小型ROV「クラムボン」を用いた海底瓦礫および生態系調査

実施年度

2015

タイトル

小型ROV「クラムボン」を用いた海底瓦礫および生態系調査

課題・テーマ

課題3 沖合底層生態系の変動メカニズムの解明
代表機関:海洋研究開発機構
テーマ1 底層生態系変動解析並び環境影響評価
代表者藤原 義弘
所属機関海洋研究開発機構
所属部署東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム

調査内容

調査期間(調査頻度)
2015/11/09 - 2015/11/23
7潜航
調査地域・海域
東北沖太平洋
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調査種別
調査航海
調査概要
本研究の目的は、震災後の沖合生態系の現状把握、特に津波瓦礫が与える影響を評価するとともに、震災前後での生物多様性の比較を、遺伝子レベルで実施することである。加えて調査海域において様々な食性,栄養段階の生物を採集して、津波によって陸上より流出した有害物質が海洋生物および環境にどのように蓄積しているのかを明らかにする。またこの海域では海洋調査に必須の精密な海底地形図が震災後に作成されていないことから、本船搭載のマルチビーム音響測深機を用いた海底地形調査を実施する。

調査実施内容

調査結果
2015年11月9日から23日にかけ,ROV「クラムボン」を用いた潜航調査(計7潜航)を実施した.CRB17潜航では南三陸町沖水深300m海域において,底生生物のマッピング(主にクモヒトデ類)を海底マッピングカメラを用いて実施し,計4157枚の写真を撮影した.CRB18潜航では大槌沖,水深300m地点で音響特異点を対象とした調査を実施した.その結果,水深286mで大型の沈船を発見した.CRB19,20,22潜航は仙台湾沖,海底崖基部の瓦礫の密集が漁業者により報告されている海域(水深400-500m)で実施した.この海域では小規模な瓦礫の密集を観察したが,大規模なものは発見できなかった.CRB21潜航では,久慈沖水深900m付近の音響特異点を対象として調査を実施した.水深882mにおいて再び大型の沈船を発見した.今回発見した沈船はいずれも東北沖大震災以前のものである可能性が高かった.CRB23潜航を南相馬沖水深300m海域で実施した.この海域は漁獲圧の低い場所として選定した.調査の結果,マダラの個体数が宮城沖や岩手沖に比べて多く,体サイズは小型であることが判明した.

調査項目と取得データ

調査項目取得データ・サンプル
ROV潜航調査海底映像データ
ROV潜航調査CTD/DO
ROV潜航調査海底マッピングカメラで撮影した静止画(デジタルスティル写真)
ROV潜航調査ハイビジョン動画
マルチプルコアラー堆積物

関連情報

実施(調査)窓口担当者

担当者名藤原 義弘
所属機関海洋研究開発機構
所属部署東日本海洋生態系変動解析プロジェクトチーム

キーワード

実施年度2015
機関海洋研究開発機構
調査種別調査航海
海域区分三陸南部
三陸北部
常磐北部
分野海洋物理 -> 水温
海洋物理 -> 塩分
海洋物理 -> 海流・潮流(流向・流速)
海洋化学 -> 溶存酸素
海洋環境 -> その他
海洋生物・生態系 -> その他
地形・地質・地球物理 -> 水深
地形・地質・地球物理 -> 地形
地形・地質・地球物理 -> 堆積物