投入

2016年6月26日

  • 出航してからちょうど1週間、大時化の海を抜け、ようやく次の観測点であるK2(北緯47度、東経160度)に到着しました。

  • K2は1999年から観測を続けている観測定点で、今航海では4日間かけて様々な観測を行う一大観測点です。
    K2でのメインイベントは、昨年の7月に様々な観測装置を取り付けて設置した係留系を1年ぶり!に回収し、再び設置する作業ですが、その合間にも水深5,200mまで採水器を下ろしての採水や各種センサーを用いた観測、ネットを用いたプランクトン採取などの作業を昼夜通して行います。

  • 平均年齢が40歳を超えているJAMSTECチームには厳しい徹夜作業も予想されますが、大学生と一緒に作業すれば気持ちも若くなって、余裕で乗り切れるかも?
    気温は6.7℃、まだうねりは残っていますが、まずは採水器の投入から観測開始!

(中野)


採水機の投入(CTD観測)

2016年6月24日 part2

  • あらららら、とまっちゃった。

  • おしょろ丸は出航以来、荒天の中を北上してきました。が、波・風ここに極まれり、測点K2の130マイル手前でついに航走かなわず、船首を風に立てて堪え忍んでおります。

  • 昨日は一日、ベッドでごろりとなりながら本を読んで、いつの間にか寝て、起きて本を読んで、いつの間にかまた寝て、たまに食事して、またベッドでごろりを続けてしまいました。「これはいかん」ということで今日は居室ではなく学生教室で過ごしています。

  • しかしこの時化はいつまで続くのでしょうか?こんな時は自主金比羅さんが必要かもしれません。ここ2〜3日、微妙に膝が疼き(原因は不明:寒くなったから?年のせい?S岡さんによれば、それは通風じゃないですか?)おとなしくしていたのがいけなかったのかもしれません。

  • お天気には逆らえませんので、ここはじっくり待ちましょう。
    海洋観測に長く関わっていると、こんなこともあるのです。

注)
1マイル:1852m

船首を風に立てて:船は横から風を受けて漂流していると大きく揺れるし、ひっくり返ってしまうかもしれないので、正面から風をうける姿勢をキープしていないといけないのです。

一日ベッドでごろり:船に乗っているといくらでも寝ることができます(仕事がなければの話)

金比羅さん:船の神様である金刀比羅神社のお札に御神酒を捧げて船の安全を祈ること。

自主金比羅さん:自らにも御神酒を捧げて船の安全を祈ること。

S岡さん:JAMSTEC食堂でいつも昼食をご一緒している仲間、我々の航海に引き続きLeg.3でおしょろ丸に乗船なさいます。彼のこのコメントは、4月に膝が痛くて私が足を引きずっていたときのもの。なお、私は尿酸値高いけど彼は通風ではありません(念のため)

(詠み人知らず)


2016年6月24日 part1

  • 出航してから6日目、低気圧の影響で外は大荒れ。波は4m近くあり、船も大揺れ、私の船酔いもMAXです。次の観測点となるK2(北緯47度、東経160度)に向けて、海況が良くなることを願いつつ航行中。

  • 観測作業も無いため、本日は、全員で船の大掃除。新船ということもあり、船内はとてもきれいで快適です。写真は食堂。朝(7時半)、昼(11時)、晩(17時)一緒に食事を取ります。
    観測がない日は、ここで飲み会が催されます。一ヶ月近くも同じ釜の飯を食べると、航海が終わった後も、交流が続くこともよくあり、私自身、航海は知り合いを作る良い機会となっています。

(藤木)


海況
大掃除

2016年6月22日part2

  • 出航してから4日目、最初の観測点に到着。
    写真は、ニスキン採水器による海水試料のサンプリング風景。この観測では、採水器を船のウインチを使って、最大で約5200m深度まで下ろし、目的の深度の海水を採取します。その後、船上で海水試料を採水器から分析用ボトルに移します。多い時には、1本のニスキンボトルから10種類以上のボトルに分注します。

  • 本航海では、学生さんも多く乗船しており、JAMSTECの中野さん(右)と名古屋大学の三野先生(左)が最初にお手本を示しました。中野さんは、採水作業は1年のブランクがあると言っていましたが、さすがベテラン、ブランクも関係なく手際よく作業をこなしていました。

  • ちなみに、寒い野外での作業なので、腰痛持ちの私には辛い作業の1つです。。。

(藤木)


採水の様子1
採水の様子2

2016年6月22日 part1

  • 航海ブログ、第1回目は、研究航海の万年初心者、木元がお送りいたします。
    6月19日、14時ちょうどに船は豊海ふ頭岸壁を離れ、出航しました。関係者数人による地味な見送り、ありがとうございました!

  • 目指すは北西部北太平洋!今回の航海のタイトルは「北太平洋西部亜寒帯域における海洋構造、物質循環及びその生物生産への影響の解明」だそうです。平たく言えば、北太平洋の海流や渦の動きとか、それに関する生物の活動について様々な手法を用いて観測する、ということになりますか。
    約ひと月に渡る長い航海、怪我のないように、また新たな発見に向けて研究者全員で頑張っていきたいとおもいます!

  • さて今回、私たちはJAMSTECの船舶ではなく、北海道大学の観測船「おしょろ丸」に乗船させていただいています。このおしょろ丸は2年ほど前に新造されたそうで、総トン数は1600トンほど。初代から数えて5代目になるそうです。JAMSTECの研究者全員が初めての乗船となります。ほかにも東大、名古屋大の先生が乗船しています。

  • 今日は6月22日、出航してまる4日めなのですが、出航して以来、時化にともなう揺れがずっと続いています。さすがのkimopyもうつらうつらの半寝ぼけ状態が続いています。昨日は出航して以来もっとも揺れました。船体が20度ほど傾いたそうです。固定していなかった観測器具などの一部が机の上から落ちたりしましたが、大きな被害はなかったようで一安心。
    海況の関係で、最初の観測点であるKNOTの少し手前に新たな観測点を設け、観測をスタートすることといたしました。到着は本日16:00!

(kimopy)


出航の次の日、海が荒れないうちに係留系(海底から直立するように設置される観測機器)のワイヤーを船のウインチに巻きとる作業を行いました。5000mにもなるワイヤーを巻く作業は大変!