雄勝湾におけるホタテガイ養殖の環境収容力

実施年度

2013

タイトル

雄勝湾におけるホタテガイ養殖の環境収容力

課題・テーマ

課題1 漁場環境の変化プロセスの解明
代表機関:東北大学
テーマ4 宮城県沿岸域における増養殖環境調査と水産増養殖技術の開発
代表者尾定 誠
所属機関東北大学
所属部署大学院農学研究科

調査内容

調査期間(調査頻度)
2013/12/01 - 2013/12/31
年1回
調査地域・海域
雄勝湾の2定点
調査種別
フィールド調査
調査概要
雄勝湾の2定点に垂下養殖されているホタテガイを上層・下層に分けて、貝殻と軟体部の各部位の大きさ・重量・重量比を調べ、震災前との比較から成育状況を評価する。今年度の雄勝湾全体のホタテガイ養殖施設と垂下ホタテガイの復旧状況並びに生産量から割り出した、1連あたりの生産量からも成育状況を評価する。養殖環境として低次生産を担う植物プランクトン現存量をクロロフィルaとして評価し、垂下養殖期間中の湾全体としての餌料環境の評価を試み、餌料環境と成育状況評価から環境収容量を検討する。

調査実施内容

調査地域・海域の座標一覧
位置情報(点)
名称St 1
座標値38.487232,141.496177
名称St 2
座標値38.504135,141.510554
調査地点図・航跡図・座標リスト
調査結果
雄勝湾のホタテガイ養殖施設は震災前の約40%に戻り、ホタテガイ養殖生産量は震災前の平成22年の約70%に回復して来た。生産性を耳吊り養殖1連当たりに換算すると、31kg/連と震災前の20kg/連以下に比べ高い生産性が認められた。今年度の調査期間の雄勝湾のクルルフィルa濃度は0.3~15.0μg/Lで例年と餌料環境に大きな違いはなかった。貝殻成長は震災前のような深所での小型化は認められず、閉殻筋指数(軟体部に占める閉殻筋重量パーセント)も上層下層とも35と震災前の30よりかなり高い数値を示した。これらの結果は、雄勝湾の餌料環境に対して、養殖ホタテガイが十分な摂餌が保障されていることを示唆し、環境収容力に余裕があると推察された。

調査項目と取得データ

調査項目取得データ・サンプル
ホタテガイの貝殻成長比較2定点のホタテガイの深度ごとの貝殻サイズ
ホタテガイの軟体部各部位の成育比較2定点のホタテガイの深度ごとの軟体部の各部位の重量と重量比
餌料環境調査クロロフィルa
雄勝湾のホタテガイ養殖の生産性雄勝湾のホタテガイ養殖生産量・施設数データ

関連情報

実施(調査)窓口担当者

担当者名尾定 誠
所属機関東北大学
所属部署大学院農学研究科

キーワード

実施年度2013
機関東北大学
調査種別フィールド調査
海域区分三陸南部
分野海洋環境 -> 植物色素
海洋生物・生態系 -> 生理
海洋生物・生態系 -> 対象生物:軟体動物
海洋生物・生態系 -> 対象生物:プランクトン