プロジェクト概要

〜海洋鉱物資源開発と海洋環境が調和する社会実装に向けて〜

Society5.0と脱炭素社会を達成するには、SDGsを実現する海洋鉱物資源の開発と海洋環境の保護という持続可能な取り組みが必要です。こうした取り組みは、日本の海洋安全保障と国際的影響力の強化にも寄与します。

ミッション

1. 国産レアアース・サプライチェーン検討

レアアースの安定供給に対する貢献を目指し、南鳥島海域でのレアアース泥採鉱と選鉱・製錬・精製の実証試験を最終年度までに完了する予定です。これにより、海洋環境共存型のレアアースサプライチェーン構築へ向けた取り組みを加速します。また2023年の新鉱業法施行に伴い、レアアース鉱区設定に必要な地質基礎データの取得を目指します。

2. 海洋鉱物資源・広域海洋環境モニタリングシステム構築

深海の定点観測網と移動式観測を統合し、新たな海洋ロボティクス技術で深海環境を含む情報を把握、「海洋の見える化」に取り組みます。「江戸っ子1号」やAUV、深海ステーションとのIoT化を達成し、最終年度までに定点・移動式統合海洋モニタリングシステムを完成します。レアアース泥採鉱試験や海洋保護区の監視などに適用可能で、最終年度以降は海洋産業としてこの広域モニタリングシステムを活用し、海洋資源探査と環境調査事業を発展させます。

3. 海洋玄武岩CCS基礎調査研究

2050年のカーボンニュートラル目標達成へ貢献するため、海洋玄武岩へのCO₂回収・貯留(CCS)に関する基礎研究を推進します。具体的には、南鳥島EEZに位置する拓洋第5海山の地質構造についての調査を行うとともに、海洋玄武岩層におけるCO₂挙動や最適圧入技術に関する実験室レベルでの研究開発を実施します。最終的には、海上CO₂輸送や洋上圧入などを含むシミュレーション結果に基づき、海洋玄武岩CCSの概念設計の構築を目指します。