北半球寒冷圏では北極海での海氷の激減やシベリア域での地温上昇と湿潤化など、温暖化による影響と思われる事態が急激に且つ確実に進行している。これらの原因を究明すると同時に行わなければならない危急のテーマは、寒冷圏の環境変化が我々が住む日本や世界各地の気候にどのような影響を及ぼすかを知り、理解し、予測に貢献することである。
本研究では、本研究プログラムにおいて得られる北極海やアジア地域を中心とした北半球寒冷圏での観測結果をもとに、高緯度における大気場の力学・熱力学構造の実態を把握し、寒冷圏の降水変動に関わる総観規模擾乱の発生・発達・維持過程を熱・水収支の観点から明らかにする。そして更に、寒冷圏変動を海洋-雪氷-大気-陸域からなる気候システムとして捉え、その相互作用に着目し、統合的解析研究、数値実験及びデータ同化研究などから、寒冷圏の環境変動が引き起こす大気循環変動と中高緯度機構への影響評価を行う。
北極異変は今後も続く可能性が高い。研究実施中にも日本をはじめとして世界の気候への影響が懸念される。研究年度内に起こる北極異変の日本や世界の気候への影響の可能性についてリアルタイムでの気候環境の監視と診断を実施する。
構成メンバー
猪上 淳 (チームリーダー: 招聘主任研究員)
堀 正岳 (研究員)
大島和裕(研究員)
飯島慈裕 (主任研究員:兼務)
川合義美 (主任研究員:兼務)
立花義裕 (招聘研究員)
佐藤和敏 (研究生)
三井 拓 (研究生)
鳥羽瀬 世宇 (研究生)
プレスリリース
2013年3月7日:北極海上の高層観測で中高緯度の大気循環の再現性が向上―観測データ空白域での海洋地球研究船「みらい」によるデータの役割―
2012年5月31日:海氷減少で北極海の下層雲が減少
2012年2月1日:バレンツ海の海氷減少がもたらす北極温暖化と大陸寒冷化-日本の冬の寒さを説明する新たな知見-
2011年6月28日:北極海で発生・発達する低気圧の観測に成功
2011年2月10日:日本および東アジアに強い寒波をもたらすバレンツ・カラ海上の大気循環とユーラシア大陸上の寒気蓄積メカニズムの実態解明〜冬将軍のふるさとを突き止めた!〜
2009年4月2日:北極海の海氷激減で温暖化監視の精度が低下〜氷上気象ブイ観測網の縮小による影響〜

















