浮遊性有孔虫データベース

ハスティゲリナ・ペラジカ Hastigerina pelagica (d'Orbigny), 1839

ハスティゲリナ・ペラジカ(Hastigerina pelagica)

分類

肉質虫亜門 - 根足虫綱 - 有孔虫目 - グロビゲリナ上科 - ハスティゲリナ科 - ハスティゲリナ属

時代

現生

特徴 

熱帯~温帯種。殻は大型。殻表面から突出する刺状突起の長さを含めると、全長は数ミリ-1センチメートルほどに達する。半透明で薄い殻を形成し、殻表面には微小な壁孔(ポア)が存在する。刺状突起の断面は、3枚の板が接合した「矢羽根」状の形態をしている。


サンプリング情報

産地:26°36.4'N, 127°51.9'E
採取日:2003年12月2日 10:00AM


生きている姿

東シナ海から採取された個体です。放射状に広がるスパイン(棘状突起)と、殻の周囲に風船のような泡膜を展開して浮遊します。泡膜を形成する浮遊性有孔虫は現生種ではこのH. pelagicaだけです。この泡膜は細胞質そのもので、展開したり殻内に収納したりすることで浮遊深度を調整していると考えられます。生体は健康な個体であっても、他の浮遊性有孔虫と比べて細胞質の色がやや白っぽいことが多いようです。

ハスティゲリナ・ペラジカ(Hastigerina pelagica)
ハスティゲリナ・ペラジカ(Hastigerina pelagica)

電子顕微鏡写真

スケール:100μm

スケール:5μm
ハスティゲリナ・ペラジカ(Hastigerina pelagica)表面構造の拡大
表面構造の拡大


コラム 豆知識など

H. pelagicaは二次石灰化層を形成しないため、非常に殻が薄く壊れやすく堆積物中にはほとんど保存されません。泡膜をつけて浮遊する姿は大変美しく、ずっと見ていたくなります。筆者はドイツの浮遊性有孔虫の研究者であるHemleben博士から、この種が有性生殖をする瞬間のビデオ映像を見せてもらったことがありますが、そのまるで爆発的な遊走子(生殖細胞)の放出に大変衝撃を受けました。