三陸沖の海のようす

環境被害とベントスの潜在分布と比較:沿岸域の分布推定モデル結果の活用

2012年03月16日~2013年07月03日

どこで

東北沖海底(大槌沖、釜石沖、南三陸沖等)

しらべたこと

震災後のガレキの空間分布を把握するため、水深160mから700mを対象に調査するため、震災後の瓦礫の分布を深海域と沿岸域で異なる手法で行われた調査を集計し、比較しました。

調査は、2012/3/16から3/20および2012/7/31から8/7に4KCとYDDTによる曳航式カメラ調査、2013/6/30から7/3に小型ロボットによるカメラ調査。2013/3/12から3/17および 2012/7/23から9/16にそれぞれ深海、沿岸でサイドスキャンソナー調査を実施しました。

わかったこと

深海域ではガレキは谷筋で多くまとまって分布しており、広域調査でないと多数発見できない頻度であったことがわかりました。

ガレキの種類は木片が多く、プラスチックの容器、缶なども割合として多く見られました。

ソナーとカメラ、沿岸と沖合とではガレキの数に大きな差があり、相互比較のための検討が必要であることを確認しました。

今後、異なる物質でできたガレキそれぞれの輸送や分解過程と、生物への正負双方の影響の検討が課題であることを確認しました。

フォトギャラリー

調査地の位置図
集計したガレキ数
発見されたガレキ

2013 夏
春夏
春
2012 冬
夏
秋
春冬
夏
秋
春冬
夏
秋
春冬
夏
秋
春
   

沿岸と比べて深海まで流れたガレキは
少ないことを確認しましたが、
ガレキが集まる場所もあり、
今後の変化や生物への影響に
注視していきます。

   
  

研究発表

Yamakita, T., Yamamoto, H., Yokoyama, Y., Sakamoto, I., Tsuchida, S., Lindsay, D., Fujiwara, Y., Kawato, M., Kasaya, T., and Kitazato, H. (2015)  Distribution of the marine debris on seafloor from the primary report of five cruises after the great east japan earthquake 2011, IN:Hubert J. Ceccaldi, Yves Henocque, Yasuyuki Koike, Teruhisa Komatsu, Georges Stora, Marie-Hélène Tusseau-Vuillemin (eds.) Marine Productivity: Perturbations and Resilience of Socio-ecosystems, pp.101-109, DOI: 10.1007/978-3-319-13878-7_11

山北剛久, 山本啓之, 横山由香, 坂本泉, 土田真二, Dhugal Lindsay, 藤原義弘, 河戸勝, 笠谷貴史, 北里洋(2014) MR12_E2、YK12_12、KK-13-1の結果から見た、ガレキ、クモヒトデの分布状況.東北マリンサイエンス全体会議,2014年5月17日,仙台.

Takehisa Yamakita, Hiroyuki Yamamoto, Yuka Yokoyama, Izumi Sakamoto, Yoshihiro Fujiwara, Shinji Tsuchida, Masaru Kawato, Dhugal Lindsay, Takafumi Kasaya, Hiroshi Kitazato (2013) Mapping the state of the marine ecosystem after the Great East Japan Earthquake 2011. the 15th edition of the French-Japanese Oceanography Conference, p51, 23 Nov.2013, Marseille.

  

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