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YK04-07 「しんかい6500」潜航調査 7月7日〜8月8日
6月末週報

 


出航3日目、乗船研究チームの船酔いも和らいだ頃、
船内では本航をともに過ごし、支えていただく乗組員の方々ならびに
しんかい6500運航チームのみなさんに本調査の科学目的とその背景について
簡単な講演会を開きました。

海野教授
静岡大学の海野教授

初めに、首席研究員を務める静岡大学の海野教授により、
「本航で目指すもの」と題し、これまでの中央海嶺研究を通じて
解明されてきた海洋地殻生成の仕組みを解説するとともに、
この海域を特に対象として選んだ理由などについての概略が話されました。
特に、かつての中央海嶺では海嶺軸のごく限られた範囲でのみ
火山活動が生じて、海洋地殻を生成するという従来の考え方へ
多くの反証があがりつつある現状に触れ、
その重要な例が今回の海域に含まれていることを示しました。
それらの知見を得た重要な2つの航海については
引き続き、乗船研究者のテキサスA&M大学、Hilde教授
ハワイ大学、Sinton教授から詳しく解説されることとして
バトンを渡しました。

Hilde教授
テキサスA&M大学、Hilde教授(阪神ファン?)

続いて、Hilde教授から
曳航型サイドスキャンソナー[TAMU]2の成果、と題し、
テキサスA&M大学にて開発された[TAMU]2(タム・スクェア)と呼ばれる
曳航型のソナーシステムについて、システムの概要と
それによる本航調査対象海域の南半分である南緯13〜19度付近での
海底地形の特徴を解説しました。特に、乗船研究者でもある
産総研地調の岸本博士らの処理による立体画像は聴講の方々に強い印象を
与えたようでした。岸本博士からは、ソナー画像で識別されるような
個々の海底地形を有人潜水艇で直接観察し、また、
潜水艇装着型の海底面近くでのソナー画像を仲立ちにして
理解することの重要性が補足されました。

Sinton教授
ハワイ大学、Sinton教授

最後に、Sinton教授からは本航の対象海域の北半分、南緯9度付近にて
発見された巨大な溶岩流についての紹介がありました。これは面積が
200平方キロを超える巨大なもので、人類が経験した最大の溶岩流出に
匹敵するものです。このような巨大な溶岩流が、海嶺軸から
離れたところから流出しているように海底地形からは推定されること、
しかしながらドレッジ法により採取された岩石からは非常に幅広い
化学組成が得られており、何回かの噴出を繰り返した結果、
巨大な流れに成長した可能性も考えられること、などから
有人潜水艇による直接観察がいかに重要であるかを解説しました。
1時間に満たない短い講演会でしたが
乗船研究者の目標を充分に理解いただけたかと思います。

 
 
 
 
 

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