Chikyu Report
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BOPの着底に成功!2012年08月12日

昨夜、ライザー掘削で必須となる噴出防止装置(BOP)が、海底のウェルヘッド上に無事設置されました(BOPの解説は8月8日のエントリーを参考にしてください)。

これでライザー掘削の開始に向けて大きく一歩前進した感じです。BOPが海中へ降下されたのが8月7日。その後、各段階でのテストや確認作業を行いながらの作業でした。あれだけ大規模かつ複雑な装置の機能を一つずつ確認し、わずかな不具合にも粘り強く対応してくれた技術者の仕事ぶりに、研究者も感嘆しています。

潜航した無人探査機ROVの画像が海底付近まで降りたBOPを映し出してから、手があいている研究者はモニターの前に釘付けでした。しかしBOPの降下と一言で言っても、水深1200mの海底までパイプをつないだ先にある400トン近くの装置を、ピンポイントで狙った場所に降ろしていく作業です。装置の各所を、決して鮮明とは言えない画像で確認しながら、すこーしずつ動いては行き過ぎて、また戻って来てはやり直して、を辛抱強く繰り返すことになります。ラウンジに集まった研究者はコーヒーを淹れ、ポップコーンをレンジでチンしてモニターの前に陣取りました。


待望の瞬間を迎え興奮気味の研究者の皆さん


そして待望の、待ちに待った瞬間が訪れ、皆がやったー!と思った瞬間に・・・ROVの画像が途切れモニターは真っ暗に。テレビの前で呆然としてしまった我々とは別に、掘削チームの技術者たちは映像なしで作業を続け、しばらくして映像が回復したときには、無事にBOPの着底が確認されました。私たちは肝心な瞬間を見逃してしまいましたが、無事に作業が続いているとわかってほっと安心したのでした。


「やったー」と思った瞬間と(ROVの映像が途切れて)「オーマイガー」と叫んだ瞬間(笑)。その数分後、ROVのカメラは無事に復旧し、BOPが確実にウェルヘッドに設置されたことが確認されました


さて、作業の大きな関門を一つ越えて、ようやく研究サンプルを手にする日が近づいています。残念ながら、作業プランを変更する必要があったため、コア試料を手にするのはまだ先になってしまいましたが、掘削作業に伴って回収されるカッティングスとガスの試料は間もなく研究者のもとに届けられるはずです。船上で行う分析作業と、各自が持ち帰る試料の採取計画を練り直して待ち構えています。

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