2013年 10月 17日
独立行政法人海洋研究開発機構
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平朝彦)の地球環境変動領域は、毎年「地球環境シリーズ」として講演会を開催しております。 この度、第10回目となる講演会を下記のとおり開催しますので、お知らせいたします。本年の講演会では、「地球環境はどう変わったのか?ーCO2高濃度時代への警鐘ー」と題し、放出されたCO2がどのように大気、海洋、陸域に滞留し蓄積されるのか、また滞留や蓄積による気温、海水温の上昇、海洋への熱の蓄積や海洋酸性化、陸上植生(炭素量)の変化を中心に解説し、台風の大型化や豪雨豪雪など、温暖化とともに発生頻度が増えている極端現象についても解説します。
記
1. | 日 時 | : | 平成25年11月25日(月)13:00~17:30(開場12:30) |
2. | 会 場 | : | ヤクルトホール(別添1) |
3. | 入 場 | : | 無料(事前登録制) |
4. | 主 催 | : | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
5. | 後 援 | : | 文部科学省 |
6. | 司 会 | : | 広井禎氏(日本物理教育学会評議員 元・筑波大学附属高等学校副校長) |
7. | プログラムおよび講演要旨:別紙1、別紙2 | ||
8. | 申 込 | : |
以下のホームページよりお申し込みいただくか、講演会事務局までご連絡ください。 講演会Webサイト:http://www.jamstec.go.jp/rigc/j/sympo/2013/ 事務局:海洋研究開発機構 研究支援部 Tel:046-867-9458 Fax:046-867-9372 E-mail:rigc-sympo2013@jamstec.go.jp (報道関係の方) 報道関係の方については、会場スペースの関係上、事前に参加者数、テレビカメラの有無等についてお知らせください。 なお、社章(腕章)・社員証を忘れずに持参してください。 取材申込締切:11/18(月)17時まで 取材の申し込み・問い合わせ先: 独立行政法人海洋研究開発機構 広報部 報道課TEL:046-867-9198 申し込み:メール メール:press@jamstec.go.jp |
別紙1
プログラム
時間 | 演題 | 講演者 |
---|---|---|
13:00-13:05 | 開会の辞 | 海洋研究開発機構 理事長 平朝彦 |
13:05-13:30 | 趣旨説明 司会者紹介 -講演会の聴きどころ- |
地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 古海洋環境研究チーム チームリーダー 原田尚美 広井禎(日本物理教育学会評議員) |
13:30-14:00 | これまでの大気中CO2濃度の変動とその要因 | 地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 大気物質循環研究チーム 主任研究員 宮崎和幸 |
14:00-14:30 | 海水温と海面水位の長期変化 | 地球環境変動領域 海洋環境変動研究プログラム 海洋データ同化研究チーム チームリーダー 増田周平 |
14:30-15:00 | 海に貯まるCO2 -その仕組みと蓄積量- |
地球環境変動領域 海洋環境変動研究プログラム 海洋循環研究チーム チームリーダー 村田昌彦 |
15:00-15:30 | 休憩・ポスター発表(地球環境変動領域の各プログラムから最新の研究成果を発表) | |
15:30-16:00 | CO2などの温室効果ガスの変動に対する陸上生態系の関わり合い | 地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 陸域生態系研究チーム チームリーダー 鈴木力英 |
16:00-16:30 | 温室効果ガスの増大による極端現象の変化 | 地球環境変動領域 次世代モデル研究プログラム プログラムディレクター 木村富士男 |
16:35-17:25 | パネルディスカッション | 進行役:広井禎(日本物理教育学会評議員) パネリスト:宮原ひろ子(武蔵野美術大学講師)、井上麻夕里(東京大学大気海洋研究所助教)、 中山由美(朝日新聞特別報道部記者)、講演者 |
17:25-17:30 | 閉会の辞 | 海洋研究開発機構 理事 白山義久 |
別紙2
講演要旨
講演者 | 講演タイトル・要旨 |
宮崎 和幸 地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 大気物質循環研究チーム 主任研究員 |
「これまでの大気中CO2濃度の変動とその要因」 1958年にハワイ・マウナロアでの大気中CO2濃度観測が開始されて以来、CO2濃度の増加および地球環境に対する人間活動の影響が強く懸念されています。化石燃料の燃焼などによる直接的な影響だけではなく、自然界に存在する大気と陸上生物間および大気と海洋間のCO2交換過程に対しても人間活動の影響が及んでいる可能性が指摘されています。これまでに観測されている大気中CO2濃度変動とその要因について解説します。 |
増田 周平 地球環境変動領域 海洋環境変動研究プログラム 海洋データ同化研究チーム チームリーダー |
「海水温と海面水位の長期変化」 全球的に平均した海洋の水温は、数年から数十年の時間スケールを持つ海洋・大気の変動や地球温暖化の影響など、様々な要因が重なり合って変化しています。 海水温の変化は海水の膨張・収縮を伴い、海面水位を変化させます。1993-2003年の十年間での変化をみると、平均海水温は上昇しており、それに伴う海面水位の上昇は陸上氷の融解に伴うそれに匹敵していたことが指摘されています。 人間社会に直接・間接的に大きな影響を持つ海面水位や海水温の変化の様子を近年の海洋観測結果などを踏まえて解説します。 |
村田 昌彦 地球環境変動領域 海洋環境変動研究プログラム 海洋循環研究チーム チームリーダー |
「海に貯まるCO2-その仕組みと蓄積量-」 海は自然の働きとして、表面で取り込んだCO2をより深いところに送り込む仕組みを持っています。これによって大気中のCO2濃度の上昇が抑えられ、結果として温暖化の進行も弱められています。今、地球はCO2高濃度時代を迎えつつあります。この地球環境の変化で、海がCO2を貯め込む仕組みはどうなってきているのでしょうか。また、実際にどれほどCO2は海に貯まっているのでしょうか。これらの点について、最新の観測結果を基に紹介します。 |
鈴木 力英 地球環境変動領域 物質循環研究プログラム 陸域生態系研究チーム チームリーダー |
「CO2などの温室効果ガスの変動に対する陸上生態系の関わり合い」 地球温暖化をもたらしている主要因は,CO2などの温室効果ガスの大気中での増加であることが指摘されています。その温室効果ガスに強く関わるのが陸上の生態系です。植物は光合成や呼吸によって陸上と大気との間のCO2の交換をするほか,バイオマスとして炭素を地上に固定します。また,土壌中に含まれる有機炭素は,酸化や生化学反応を経て,CO2やメタンとして大気中に放出され,温暖化を加速する可能性があります。このような陸上を広く覆う生態系の実態について,最新の研究成果を交えて解説します。 |
木村 富士男 地球環境変動領域 次世代モデル研究プログラム プログラムディレクター |
「温室効果ガスの増大による極端現象の変化」 地球温暖化が進むと豪雨、暴風あるいは猛暑の頻度が増大するとされています。 平均気温が上昇しますから猛暑の増加は当然としても、豪雨や暴風が増えるのはなぜでしょうか?気象の刻々の変化には「カオス」があり、豪雨や暴風の正確な予報には原理的に限界があります。また極端現象は発生頻度が少ないので、過去の観測からの推測も簡単ではありません。困難の多い極端現象の将来予測の方法とその考え方について解説します。 |
別添1
会場地図
ヤクルトホール