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音波による構造探査における海洋哺乳類への影響緩和ガイドライン 更新日:2013.11.26

独立行政法人海洋研究開発機構(以下「機構」という。)は、海洋の生態系や生物多様性の重要性を認識し、クジラ等の海洋哺乳類が棲息する海域で機構の船舶が音波による構造探査(マルチチャンネル反射法(MCS)、シングルチャンネル反射法(SCS)、海底地震計(OBS)による屈折法探査等。以下「探査」という。)を実施するにあたり、その影響を最小限に抑えることを目的として、以下のガイドラインに従うこととする。

  1. 航海開始前に可能な限り、探査海域における海洋哺乳類の棲息状況を机上調査する。特に哺乳類の種類と重要活動(例えば移動・繁殖・出産など)の時期について把握に努め、必要に応じ実施時期を考慮する。
  2. 航海開始前に、当該沿岸国の海洋哺乳類に関するガイドラインを調査し、もし抵触する場合は、当該沿岸国のガイドラインに従い、適宜、以下の3項に規定する影響緩和策を見直す。また、可能な限り、探査に携わる乗組員及び研究者等に対して海洋哺乳類についての教育を行う。
  3. 機構船舶の探査が、当該沿岸国の海洋哺乳類に関するガイドラインに抵触しない場合は、以下の影響緩和策とする。
    1. 監視者(ブリッジ等にて海洋哺乳類を監視する者)を配置し、発振を開始する30分前に、海洋哺乳類が音源から※事前に定める範囲(以下「警戒域」とする)にいないことを可能な限り確認する。
      • 事前に定める範囲:使用する音源により範囲を設定する。
    2. 複数の音源を用いる場合、各測線の開始時または60分以上発振を中断した際の発振はソフトスタート(発振を最初に最も低いレベルで起動して徐々に最大まで上げていく手法)によって、時間をかけて行う。また、ソフトスタートの実施方法・パラメータ(実施場所・時間・発振間隔など)については記録する。音源1台のみを用いる場合はソフトスタートを行えないため、通常通りの発振方法とする。ただし、パラメータについては記録する。
    3. 探査中に海洋哺乳類を警戒域内で視認した場合にはただちに発振を停止する。その後、60分間は発振を行わない。以後はb)の手順に従う。
  4. 探査中は可能な限り、監視者が目撃した海洋哺乳類を記録する。また、探査終了後は、その監視結果や実施した緩和策の記録について保管する。

平成25年11月26日
独立行政法人海洋研究開発機構