データベースd4PDF の特徴

(1) 全世界および日本周辺領域について、それぞれ60km、20kmメッシュの高解像度大気モデルを使用した高精度モデル実験出力です。過去6000年分(日本周辺域は3000年分)、将来については5400年分のモデル実験を行いました。
全球平均気温が産業革命以降4 ℃上昇した未来の気候状態と現在の気候状態との比較ができます。

(2) 多数の実験例(アンサンブル) を活用することで、台風や集中豪雨などの極端現象の将来変化を、確率的に、かつ高精度に評価することができます。
また、気候変化よる自然災害がもたらす未来社会への影響についても確度の高い結論を導くことができます。

(3) 防災、都市計画、環境保全等に関わる様々な地球温暖化対策のために、その基礎となる気候予測データを提供します。
共通の予測データを用いることで、諸問題間および地域間で整合した温暖化対策の実現が期待できます。

(4) 総データ量は2ペタバイト(2 x 1015 バイト) です。
文部科学省地球環境情報統合プログラム(DIAS)が運営するサーバを経由してデータは提供されます。

 

愛称とロゴ

データベースの愛称「d4PDF」は、「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース」(database for [4] Policy Decision making for Future climate change) の略称です。
「4」は上記の「4 ℃上昇」に相当します。このデータベースは、対象とする事象についての確率密度関数(Probabilistic Density Function: PDF) を陽に推定できるものです。
さらに、「d」は「δ (デルタ)」でもあり、現在と将来のPDF の違いを表現できるデータベースであることを陰に含めています。また、日本発のデータベースということで、正規分布の釣鐘型のPDFになぞって、ロゴには富士山を採用しました。
二つの富士山は現在(青) と将来(赤) の気候状態を表しています。

 

地球シミュレータ「特別推進課題」

「地球シミュレータ特別推進課題」は、新地球シミュレータの能力を最大限に活かして海洋地球科学分野における画期的な成果創出を加速するために、平成27年度から新しく設定された地球シミュレータの資源配分の枠組みです。
「地球シミュレータ特別推進課題」に選定された課題は、新地球シミュレータの一部を一定期間占有するなどの集中的な資源利用や、専任スタッフが技術的側面から強力に支援するなど、成果創出にむけた突破口を提供します。
「地球シミュレータ特別推進課題」の選定は年2~3回実施され、毎回4~5課題が選定される予定です。
「地球シミュレータ特別推進課題」として、課題名「地球温暖化施策決定に資する気候再現・予測実験データベース」(慣熟期間平成27年3月~5月末日および平成27年第1期:6月~9月末日に実施)が選定され、この2期に渡る特別推進課題の実施によって、本データベースd4PDFが作成されました。
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