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MR23-05 Leg2「西部北太平洋域における大気・海洋・生態系変動の学際的研究」みらい観測航海日誌
2023年8月3日
海洋大の大井、鈴木です。
今日は、機関長に機関室ツアーをしていただきました!
まずは機関室。ここでは船速や生活用水の残量・発電機の電圧など、船にまつわる様々な数値を見ることができます。みらいはおよそ11ノットで航行していますが、本気を出せば14ノットで走れるそうです。また、みらいには2種類の造水装置がありますが、そろそろ水が足りなくなってくるので(みらいで1日に消費する水の量はおよそ30トン前後!)、2つめの造水装置を動かし始めるようです。
ワークショップでは、船の様々な部品や設備を修理していました。観測中に困ったことがおきたときは、操機長に相談したら良いアイディアがいただけるかも、、?
続いて、頂いた耳栓をつけてエンジンルームへ。船を動かす心臓部分は、大音量・高温で大迫力!ここで、日々エンジンを動かす船員さんの大変さを実感しました。
さらに、ピストンコアを降ろすためのワイヤが格納されているウィンチ室。日々の観測に欠かせない大きなウィンチが3つあるほか、サイドスラスタのモーター部分も見ることができました。(みらいには3つのサイドスラスタがあり、定点観測を支えています)
最後に操舵機室。ここは船の舵取りをする大切な場所です。
普段は入れないところにも入ることができ、非常に勉強になりました。ありがとうございました!
(大井、鈴木)
ワークショップ
2023年8月1日
みらい初乗船です。
初めて見ること経験することばかりで新鮮な毎日です。
船内での自由な時間、皆さんどんなことをして過ごしているのでしょうか。
みらいの船内にはトレーニング室があります。
写真のようにランニングマシーン、エアロバイク、ダンベルなどが用意されています。
夕食の後に利用していますが、ゆら〜っと揺れる船内でのウエイトトレーニングは陸上より体幹が鍛えられるような気がします。
(久保)
みらいトレーニング室
2023年7月29日〜31日
さて!今回は堆積物班からのブログ更新です。
航海は序盤の5日間が終わり、計画していた下北沖での堆積物のサンプリングが終了しました。
海底には長い年月をかけてゆっくりと堆積物が降り積もり地層を形成しています。
我々の研究目的は海底下の地層を遡って、堆積物に記録された過去の海洋環境や気候の変動を調査することです。
そのためにピストンコアラ―と呼ばれる円筒状の採泥器を用いて堆積物を掘り抜く「コアリング」と呼ばれるサンプリングを実施しました(図1)。
では、堆積物サンプリングの様子を見てみましょう~
図1.採取された海底堆積物
1.音波による海底調査
海洋地球研究船“みらい”に搭載されている音波探査装置(サブボトムプロファイラー / 通称:SBP)を使って海底の地形や海底下の内部構造を調査し、お目当ての堆積物が採取できそうな地点を決定しました。
SBPは船体から海底に向けて音波を発信し、海底面や地層の境界面(堆積物の構成物質や密度などが変化する境界)から反射された音波を受信、その場で図化することで海底下の様子を可視化できるすぐれものです(図2)。
ただし、探査中は船内に「チュン…チュン…」という音が鳴り響くという欠点(?)が、、、
今回のSBPはサンプリング日の早朝に実施。この音で飛び起きてしまった学生がいるとかいないとか。
図2.SBPによる海底下地形の探査の模式図
2.ピストンコアラ―による堆積物サンプリング
決定した地点の直上に船を移動させ、いざコアリング。
今回使用したのは長さ20メートル・口径約8センチのピストンコアラ―(図3)。
一見単純な構造をしていますが、先人たちの知恵が結集した画期的な採泥システムです。
みらいの船尾に設置された巨大なクレーンから海中に投入します(図4)。
残念ながら海中での様子を見ることはできませんが、図5のような仕組みで堆積物を回収します。
船上ではワイヤーにかかるテンションをモニターしながら、コアラ―が着底するタイミングを判断して、船上へ引き揚げます(図6)。
揚収の様子(図7)。
図3.投入を待つ2機のピストンコアラ―
図4.ピストンコアラ―の投入
図5.ピストンコアリングシステムの概要
図6.テンションメーターにて着底を確認
図7.揚収されるピストンコアラ―
2023年7月24日
雲一つない夏空の下、7月27日に清水から出航予定のMR23-05 レグ2に向け、JAMSTEC 横須賀本部にて観測機材の荷出しが行われました。
機材は、ボックスパレットと呼ばれる金属製の容器に研究者ごとに綺麗にまとめられています(今回は約30個)。これらの荷物を油圧式のハンドリフターという装置や、フォークリフトを使って次々に大型トラックの荷台に載せていきます。そして大型トラック4台分の荷物が清水に向けて送り出されました。
(橋岡)