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プレスリリース

2015年 1月 23日
独立行政法人海洋研究開発機構

国際深海科学掘削計画(IODP)第354次研究航海の開始について
~ベンガル海底扇状地掘削によるヒマラヤ造山運動と気候変化の関連性の解明~

この度、国際深海科学掘削計画(IODP: International Ocean Discovery Program)(※1)の一環として、「ベンガル海底扇状地掘削によるヒマラヤ造山運動と気候変化の関連性の解明」(別紙参照)を実施するため、米国が提供するジョイデス・レゾリューション号(※2)の研究航海が1月29日から開始されます。

本研究航海では、ベンガル湾全域に広く分布するベンガル海底扇状地の中央部6地点を掘削し、コア試料の回収・分析を行うことでヒマラヤ造山運動と気候変化の関連性を明らかにするため、日本から4名が参加するほか、米国、欧州、中国、韓国、オーストラリア、インド、ブラジルからも含め、計30名の研究者が参加する予定です。

※1 国際深海科学掘削計画(IODP: International Ocean Discovery Program)

平成25年(2013年)10月から始動した多国間国際協力プロジェクト。現在、日本、米国、欧州(18カ国)、中国、韓国、豪州、インド、NZ 、ブラジルの26ヶ国が参加。日本が運航する地球深部探査船「ちきゅう」と、米国が運航する掘削船ジョイデス・レゾリューション号を主力掘削船とし、欧州が提供する特定任務掘削船を加えた複数の掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明を目的とした研究を行う。

※2 ジョイデス・レゾリューション号(右写真)

米国が提供するノンライザー掘削船。我が国が提供する地球深部探査船「ちきゅう」と比べて浅部の掘削を多数行う役割を担う。

別紙

ベンガル海底扇状地掘削によるヒマラヤ造山運動と気候変化の関連性の解明

1.日程(現地時間)

平成27年1月29日
シンガポールにて乗船(準備ができ次第出港)
ベンガル湾にて掘削
平成27年3月31日
コロンボ(スリランカ)に入港

なお、気象条件や調査の進捗状況等によって変更の場合があります。

2.日本から参加する研究者

氏名 所属/役職 担当研究分野
中嶋 新 山口大学/大学院生(修士課程) 物理特性
吉田孝紀 信州大学/准教授 堆積学
Swostik K. Adhikari 島根大学/大学院生(博士課程) 堆積学
Babu R. Gyawali 東北大学/大学院生(博士課程) 古生物学(石灰質ナノ化石)

3.研究の背景・目的

ヒマラヤ山脈は、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突し隆起したことで形成された山脈で、現在も造山運動が続いている新しい造山帯です。ヒマラヤ山脈やチベット高原はそれらの形成によってアジアモンスーンが発達するなど、地球環境に大きな影響を与えています。一方、インド洋北部ベンガル湾にはヒマラヤ山脈が発達し浸食されることで大量の土砂が供給され、乱泥流によって広域的に堆積することで、長さ数千kmにも及ぶベンガル海底扇状地が発達しています。そのため、ベンガル海底扇状地を形成する堆積物を調べることで、ヒマラヤ山脈の造山運動の歴史やこの地域の過去の気候の変化を明らかにすることができます。また、ヒマラヤ山脈の形成とアジアモンスーンの発達との関連性の解明にも寄与します。

本研究航海では、ベンガル湾の南部(ベンガル海底扇状地中央部)において6つのサイト(図1、表1)を掘削しコア試料の採取を行います。これにより、(1)ヒマラヤ山脈及びチベット高原の地形発達の歴史、そして(2)ヒマラヤ山脈やチベット高原の形成により発達したと考えられるアジアモンスーンの発達史を明らかにすることを目的としています。

図1
図1 本航海の掘削予定地点(赤丸:MBF-1A~6A)
表1 掘削予定地点の概要(掘削順)
掘削サイト 水深 掘削予定深度 掘削作業日数
MBF-3A 3,618m 1,500m 21日
MBF-6A 3,665m 300m 3日
MBF-2A 3,671m 900m 10日
MBF-5A 3,685m 300m 3日
MBF-4A 3,694m 300m 3日
MBF-1A 3,745m 900m 10日
独立行政法人海洋研究開発機構
(研究航海について)
研究推進部 研究推進第1課 梅津 慶太
(報道担当)
広報部 報道課長 菊地 一成
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