次世代シーケンサーを活用した最先端DNA多型分析の手法の開発と遺伝的多様性調査

実施年度

2013

タイトル

次世代シーケンサーを活用した最先端DNA多型分析の手法の開発と遺伝的多様性調査

課題・テーマ

課題1 漁場環境の変化プロセスの解明
代表機関:東北大学
テーマ2 宮城県沿岸域における生態系保全調査
代表者吾妻 行雄
所属機関東北大学
所属部署大学院農学研究科

調査内容

調査期間(調査頻度)
2013/08/01 - 2014/03/31
調査地域・海域
仙台湾、日本沿岸
調査種別
その他
調査概要
次世代シーケンサーIonTorrentPGMを用いて、ゲノム規模で遺伝的多様性を評価するための方法論を確立する。東北地方の水産重要種であるマコガレイPseudopleuronectes yokohamaeをモデル生物として、本種の地理的・時間的遺伝的変異性とその変化を評価する。

調査実施内容

調査結果
(1)マコガレイの全ゲノム配列解読 マコガレイの本来のゲノム量の約33.4倍に相当する(33.4×カバレッジ)約22.41 Gbp(約224億塩基対)のゲノム配列を解読した。得られた約2億本のリード配列をde novo assemblyにより計525,502本のコンティグ配列に連結した(N50 = 1,994)。一方、極端に短いあるいは繰り返し配列を含むことなどが原因で連結することのできなかったリード配列は約1,100万本であった。 (2)RAD-SeqによるマコガレイゲノムのSNPタイピング 各個体から約100?200万本のリードを得、前述のマコガレイゲノムの525,502本のコンティグ配列にマッピングした。その結果、計440のSNP座がすべての個体に共通して認められ、それらについてジェノタイプすることができた。 (3)マコガレイゲノムを用いたマイクロサテライトDNAマーカーの開発 前述のマコガレイゲノムのうち、連結できなかった約1,100万本のリード配列中に見つかったマイクロサテライトDNAに対し、合計で約33万のプライマーペアをコンピュータ上で設計した。そのうち任意の96ペアについて、PCRによる増幅の可否、多型性の有無、およびタイピングのし易さを基準としてスクリーニングを行い、計18座を選定した。女川湾で採集された40?45個体のマコガレイのジェノタイプを行ったところ、選定した18座で認められた対立遺伝子の数は2?25個、平均ヘテロ接合度の期待値は0.04395?0.94557、観察値は0?0.88889であった。これらのことらから、座によって多型性にばらつきはあるものの、ゲノム情報を利用して、本種の集団遺伝学的解析に用いることのできるマイクロサテライトを開発することができた。 今後は得られたマイクロサテライトマーカーを用いて、震災の影響を受けたと考えられる仙台湾を含む日本全国の沿岸から採集したマコガレイ標本約1500個体を分析し、遺伝的多様性を精査する予定である。

調査項目と取得データ

調査項目取得データ・サンプル
遺伝的多様性調査のための方法論の確立-
DNA分析遺伝情報

関連情報

実施(調査)窓口担当者

担当者名峰岸 有紀
所属機関東北大学
所属部署大学院農学研究科

データ・サンプルに関する問合せ先

担当者名池田 実
所属機関東北大学
所属部署農学研究科沿岸生物生産システム学分野

キーワード

実施年度2013
機関東北大学
調査種別その他
海域区分石巻湾
分野海洋生物・生態系 -> 対象生物:魚類
海洋生物・生態系 -> その他