三陸沖の海のようす

三陸沖における生物資源(漁場)環境のモニタリングの結果報告 —2012年~2013年—

2013年10月28日~2013年11月10日

どこで

岩手県沖合海域

しらべたこと

巨大地震による沿岸域からの土砂等の流入により、三陸沖海底では地形や海底表層の状況が変動し、沖合の生物資源への生息環境への影響が考えられます。そこで、海洋生物資源(漁場)環境の長期モニタリングとして、地震が海底地形や生物生息環境に与えた影響を明らかにするため、CTDと高速フラッシュ励起蛍光光度計(FRRF)を用いて表層〜海底(水深2000m)までの海洋環境観測と採水サンプルの分析を行いました。

【観測、分析項目】
水温、塩分、溶存酸素(DO)、蛍光強度、透過度、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、ケイ酸塩、クロロフィル、溶存無機炭素(DIC)、アルカリ度(TA)、フロン類、溶存有機物 など

わかったこと

陸棚斜面上では、濁度が上昇し、DO等の減少やリン酸塩の増加が確認されました。また、炭酸カルシウムの飽和度とフロン類の関係から、底層にすむ殻を作る生物に適した環境が減少していることやフロン類の増加がみられました。

フォトギャラリー


2013 秋
   

地震による堆積物の巻き上げに伴って、
低濃度の溶存酸素・全無機窒素塩、
高濃度のリン酸塩が深層水に付与
されたことが示唆されました。

   
  

研究発表

脇田昌英,渡邉修一,佐々木建一,田中義幸,野牧秀隆,内田裕,川上創(JAMSTEC),坂本泉,横山由香(東海大学)(2014) 三陸沖における生物資源(漁場)環境のモニタリングの結果報告-2012~2013 年-.2014年5月17日,仙台.

  

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