ロゴマーク
NIRAI・KANAI
NIRAI・KANAIについて目的航海概要参加メンバーログブック
   
YK04-07「しんかい6500」潜航調査 7月7日〜8月8日
YK04-07行動速報

 

本航海の目的は海底に連なる大火山山脈である中央海嶺付近に発見された巨大な溶岩流地形の調査です。
音波探査、船上からの岩石採取などで、南緯8度付近に面積220平方キロ以上も広がる平坦な地形が巨大な溶岩流であると推定されていました。また、南緯14度付近の海嶺軸近くに限られた地形調査でも同様の地形が一部確認されていました。

今回は有人潜水艇しんかい6500での潜航調査と母船よこすかによる地形の音波探査とを組み合わせることでこの正体を明らかにすることを狙いました。
残念ながら天候・海況の制約で、潜航調査は南緯14度海域に限られてしまいましたが、音波を強く反射する平坦な地形が確かに溶岩流であること、周囲に比べて格段と堆積物が少なく新しい地形であること、その広がりは少なく見積もっても320平方キロ以上、体積としては20立方キロ以上に及ぶことが明らかとなりました。これは、海底溶岩流としての記録を塗り替えたこととなります。この巨大さは陸上の火山では最大級に相当します。いわゆる洪水玄武岩と呼ばれるものには及びませんが、近年の大きな噴火として、雲仙普賢岳の平成噴火と比較すれば100倍、ハワイ島で20年以上流れ続けているプオオ溶岩の10倍にもなります。広がりとしては富士山そのものにも相当し、山手線で囲まれる範囲の倍以上の面積を、超高層ビル以外が隠れてしまうような100m以上の厚さで埋め尽くすほどの大きさです。体積で言えば、東京ドーム10万杯にも相当します。

 今後は、潜水艇にて採取した試料、母船で得られたデータほかの分析をすすめ、溶岩流がどこからどのようにどれほどの時間を掛けて噴出したのか、その活動の間に溶岩の性質に変化があったのかどうか、海嶺軸で噴出している溶岩とは違いがあるのかどうか、などについて研究を進めていく予定です。


図:今回の調査で得られた海底地形図。
溶岩流の範囲がオレンジ色で塗られている。
 右下の囲いには東京23区周辺の地図を示し、ピンク色で示された縦長の図形が山手線を表している。

 


YK04-07「しんかい6500」潜航調査航海終了の集合写真

 
 
 
 
 

|HOME|

Copyright 2004 JAMSTEC All Rights Reserved.

アドレス